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1-8

大体RPGの序盤って森ですよね

「お決まりですか?」


 少女の勧めで薬草を六つ集める任務受注紙を垂れ目の受付嬢に渡す。

 慣れた動きの視線が上から下へと一気に動き、その場で頷くと、受領印と呼ばれる長方形の大きな判子を押してくれた。それを両手で丁寧にカインに返す。


「最初の任務ですね。がんばってください」

「あ、ありがとうございます」


 おどおどした態度でお礼をし、少女が先導の元、街のすぐ外にある森へいく事となった。

 ギルドを出、商業区を通って、再び検問所にやってきた。


「身分を証明できるものはあるか」


 朝の守衛とは違って全員入れ替わっており、短い髭を整えた中年の男がカインを引き止めた。

 何か証明できるものはと少ない手荷物を慌てて隈なく探す。

 横の少女は呆れて、今しがた作成したばかりのギルドカードをみせた。


「……よし。通れ」

「お先ね」


 少女の余裕そうな顔にカインは気付かされ、自分のカードをみせた。


「よし、通れ」


 守衛は頷き、再び後からつかえている者たちの検問作業をしていた。

 先に門をくぐった少女の後を追う。


「あんたにギルドカードを持たせるの、なんだか不安だわ」

「君には関係ないだろ」


 少女の言葉がさすように自身でもそんな所は昔からある。

 失くさずに持ち歩けるだろうか、カインは不安そうにギルドカードを握りしめた。


「ほらあそこ。森が見える」

「ほんとにすぐ近くなんだね」


 ルガに来る前、馬車から見た景色の一つに確かに木々が広がっていた事を思い出した。

 あの時のはこれか……。

 森といってもそこまで立派な木々が群生しているわけではない。

 どちらかといえば低木の部類に入るものばかりで思い思いに根をおろし、緑を繁らせる。


「それじゃあ早速はじめましょ」

「六個、集められるかな」


 不安なカインをよそに少女は意気揚々と森に入っていった。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] そういう、ちょっとドジな部分可愛い( ´∀` ) 何もかも解った気でいるようなキャラより好感持てますよ( ´∀` )
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