0-4
0-4になります。
まだ走り始めたばかりですが、この調子で毎日更新したいと思います
引き続き、ご声援よろしくおねがいします。
「次の者!」
待ち焦がれていた検問所に着いたのは昼食を終え、少しばかりの眠気がやってくる頃であった。
手持ち無沙汰のあまりにうたた寝状態で横になっていたカインであったが、検問所に来た雰囲気で体を起こし、再び御者台に座る。
「どこから来た?」
眉の太い守衛が御者に尋ねてきた。
手には簡素な槍だが先端の獲物は磨かれている。
御者は前持って用意していた丸まった羊皮紙を一枚手渡した。
守衛がその場で広げ、一通り目を通す。
「少し待て」
防具の帷子を鳴らしながら、壁に密接して建てられた詰め所へ入った。
もうひとりの若い守衛がカイン達が待つ間、片時も目を離さない。
監視されているようで肩身の狭さを感じつつも待つこと数分、守衛が戻ってきた。
「通ってよし」
ほっと一息するのも束の間、馬車は逃げるようにして急ぎ足で街の中へと向かっていく。
アーチ状になったトンネルを抜けると、外からではわからなかった街の内部が目に映る。
建物も廃材や藁などではなく、レンガから成る二階建てのものが軒並み建てられている。
目の前に敷かれた石レンガの道は広く、大型の馬車二台が優に通れる程である。
端は歩道となっており、様々な格好の人が行き来している。
「このまま右に曲がってそこでお別れだ」
御者は大通りには向かわず、街の入り口を右折して進んでいく。
壁伝いに進み、左手には家々の間に小路が無数に張り巡らされている。
数人集まって遊ぶ子どもたち、世間話をするご近所。
馬車からだとじっくりと見る事はできないが、カインは合間合間に映る街中の風景に目を凝らして楽しんだ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
もし宜しければ、広告の下の☆☆☆☆☆を選択した後、評価していただければ幸いです。
執筆の原動力に繋がり、より一層励む事が出来ますのでお願い致します。