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「聞き間違いをしてしまいましたかね。この街を出ると私には聞こえました」

「いえ、あってます。僕はこの街を出ます」

 カインのはっきりとした声にレーベは目を見開いた。

 そして顔の周囲を囲む毛を逆立る。

「なぜです。貴方は強くなりたいと言ったはずです」

「確かに……。でも、ここに留まる理由が無いんです。強くなりたいといっても、単純な強さだけではないんです」

「理解できませんね。私の指導では不満ということですかね」

 レーベは明様に怒りを示していた。

 鋭く大きな犬歯をちらつかせながら苛立ちを隠せず爪でひっかく音が聞こえるもカインはあまり意識しないようにした。

「不満は全くないです。無いですけどそれ以上にもっと世界を見て回らないと行けない気がするんです」

「ふむ。そういう意味での強さを欲しているわけですね」

 一定の理解をした様子で逆立っていた毛が普段どおりに戻る。

 気迫はなくなり、普段通りの顔つきに変わる。

「まぁ、貴方はここのギルドの正式なお抱え冒険者でもなんでもありませんですし、我々に止める事ができる権利はありません。無理強いすることぐらいしか、ね」

「ごめんなさい。せっかく付き合ってくださっていたのに」

 カインは深々と頭を垂れた。

「ええ全くもって。ですが、あなたが決めた事です。その決定に従いますよ。あ、それとギルド長には私から言っておきましょう。もし、カインが直接伝えてしまったらどうなるか分かりませんから」

 半分笑いながら言うが、その言葉に背筋が凍った。

 ギルドとの別れを済ませ、次はモニカの場所へと向かう。

 約束の人形を受け取ればいよいよ旅へと出発だ。

 道順はうろ覚えだがたどり着けるだろう。

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