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2話 自己決定権?どうやら忘れてきたようだ

 「……ふがっ!」


 固い石のような感触によって目を覚ました。どうやらうつ伏せの状態で気を失っていたようだ


 そんな中、目を開けて一番に飛び込んできた景色は光る床だった

 光っていると言っても、LEDライトのような優しい光である。感触は石のように固い


 体を起こしまだ慣れない視界を手でこする。すると、目の前にいた存在が目に映る


 光だ


 最初に思い浮かんだのはそんな感想だった


 それは、まるで光が人間の形を型取ったようなものだった

 高層ビルと見間違うほど大きな大理石のような素材の椅子に座った光る人。漫画やアニメで見る巨人なんて比じゃない大きさの光る人

 不思議と、神秘的な何かを感じさせるような光る人


 自分の貧弱な語彙力では形容することができない()()


 ――まるで神だ


 ハハハ…夢でも見ているのか? 神様なんているはずが無い…無いんだよ…


 だが、今感じた石のように固い光る地面の感触、自分の心臓から発せられる動悸、目の前の光る人から感じる何か神秘的な力、何より未だにほどけぬ心里の柔らかい手の感触


 それらが今この状態が夢ではないと自覚させる


 その光る人は微動だにせずどこを見ているのかもわからない。というか顔のパーツがわからない。のっぺりとした優しい光が全身を覆っているような状態であるのだ


 少なくとも敵意はなさそう…?


 と、余裕が出てきた所で回りを気にする余裕が出てきた


 視界の端に映っていた何かに目を向けるとこれまた大きな柱がある


 材質は先ほどの光る人が座っている椅子と同じ高級感漂う大理石のような物。大きさはまさに高層ビル級である。見た目は、歴史の教科書で見たことのある古代ローマの宮殿にあるような感じだ


 そんな柱が光る人の座っている椅子から無限に、規則的に並べて置かれている


 床は光り、柱は規則的に続いている。空間は無限に続いているように感じられ、なおかつほんのり光っているように見える

 それに加え大きな光る人である


 さながら王の…いや、神の御前ってとこだな


 そう結論づけると、自分でも驚くぐらいに落ち着いている事に気づく


 「心里、起きて」


 とりあえず、今僕ができるのは心里を起こすことだけだ


 「…んむぅ…おきた…」


 目をこすりながら体を起こす心里。かんゎい!


 「…どこ?」

 「さあ?僕もわからない。しいて言うなら神の御前ってとこかな」

 「…確かに」


 目の前にいる大きな光る人を見て歪む顔と共に納得する心里。なお、当の光る人は何もリアクションをしない


 物音が聞こえ再び辺りを見回すと、先ほどまで倒れていたクラスメイトが起き始めていることに気づいた


 ちなみにクラスメイトとの距離感は各々が少し離れている感じである


 「うおっ!なんだあれ!」

 「え!?なにこれ!?」


 「異世界召喚…ですか!?」

 「俺の時代来たあぁぁぁぁ!」

 「待て!まだ魔法がある世界だと決まったわけじゃぁないぞ!」


 「なんなの…これ…」

 「お、落ち着け!お前ら!」

 「みんな!落ち着いてくれ!」


 「…夢だな」

 「きぼぢわるい…」


 反応は様々である

 単純な混乱、非現実に喜ぶ者、夢だと結論付ける者、身体の不調を訴える者


 先生と学級委員がみんなを落ち着かせるために声を上げるがそんなもので落ち着けるわけがない

 今までの人生で身に着けた常識、災害への避難訓練、高校で身に着けた勉学、それら全てに当てはまらない非現実。人間を混乱させるには十分すぎるほどの要因だ


 『静まれ』


 鶴の一声とはこんな場面を表すのだろう

 混乱が支配し騒がしかった場が一瞬で静まり返った


 『我は騒がしいことを好まぬゆえ一時的に声を奪わせてもらった』


 理由は単純明快。物理的に声を発せなくなったからだ


 『我は主神ファーオン、そちらの世界で言う神だ。まずは突然召喚してことについて謝らせてもらいたい。すまぬ』


 自分を神と自称する存在に開いた口が塞がらない。


 神は…居たのかよ…


 だが、事実こちらは声を発することができなくなっている。そして、聞こえるはずの声が聞こえず代わりに頭に直接響くような声


 間違いなく自分たち人間より高位な存在だと頭ではなく本能で自覚する


 『この空間はお主ら人族には少々辛い環境であろう。手短に話すぞ。まずお主らは近いうちにバスとやらが事故を起こし死ぬ運命にあった。だが、こちらの依頼を受けてくれればその死の運命をなくすことができる。

 依頼というのは、これからお主らを送る世界で復活する邪神を討伐してほしいというものだ。

 間違いなく命がけの依頼になる。そのため依頼を断りたい者は申し出てもいい。だが、依頼を受けぬ者の死の運命をなくすことはできない』


 バスが事故って死ぬ?嘘じゃないならその依頼を受けるしかないな


 『…嘘ではない。そちらの国の神…八百万の神々(やおよろずのかみがみ)に誓う』


 こいつナチュラルに心読んできやがったぞ


 だが不思議とこの神、主神ファーオンは嘘をついていないと感じられる



――――――――――――――――――――――――――――――

今思えば、この時こちらに精神操作をしてきてたのだと思う。後から聞いた所誰一人も反対意見や疑問を浮かべてなかったとのことだ。


普通なら「何故俺、私がそんなことをしなければならないのか?」「国に依頼しろよ」「バス事故なんて嘘だろ」なんて意見や思考を考える所である。


だが、そういった思考は不思議と出てこず「バス事故の運命から救うチャンスをくれるなんて!なんて良い方なんだ!頑張ってその邪神を討伐するぞ~!」なんて頭パッパラパーな思考しかしてなかったのだ。


端的に言うなら、最初からこっちに決定権なんてなかったのだ。

まあバス事故の運命にあるってのは本当だったけど

――――――――――――――――――――――――――――――



 嘘じゃないと分かったのなら話は早い。その依頼を受けるしかないな

 

 神の依頼を受ける という結論を出したのは僕だけではなかったらしい

 心里やクラスメイト、先生、全員が同じ意見だった


 『そうか、依頼への協力感謝する。…おっと、もうお主らの魂が辛そうだな』


 魂が辛そう?別に体に不調はないが…?


 『いや、こちらの話だ。

 今から、お主らが依頼を達成できるように力を与える。お主らの可能性を見て選択肢与える。

 まあ、魂の損傷具合を見るにおそらく覚えていないだろうが、健康には問題ないから安心しろ』


 神がそう言うや否や、目の前に光る板が出てきた

 支えもなしに浮かぶ光る板を前にもうなんか考えることにつかれてきた自分がいる


 隣にいる心里の目の前にも同じ光る板が出現していた


 とにかくこの選択は、これからの人生に関わることである


 よく考えて選ばなくては

――――――――――――――――――――――――――――――

システムメッセセセセセセセセセssss エラー えアラー 繧ィ繝ゥ繝シ 縺雁燕縺狗衍隴倡・


 隱ュ繧√※繧九°縺ェ?溯ェュ閠??逧?ァ假シ溘♀縺」縺ィ險?隱槭r繝溘せ縺」縺溘?窶ヲ

 ん゛っん…これは読めるかな? あぁそうか良かったよ

 改めて、私は知識神。主神ファーオン以上の螳?ョ吝、冶ヲ乗?シ螟也・…おっとこれはダメか…

 まあただのおせっかいなお姉さんだとでも思ってくれよ?


 ん?ふむふむ…

 まあまあ、そんな心配しなくてもいいよ。私はこれから先の物語には干渉しない。君たちならわかるだろ?私は枠外の存在だ。物語に干渉のしようがない。

 そんなことよりも、どうやら君たちはこれからの先の物語の知識が欠けているようだ。

 それは知識神として無視できないなぁ…

 ということで、これからここ…後書きと言うのかい?後書きにちょっとした豆知識、TIPSを届けるよ

 それじゃあまたね

――――――――――――――――――――――――――――――

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