0-5
0-5になります。
まだ走り始めたばかりですが、この調子で毎日更新したいと思います
引き続き、ご声援よろしくおねがいします。
馬車が止まり、カインは幌馬車に置いていた自身の所持品がつまったバッグを肩にかけた。
「忘れ物はないか?」
御者が確認のため、幌馬車の中を覗く。
道中まで客はカインのみだったので、今は何一つ置かれていない。
旅費等は村を出る前に支払い済みであった。
「それじゃあな」
御者が手を振って別れを告げる。
短き旅だったが、貴重な経験を得れた気がする。
カインも大手を振り、別れを告げた。
再び、街の入り口のところまで歩いて戻ることにした。
本当は探索も含めて馬車から見えていた小路を進んでみたい気持ちがあるのだが、下手な冒険をして迷子になるわけにはいかない、と同じ要領で壁を目印にして来た道を戻っていく。
石の地面は初めてで歩くたびに気持ちの良い音に心が弾む。
そのせいか歩く事に苦を感じず、気づけば再び大通りが目の前にあった。
大きな馬車が今しがたカインの前を通り過ぎていった。
中には誰が乗っているのだろうか、と少し気になるも、街へ来た理由を思い出す。
冒険者になるための建物を見つけるのが最優先だが、寝泊まりする場所も考えなければならない。
幸い、ある程度の金銭はある。
これは村の皆が訪れる旅商との取引で少しずつ貯めて来たものであった。
村全体が物々交換で成り立つ社会だったので、自分達には不要であると餞別に渡してくれたのであった。
「どこに行けばいいんだろう?」
足が赴くままに大通りを歩き始める。
様々な色の屋根の元、似たりよったりの建物が道からはみ出さないようにきちんと建てられている。
きっと空から見れば綺麗なんだろうなあとカインは思いながら、どこまで続くかわからない道を進む。
この先に目的地があると信じて。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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