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まずは手始めに薬草集めといきます。
カインの実力では、最弱のモンスターすら倒せるか怪しい・・・
「怖がらせてしまったみたいで申し訳ございません。しかしそれほど冒険者にとってギルドカードは身分証明になります。釘を刺す意味で少し強めに言ってしまいました」
受付嬢の心遣いに二人の気持ちは優しい気持ちに変わった。
そして自分のカードを取り上に持ち上げてまるで宝石を手に入れたかのように見惚れた。
「お二人は早速クエスト受注をされる予定ですか」
「はいっ」
少女が応える前にカインが良い返事をした。
念願の冒険者になれたとなれば次にすることといえば、もう決まっている。
「でしたら、あそこにありますコルクボードに張られた紙の中から一枚とりまして、あそこにいます受付嬢にお渡しください。彼女の業務はクエストの受理処理となっておりますので」
向けられた手を見れば、あの垂れ目の受付嬢であった。
視線に気づき見慣れた動作で手をふっていた。
「あ、ありがとうございました」
「助かりました」
深くお辞儀をし、二人はコルクボードに向かう。
カインが目に止まったものを選ぼうとしたとき、少女が紙を手渡した。
「なにこれ?」
「あんたにお似合いのやつよ」
カインは少し皺ができた紙を丁寧に広げるも文字は読めないので少し嫌な顔になる。
嫌味かと少女を見るが、善意をして気持ちの良い顔でカインをみつめていた。
「あの、字よめないんだけど」
カインは低い声を作り、もらった紙を少女にかえした。
「あっそうだったわね……、ごめん」
態度から察するにわざとではなかったらしく、何だか逆にこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。
こんな事で間柄を悪くする必要はない。
「えっと、じゃあさ、内容を教えてくれない?」
「! もちろんよ」
少女は丁寧にゆっくりと教えてくれた。
クエスト内容は近場の森で薬草を六つ集めるというものだった。