4、家が見つかりません。助けて…
誤字、脱字があれば教えていただけると嬉しいです。
「さて、次の策を考えるとしよう。木の上は安全かと思われたが、どうやら肉食動物は意外と木登りがお上手らしい。木の上は安全だという過程は崩された。ではどう言った場所にするか。第1に考えるべきことは安全性だろう。この際、川から多少離れてもまずは命の心配をすることなくぐっすり寝たい。それじゃあ、敵が入ってこれないようなドアを作ればいいのではないか。例えば入ろうとすると串刺しになるとか………
いや、それではだめだ。俺自身も死んでしまう。では絶対開けられないように動かせない岩のようなものをドアにする………
だめだ、俺も入れない。落ち着け、こういうときは逆転の発想だ。違うところから入ればいい。
それだ!!!入口はイミテーションとして作り、岩でぴったり固定させる。敵はわかりやすい入口から入ろうとする。しかし、岩が動かせなくて入れない。それで俺自身は別の隠し通路から入ればいい。万が一岩をどけて入ってきても入口に串刺しにする罠を仕掛けておいて、俺は隠し通路から逃げればいい。
………………ふふふっ、天才や。俺は天才や!!!」
戦闘終わりの変なテンションで独り言を叫んでいる。
気分はまるで推理小説に出てくる名探偵のよう…
見事などや顔である。
正直うざい………
天才と変態は紙一重………うん、変態だ。
気を取り直して家に使えそうな洞窟を探しに行く。
「やっぱ、崖のところにありそうかな…」
プテラノドンに襲われて落ちてしまった。崖のところへ歩いていく。
人型のくぼみを見つけた。
「とりあえずスタート地点に戻ったってことか。さあ、再出発や。」
大吉は気合を入れて崖に沿って歩き出す。
時計を見ると時間は昼の12時を過ぎたところだ。
何とか夕方までには落ち着ける場所と食事にありつきたい。
そうすると、あと6時間ほど…まあなんとかなるだろうと歩いていく。
どんどん崖に沿って歩く。
景色は変わらない。
さらに歩いていく。崖を触りながら歩いたがどうやらこの崖は岩でできているようだ。
頑丈そうで何よりだ。
歩く、歩く。……………少し不安になってきた。
さらに歩く、歩く、歩く。不安が増してくる。
「戻ったほうがええんかな。」
不安からか言葉が出る。しかし今更戻っても洞窟が見つかるとは限らない。
「大丈夫、俺。自分を信じろ。」
自分で自分を励ましながら歩いていく。
どれだけ歩いたろうか。
腕時計を見るともうすぐ5時になろうとしていた。
すると地面にできた人型のくぼみを見つけた。
「………うん、これはあれやな。崖はつながっていたということか………。で結局何もないと………俺を信じた俺のアホ…。」
ガックリと落ち込む。しかし、時間は待ってくれない。とりあえず歩き続けで足がパンパンだし、のども乾いた。
大吉はこそこそ隠れながら、川へと向かう。途中遠くを飛ぶプテラノドンを見つけた
見つからないように木が密集しているところを選びながら歩いていく。
さらに周りを警戒しながら歩いていくと、木につるが巻き付き、そこになっている赤い実を見つけた。
「ラッキー!」
大吉はつるを引っ張り赤い実をもぎとっていく。
赤い実は見たことがない果実だった。
サクランボの実を大きくしたような形だ。
とりあえずにおいをかいでみる。
特に何も感じない。
実を割ってみる。
そんなに固くなく指を差し込んで力をこめると割れ、中の実が見えた。
中には桃のような大きな種があるものの、甘酸っぱいおいしそうなにおいがしてきた。
なめてみる。
ピリピリした感じはない。
できればもう少し慎重に確認してから食べたかったが、大吉は昨日から水しか飲んでない。空腹には勝てそうにない。赤い実にかぶりついた。
ハグッ、クチュ、モキュッモキュッ…
「これは……なんというか………うまいやん。」
言葉で表そうとしたがうまく言葉が出てこない。
かんだ瞬間に果汁が口いっぱいに広がり、鼻まで清涼な果実の香りが届く。
果肉は、ただやわらかいものではなく、歯ごたえもあり、かむたびに弾けるような感触だ。
「何も食べてなかったってこともあるんかもしらんけど、これはすごい。気のせいか、疲れも吹っ飛んでいる感じがするでぇ。」
大吉は夢中になって赤い実を食べた。
10個ほどなっていた赤い実は5分もしないうちに大吉に食べられてしまった。
残ったものはつるだけ……
「しもた。いくつか残しとったらよかった……」
今更言ってもしょうがないのだがあまりのおいしさに全部食べてしまったことを後悔した。
大吉が食事をしている間に時間は6時過ぎ、あたりには夕日が差し込んでくる。
「腹も満足したし、眠る場所を探したいけど……う~ん、そや!」
大吉は独り言をいいながら赤い実がなっていたつるを見ていたが、何か思いついたのか急に動き出した。
まず、赤い実がなっていたつるとは違う植物のつるを取り始める。
「これはまた実がなるかもしれないから置いといて……」
そして、何本かの端と端を結んで長い一本のロープのようにしていく。
それの端を一本の木に結び付けた。
そして、いろんな木に円をかくようにひっかけていく。
そして中心に当たる木の枝にひっかけて、最後は自分の手首に結び付ける。
「これぞ、大吉式つる結界!!!」
つるは大吉を中心に渦巻き状に仕掛けられている。
そしてピンと張られた先に大吉の手首があり、ちょうど気にもたれかかると手を挙げた状態になる。
何か動物がつるに触れれば、ピンとつるが張られているので大吉の手に振動が届き気づくというものだ。
「ふふふっ、俺、天才。」
いろいろ作業をしていたせいか辺りはもう真っ暗になっていた。
「今日はもう寝るか。」
大吉は満足し、ゆっくりの眠りにつくのだった。
〈食べれる植物の見分け方〉
一部分ずつ確認していきます。
植物を基本的な構成、葉、根、茎、芽、花に分ける。
強い、または酸っぱいにおいがしないか嗅ぐ。
テスト8時間前には何も食べない。
食べる前に肘や手首などに植物の一部を置き、接触によるかぶれがないか確認。(15分)
テスト中はろ過した水とテスト中の植物の一部以外摂取しない。
一つまみ、唇の外側に当て反応がないか確認
舌の上に乗せ15分そのままに
徹底的に噛む(15分)
飲み込む。
8時間待つ。
全く知らない植物を食べるときはかなりめんどくさいです。
今回は果物で簡単に食べてしまいましたが、果物は種に毒をもつものが多いです。
また、果実にも毒があるものもあるので知らない果実を口に入れることは危険です。
〈大吉式つる結界〉
つるを思いっきり張って手首に結べば、少し触れた振動もつるを通して手首に伝わりわかるというものです。
ただ、寝ていて気付くためにはずっと気配に集中しなければいけないし、本当にうまくいくかはわかりません。