【200文字小説】名人
ビシリ!と鋭い音を立てて金を前に進めた
無梨九段は名人を追い詰めた
名人の顔に焦りが浮かぶ
名人は長考に入った
トイレに入った
手を綺麗に洗った
外へ出た
考えながら歩いた
ウンウン考えながら歩いた
いつの間にかソフトクリームを手に持っていた
ぼたぼたこぼしながら歩いた
食べきった
まだまだ歩いた
横断歩道を渡った
赤だった
トラックに轢かれた
転生した
王様に名人は聞いた
「この世界に将棋はないのですか?」
なかった
拳を上げて喜んだ