39.多分、足りないのはサービス精神
なろうのエッセイや活動報告でたまに見るこんな言葉──
「ブクマがつかない、閲覧されない」
「なんでこれが書籍化されて、自分の作品は評価されないの?」
そう嘆く人たちにこっそり教えたい。
多分、足りないのはサービス精神です。
自分の書きたいものを書いて、それが読まれて楽しいという人は、この限りではないです。
でも、少なくとも「誰かに読まれたくて書いている」という人は、ある程度読者にサービスをするべきだと思います。
書きたいものをただ書いて載せる、それだとただの落書きと認識されてもおかしくないのです。
誰かに刺さるように書きたいのなら刺さるような工夫をすべきだし、なるべく多くの人に読んで欲しければ、多くの人が読むような話にして行くしかない。
読者へのサービス、というのは案外難しいことじゃなくて。
①分かりやすい話にする
②共感出来るような主人公にする
③可愛い(かっこいい)キャラクターを出す
④カタルシスを得られるような展開をする
これぐらいを心掛けておけばいいのです。
媚びろとまでは言わないけれど、
「俺の話を聞け!」
と言うより
「ちょっとこれ興味ありませんか?」
程度の要素を散りばめておけば、「どれどれ……」と作品の暖簾をくぐってくれる人がいるんじゃないかなーと思います。
小説の難しいところは、「一見していい作品かどうか」が分からない点にあります。
漫画はパラパラめくれば、何となくその出来を察することが出来るでしょう。
しかし小説は文字ですから、一見どれも同じ。
それが、作者と読者の迷いを生みやすいのだと思います。
ならばそれを逆手に取って、分かりやすい題、分かりやすいあらすじ、分かりやすい出だしにしてみませんか。
それはテンプレでも妥協でも何でもない。
ただのサービスです。
各企業がしのぎを削ってやっている、あのサービスなのです。
サービスてんこもりで作家活動している人を「何だあいつ」「媚びやがって」などと侮ってはなりません。
彼らは営業活動をしているのです。
そうやって人を惹きつけてまで、読んでもらおうと腐心しているのです。
映画「男はつらいよ」の寅さんの、バナナのたたき売りみたいなものです。
調子のいいことをたくさん言って、バナナを売っているのです。
「持ってけドロボー!」なのです、なろうは。……実際読むの無料だし。
多分テンプレ批判をする人は、それをして作品が大コケして嘲笑われることを恐れているのでしょう。
しかし、サービスする人を笑う人なんて、滅多にいませんよ。
もしどうしてもブクマがつかなくて苦しい思いをしている人は、是非一度テンプレを使ってみて下さい。
よくいるキャラクターや設定を使い回し、よくある結末を迎えてみて下さい。
きっと、いつの間にか自信がついているはずです。
さあ、今日も明日もサービスサービスぅ♪