8. 専属騎士団
「辺境伯様これはわざわざご足労ぅ...、そちらはまさか?」
「丁度良い、あぁそうこれが我が息子カインだ。カインこちらは我が家のまぁいわゆる近衛兵騎士団の騎士団長ベイルードだ」
そう紹介された者は白髪の見た目50代の男性だった。
今は普段着だったこともあり、年齢とはそぐわないがっちりした体型が伺えた。
「これは、顔を見れないのは残念ですが始めましてカイン様。私の名前はベイルード・ガザル子爵です。今後ともよろしくお願いします」
専属の騎士団団長が子爵家とは凄いなウチ...
「では、改めて我が名はカイン・ビブリテリカですこれからよろしくお願いします」
「はっはっはっ、これは噂というよりお前の親父の自慢話通りしっかりしたご子息様だ事。これはセクトの名前の方も受け継が事を期待しちゃうな」
さっきまで勇ましく少し話かそうではあった雰囲気が少し緩んだ。
それに釣られるように父も家では見たことない、友と語る時のような姿を見せた。
「やめないか、ベイ本人の前で恥ずかしいではないか」
初めて見る父の意外な姿に少しは驚いたがひっきりなしに仕事しかしていないように見えた父にこう言う友がいる事に少し安堵した。
まぁまだ親の心配をするような歳でもないのに。
「それに、ベイお前にはカインの素顔を見せるつもりだ。お前にはコイツを守ってもらわんといかんからな」
「そうか、それは楽しみだ。して、今回は何しに来た、ただの顔合わせか?」
「いや、カインにもそろそろ剣術をとな...」
「そうか、もうそんな歳になるのか。生まれて数年会えなくて二年後久々に顔を出したら自慢話をしだしてそして三年たつのか... たく、最後に一緒に遠征出てからもう六年ぐらいかこの歳になると時がたつのも早いな」で
「そうだな、そう間もないうちにカインに家督と辺境伯の名を継いで隠居か...」
「おいおいそれは気が早すぎるだろ、お前も困るよなカイン」
会話を聞き流しながら見ていて急に話を振られて少し戸惑った。
その問いに俺は、はいと大きく答え「だよな」と言われながら肩を叩かれた。
最初の緊張や敬語はどこへやらなんか今となっては親戚のおっちゃんの乗りだ。
ゴホン
「話しがそれてしまったな。カインの剣術に話を戻そう」
父は咳払いしてそういった。
ベイルードもそれに同意して兵舎らしき建物の奥へと案内された。
中に入ったら中にも二人の男達がいて、こちらはベイルードとは異なり若い。
「団長!に、辺境伯様!ようこそいらっしゃいました!」
「おや、まさかその子供は」
「コールにザハト、前回見た時から間違えたな。こっちは俺の息子カインだ」
「名前を覚えていだだいたい嬉しい限りです!」
コールとザハト、コールは荒い黒髪に筋肉が服の上からでも伺えた騎士よりは戦士って方がしっくりくるようなマッチョ、そして顔が整っていて真面目そうだ。
ザハトはそれとは対照的に筋肉などは目立たずヒョロリとしていて騎士にはぱっと見は見えない。茶髪が目立ちなんだかパリピ感がある雰囲気だ。
こっちもイケメンの部類に余裕で入るだろう。
まぁ、聞いた話によれば騎士は大抵貴族、最低でも騎士爵が普通はなる者だから美形が多いのだろうか?
いや、そもそも貴族が美形と言う前提の元の予想ではあるけど。
コールは先程の返事をすると同時に今まで食事を摂っていた形跡のあるテーブルを片付け始めた。
ザハトの方はと言うとベイルードの時と似たような感じで父を少しいじっていた。
騎士と主人の関係は結構近しいものなのだろうか?
まぁ父も戦闘に出たと言ったりしてたし戦場でなくとも命を預けるからそれなりの信頼はいるよな。
「コール、ザハト一段落したところでお前らの事カインに紹介しろ」
「「はっ!」」
「カルベル班、副班長コールです」
「同じくカルベル班のザハトだよぉ、よろしくなご子息様」
「あっ、えっとありがとうございます。私はカイン・ビブリテリカです」
「よし、じゃコール倉庫からカインの背丈にあった両手剣と片手剣を取ってきてくれ。
ザハトは修練場に空きがあるか見てきてくれ」
二人はその命令と共にテキパキと行動を始めた。
コールは地下へと行きザハトは入った入り口とは別の扉から出て行った。
「さて、カイン早速だか今日はお前に合った武器を見繕う訓練はそれからだ。まずはメジャーな両手剣と片手剣を試せ」
そう言われ俺たちは二人が戻るのを待った。