38.コミカライズされやすい短編を書いてみよう
皆さまお久しぶりです。
「【コミカライズ】私あの時、不幸でよかったです。」(https://ncode.syosetu.com/n5432gq/)
こちらの短編作品が一迅社アンソロジー「訳あり令嬢でしたが、溺愛されて今では幸せです」においてコミカライズされました。
ついに自分の書いた作品が商業作品の仲間入りを果たせて、感無量です……(泣)
さて、出版社からの打診が来て、あれよあれよという間にコミカライズの運びとなりました。
まさかと思いましたが、本当にあれは前触れもなく急に来るんですね、驚きました!
さて、書籍をコミカライズした経験から、何となく
「コミカライズしたいなら、こんな作品を書いたらいいのでは?」
というお話をさせていただきます。
というのも、高ptを叩き出しているのに、まるで声のかからない小説がちらほらあるからです。
無論、中には「趣味で継続したいので出版社との仕事は断っている」とか、「公務員(職員)規定により副業が禁止されているので断っている」という方もいらっしゃるでしょう。
そうでなければ、選ばれない何かがあるはずなのです。
私は今のところ「アンソロジー」という形態でしか出版経験がないので、アンソロジー限定で話を進めさせて頂きます。(範囲狭っ)
多分、こんな話には打診が来ない……
①話が短すぎる、または長すぎる
今回コミカライズされた小説は約6000字でした。これをコミカライズすると、すっきりしたコマ割りで大体30ページに収まりました。
恐らく3000字とか20000字などの短編はアンソロには向かない気がします。15ページや50ページだと納まりが悪いし、もし一作品につき30枚などと規定があった場合、妙にコマ割りが小さくなる可能性があります。
②意外性のない、テンプレ過ぎるお話
「訳あり令嬢でしたが、溺愛されて今では幸せです」内で、私の作品の他にどんな作品が掲載されるかは、表紙のレイアウトを知らされるまでまるで分かりませんでした。
けれどようやく他掲載作品を読んでみて「なるほど~」と思ったのは、どのお話にもこちらを唸らせる「意外性」があったということです。
確かに漫画という作品形態は「絵」で見せるので、淡々としたストーリー運びや冒頭で引っ張るだけのお話では画面の強弱がつけにくく、ぼんやりした印象になってしまいます。
ですからなろうにありがちな「起」の強い話より、承転結の印象が強く徐々に盛り上がって行くお話の方が、漫画にしやすいのではないかと思います。
③キャラクターに特徴がない
「【コミカライズ】私あの時、不幸でよかったです。」(https://ncode.syosetu.com/n5432gq/)は、なんと老騎士と結婚するお話です。
これだけで「意外性」と「絵の引きの強さ」だけは確保出来たのではないかと思います。
漫画はどうしても「キャラ付け」が肝になって来ますので、ただカッコイイ男性、かわいいヒロインよりも、プラスアルファがあると目を引きやすい。
もちろん「ジジイの恋愛なんか見たくない」という意見もあるとは思いますが、これがアンソロジーの凄いところ。他の作品が面白ければ、ある程度の満足度は担保されてしまうのです。いえいっ、アンソロ最高!
④地の文が多すぎる
実は自分がネーム作りに携わっている間に、一番感じたことがコレでした。
私の作品は結構「地の文」が多いのです。地の文でいくらでも説明が出来たことも、絵に描き出すとなるといきなり説明不足に陥ってしまいます。
こんなことになるならもっと台詞を増やし、心情も(かっこ)の中に書き出してしまえば良かったと何度思ったことか!
「ここにもう少しセリフを足して、ここにこういった絵を入れて貰って……あああここは説明不足で本当にすいません!」
漫画家さん(編集さん)に頼んで、コマで行間を色々と付け加えました。
漫画家さんの作業量はハンパじゃありません。私の思いつきでほいほい動かすなんていうことは、なるべくさせたくありません。
こんなことにならないためにも、場面ごとにちゃんとキャラクターに台詞で心情を口にしてもらう。
心情をきちんと文の中に書いておく。視線や立ち位置をイメージしておく。
そのあたりも念頭に置いて書くといいかもしれませんよ。
つまり……
「1万字前後で後半に意外性があってキャクターに個性があってセリフ多めのお話を書けば、コミカライズの道は開ける!」
短編アンソロジーに掲載されるべく短編を書いていらっしゃる方がいらっしゃったら、是非参考にしてみて下さいね♪