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異世界転移生活術〜武器が使えないから素手でボコる〜  作者: ぬまんち
異世界サバイバル生活編
5/17

5、レッツ、バーベ!!

誤字、脱字がありましたら教えていただけると嬉しいです。







ピクッ、バッ!!!!


左手に巻き付けたつるにわずかな振動を感じ、大吉は飛び起きた。



チュン、チュン、チュン…




「なんや、小鳥か………」


小鳥がつるの上にとまっていた。




「かなり焦ったけど、小鳥までも反応できるってこの結界作戦かなりええんちゃう?」



大吉はそのまま立ち上がり、川の方まで歩いていき水浴びをした。

川の水は冷たかったが、それが頭をスキッとさせ寝ぼけ眼を覚ました。


足元の水は透き通っていて、足の横を魚が泳ぎ抜けていく。



ぐ~~~……



「昨日赤い実を食べたって言うても朝になったら腹へるわな……魚食いたいわぁ…………



そや、ガチンコ漁や!!」


ガチンコ漁は、水の中にある岩の周りに集まった魚たちをその岩に衝撃を与えて周りにいる魚を気絶させ、魚を捕まえる漁法だ。

稚魚の保護のためにも日本で禁止されているが、ここは異世界、地球ですらない。


大吉は両手で何とか持てるくらいの石を川の中から頭を出している岩にたたきつけた。


するとプカプカ魚が浮いてきた。




「流される前にとらへんと!」


大吉は川に飛び込み魚を捕まえた。


全部で6匹鮎のような魚がとれた。



「よっしゃ、それじゃ料理しましょか。」


川魚は寄生虫がいる可能性が高いので焼いて食べることが一般的だ。


本来なら塩をすりこんで焼きたいがそんなものはないので我慢。


「え~と、包丁は……石でやるか。」


河原にはたくさん石が落ちている。

大吉はその中でも固そうな石を拾い、大きめの平らな石の上に置き、上からまた違う石で叩き割る。

固くて割れやすい石ならそれでいい感じに割れて包丁代わりになる。



「よし、これで内臓を取ってと、内臓に何が入っとるかわからへんからな、異世界やし…」


近くの木の枝を折り、魚に刺す。

そして枯れ木や枝、葉っぱを集めておく。

おそらくこれでも火は着くだろうが念には念を入れて、リュックから書類を出して、くしゃくしゃに丸めて上に置く。





「あぁ、1週間かけて作った書類が……、まあ生きるためや。」


元の世界で必死に作ったプレゼン用資料もここでは何も役立たない。

それならせめて燃料にの精神で泣く泣くまるめていく。


とりあえずこれで準備完了。




「さあ、ライターで火をつけて…………ってそんなものここにはないわな………。」



「あっ、そや!!!」


大吉は自分が背負っているリュックを取り出した。


実は、大吉は趣味がかなり多く、その一つにアウトドアがあった。


ちまたでは、グランピングなんて自分では何もせず、周りがすべてしてくれる、王様のようなキャンプが流行っているが、大吉はあまり興味が持てなかった。

山を越え、谷を越え、川を越え、自分の力でテントを張りアウトドアを楽しむ。

そして持っていくものはできるだけ、少なくした方が面白い。


ということで超コンパクトに収納された携帯サイズのサバイバルツールを買って次の休みに使おうとリュックに入れていたのだ。







「ラッキー、ファイアースターター入っとる。ってか、カッターナイフみたいなちっちゃいナイフも入っとったし、包丁作らんでよかったやん。あとは、方位磁石と釣り糸と釣り針か……磁場が狂っとるんか方位磁石は使いもんにならんみたいやし、釣りもガチンコ漁で何とかなるしな……後はもうないか、リュックの中は……後は本と書類だけやし、スマホもないし…まぁここではスマホは使えんやろうけど。」


ファイアースターターとはいわゆる火打ち石の進化版だ。


マグネシウムの棒を先にギザギザのついた板でこすることで火花を出す。



まずは、自分のポケットの中に手を入れて探った。

一つまみの綿ぼこりを取り出した。


洗濯をするときに、タオルなどから出た綿くずがポケットに入ることがよくある。


ちなみに、新しいものや、ジーパンは洗わない派の方はごめんなさい。

大吉はジーパン洗う派だ。

ジーパンは洗わないと臭いし、つなぎ目の糸のところが弱ってきやすくなる。

そんな高いものは履かないし……



そしてそれをくしゃくしゃにした書類の上に置き


チッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッボ


何とか火が着き、とりあえず念願の火を手に入れた大吉は魚を焼き始めた。



煙が立ち上り、枯れ木に火が灯る。


枝に刺した魚を地面に刺し、焼いていく。


火は勢いよく燃え、魚の皮目をあぶっていく。


そして、だんだん火は落ち着き、じわじわと弱火で魚を焼く。


ジュッ、ジュ~


時たま魚の油が木に落ちてそれが何とも言えない香りだ。



「う~ん、最高。それじゃあ、食べるか。」





ガサッ


大吉は、その場から飛びのいた。


よく考えたら火も魚を焼くにおいも野生の肉食動物にここにおいしいものがあるよって大声で宣伝しているようなものではないか。


大吉はけん制しようと地面の石を拾い、息をひそめる。





ク~ン


草陰から昨日出会った白い子虎が出てきた。




「お前かい、一瞬死を覚悟してもうたわ。親はおれへんの?ってかおらんよね……」


ホッと安心し、また魚のところに行きながら白い子虎に話しかける。


白い子虎は、一定の距離をとったままこちらを見ていた。


「まあええか。」


大吉は、魚を手に取り食べ始めた。


本来なら塩を振ればさらにおいしかっただろう。

しかし、それがなくても気にならないほど味は濃く。

かぶりつくと皮はパリッと、そのあとに魚の油がじわぁっと、そしてホクホクの身。

しっかり焼いているので骨まで食べれて、歯ごたえがあって……




「こりゃ、うめぇ。」


一瞬で一匹食べてしまった。


異世界の動植物は前の世界よりうまいのだろうか。

それとも腹が減っていたからだろうか。


大吉は次と手を伸ばし魚を食べようとすると視線を感じる。




白い子虎が物欲しそうにこちらを見ている。

魚をあげますか?


はい


いいえ






答、いいえ






………白い子虎が辛そうです。

魚をあげますか?


はい


いいえ






答、いいえ




………………白い子虎が涙を浮かべています。

魚をあげますか?


はい


いいえ





「………あぁ、わかった、わかった。やるわ。ほら、2匹、親と分けるんやで。」


大吉は、魚を2匹投げてやった。


子虎は嬉しそうに口にくわえ、また草陰の方へ走っていった。


大吉は子虎の方には目もくれず、もうやらないといわんばかりに一心不乱に魚にかぶりつくのだった。


〈火のつけ方〉

木の棒をこすり摩擦熱でつける方法

氷やガラス、透明なもので光を集めその熱でつける方法

ガムの銀紙のようなもので電池の端と端をつなぎつける方法

今回のようにファイアースターターや、ライター、マッチを使う方法

一番簡単な一番下の方法でも初心者だとなかなかつけ辛いです。

ちなみに私はバーベキューなどをするときはチムニースターターを使います。

そして、水鉄砲と火消しツボを必ず用意しています。

下城会長、スマートバーベキュー目指して頑張っていますよ!!!

さぁみんなでレッツ、バーベ!

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