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異世界転移生活術〜武器が使えないから素手でボコる〜  作者: ぬまんち
異世界サバイバル生活編
3/17

3、とりあえず家で寝たい

誤字、脱字があれば教えていただけると嬉しいです。







数分歩くと川が流れていた。


大吉は、顔をツッコミ、水をがぶ飲みする。







「ぷはぁ、生き返るわぁ。」


水は冷たく、コンビニでしょっちゅう買っているミネラルウォーターとは比べ物にならないくらい美味しく感じた。





「とはいえ、ここにいつまでもおられへんよな。」



生き物にとって水は生きる上で欠かせないものだ。


水を飲まずにはいられない。

そのため、他の生き物もここに来る可能性は大いにある。


小動物程度ならいいが、もし、さっきのプテラノドンのような襲って来る動物だったら今度は殺されてしまうかもしれない。


かといって大吉も水は必要だ。

食料も必要だ。


ここにいれば大型の肉食動物に出会うと殺されてしまうかもしれない。

しかし、小動物だと逆に食糧になる。


さらに川だし、魚も泳いでいるのでそれも食糧になる。


ここに取れるかもしれないチャンスポイントがある。





「となれば、あんまここから離れたないな。」




拠点の条件は、


1、安全が確保できる。


2、川からあまり離れない。


3、雨風をしのげる


という事で探し始めた。



真っ先に思いついたのはツリーハウスだ。


何となく、サバイバルといえばツリーハウスだし、何より楽しそう。


高い所にいれば下からの動物からは見つけられにくいし、上からは木の葉っぱが隠してくれる。




もう疲れもたまりにたまってふらふらだ。とりあえず早く寝たい。




辺りはもう薄暗くなっていた。


大吉は近くの木に登り、地上から10mぐらいの高さの枝が重なっている所に体を預け眠りについた。










………




………………ギシッ





ギシッ、ギシッ…









「……何や、風か………、うわぁっ!!」




大吉が目を覚ますと3mはあるかという虎が木に登り、枝を揺らしてこっちをみている。








「えっえぇと、こっち来たら、枝が折れてしまうのでやめてもらえないでしょうか………って無理かぁ!!こうなったら根性や!」




大吉の説得?も虚しく虎は飛びかかってきた。



虎は前右足の爪で大吉を引き裂こうとしている。しかしこれが仇となった。


大吉は、背中に体重をかけることで、枝をそらし、爪との間の距離をあけ、避ける。


そして右手で虎の前右足を掴み引っ張り、その勢いで虎の背中にへばりつく。








「よっしゃ、ここや!」



丹田に力を込める。

気を感じる。


しかし、コントロールなんて練習も何もしてないのに出来るはずがない。

ただ、蛇口を思いっきり捻るように開放することは出来る………はずだ。






「はぁぁぁああああああ」


虎は大吉を振り払おうと暴れ出す。


しかし、ここで振り払われては大吉が死んでしまう。


今度は虎の前左足を左手で掴み、必死に耐える。










「ぁぁぁああああぁぁぁああ!!!」



大吉の体が光り始める。

大吉は虎の足を掴んだまま羽交い締めにし、木を蹴って飛び降りた。



10mの高さから、しかも木を蹴ってスピードを上げ、頭から地面に落ちて来る。


ネコ科の動物は高い所から落ちてもちゃんと着地出来る。


かといってもそれは上手く着地が出来るからであって、縛られていてはどうにもならない。


ましてや、頭から落ちてしまっては論外だ。












ドォォォオオオオオン





虎はピクピク動いてはいるが、意識はないようだ。





「タフやなぁ…とりあえず、とどめか………」



ここで殺さないとまた襲われる可能性がある。

今度戦って確実に勝てるとは限らない。

それに食糧にもなる。


右手に気を集中させる。


手をやりにするイメージ、虎の腹に向けて突き刺そうとする………







辺りは血で染まっている……


大吉は倒れ、とにかく背中が痛い………


暗闇からこちらを蔑むような眼だけが見える……………






「うげぇっ、おえぇ…」



何か虎を刺そうとした瞬間、強烈なイメージが頭によぎった。

その瞬間、何とも言えない嫌悪感と吐き気に襲われた。


大吉は突き刺すのをやめ、汚れた口元を拭き取った。

すると茂みから白い何かが虎に飛びついた。




「子虎?」


さっきの虎の子どもだろうか、小さな白い虎がこちらを向き、歯をむき出しにして威嚇してくる。


そして、倒れている虎の傍に駆け寄り、守るように立ちはだかる。







「子どもがおったんか………じゃあ………殺れへんな。」


大吉は笑顔を見せ、その場に座った。


小虎は驚いたような様子を見せる。


大吉はそれに関せず、座禅を組み、光を抑える。


深呼吸し、集中する。


気の流れを感じる。少しずつ抑えていく。







「前よりは、早くなったかな。そんじゃ、母ちゃんけ?まあ親子で元気にするやでぇ…」



今回は一瞬しか光を出していないのでふらふらになる程疲れはない。

しかし、体力はそれなりに使ってしまったようだ。


子虎が親虎に駆け寄り、なめている姿が遠くから見えた。






「ツリーハウスはこの調子だったら無理やなぁ。どこに安らげる場所があるんや…………」


朝日が大吉を照らし出す。




そして、大吉はコソコソと隠れながら新たな拠点を探しにいくのであった。


〈3・3・3の法則〉

人は息が止まって3分、水を飲まずに3日、何も食べずに3週間経つと死んでしまうというものだ。

〈ツリーハウス〉

文字通り木の上に家を建てたもの。サバイバルというより、アウトドアや趣味で作り、また作ったものを借り楽しむことが多い。

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