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異世界転移生活術〜武器が使えないから素手でボコる〜  作者: ぬまんち
異世界サバイバル生活編
15/17

15、Kettle Break.~釜からの脱出~

誤字、脱字があれば教えていただけると嬉しいです。








青い球がふわふわと木の上を飛んでいる。



「魔獣発見したで。距離は30mぐらい先や。」


無機物から聞こえたとは思えないような馴れ馴れしさで話す青い球。




「了解。」


木々の間を黒いものがすごいスピードで駆け抜けていく。




「見えてくるで。ヘルハウンドの群れや。全部で10匹。」




子牛ほどの大きさのヘルハウンドが10匹集まっている。

群れで休んでいるのだろうか、寝転んでリラックスしているものもいる。


1匹のヘルハウンドが鼻を動かし、急に臨戦態勢をとった。

その瞬間、黒い塊がヘルハウンドの目の前に現れた。


ヘルハウンドはとっさに火の玉を吐き出した。

しかし黒い塊は瞬間移動のようにいつの間にかヘルハウンドの後ろに立っている。

大吉だ。

火の玉が木に当たり、木が燃え上がったと同時に大吉は右足で蹴っ飛ばした。


ヘルハウンドは、木にぶつかったかと思うと、木はあっけなく折れてしまい、そのまま3本ほど折った後ヘルハウンドは止まった。


ピクリとも動く気配がない。





「さて、一匹狩れたから食べる分としてはもうええんやけど、やりたい奴はおるか?」


殺気を辺りに振りまく。

9対1と圧倒的有利な状態にあるはずのヘルハウンドたちが、蛇に睨まれた蛙のように指1つ動かせない。


大吉がゆっくり1歩ずつ近づいて行く。

ヘルハウンドたちは、汗だくで苦しそうな顔で必死に動こうとする。


大吉はヘルハウンドの目の前で止まり、殺気を解く。

その瞬間、動けるようになったヘルハウンドたちは蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出した。


大吉はヘルハウンドたちの姿が見えなくなり、気配も感じなくなったことを確認した後、自分が倒したヘルハウンドのもとに歩いて行く。


その途中にヘルハウンドに当たり折れてしまった木を手刀を本物の刀のように使い、杭を作っていた。


そのままヘルハウンドを掴み、火の玉で燃え上がっている木の近くまで放り投げた。

そして大吉もそこまで近づき、ヘルハウンドの尻尾を持って近くの木に杭で打ち込み逆さづりの状態にした。


そのままヘルハウンドの首を半分ほど手刀で切る。

そこからは血が滝のように流れている。

その血も木で作られたカップのようなもので集められている。


次は燃えている木の根元を手刀で切り取り、さらに倒れ始めた木をそのまま切り分け見事に焚火を作った。



「これでよしか。血抜きができるまでは休憩やな。」


大吉は焚火の近くでゴロンと横になり、眠り始めた。


おっさんに崖から落とされてから、細かく数える余裕はなかったのではっきりはわからないがもう1年ぐらいになっただろう。

大吉は、ひげも髪の毛も伸びっぱなしで薄汚れた体。

そして動物の毛皮で作った服を纏ったどこの原始人だという風貌だ。

それもしょうがない。

この反り返りの釜には何も無かった。


果物も数が少なく、あっても明らかに毒ですと主張している色に形。

川も池も湖もましてや海なんてどこにもない。

ただ血に飢えた魔獣が大量に争いあっているだけ……


何度か崖の方に行き、脱出しようとしたが脆過ぎて登ろうにもどんどん崩れてしまい上に上がれない。

結局あきらめ、今までひたすら生きるために頑張ってきた。


ここに住むものは常に互いを狙いあっており、大吉も1年間、食事、睡眠関係なくどんな時でも襲われた。

人間としては大きい方に入る大吉も、ここでは小さく弱そうな魅力ある餌に見えたのだ。

寝る間もなく必死に戦い続けたことで、なんとなくいつでも生き物の気配を感じられるようになり、少しでも休むために一瞬で寝られるようになった。

そんな戦い続きの生活をしていると、いつも吐き気とめまいで倒れそうだったのが慣れたのか、気にならなくなってきた。

何度か気を失いかけ、自分が殺されたであろう場面のフラッシュバックがあったが今はもうない。

まぁ、今ここに生きていることは確かだし、殺されたと怒ってもどうしようもないから仕方ない。


ただ、飲み食いには困った。

食べ物は、自分の倒した魔獣の肉があった。

解体は初めの方は毎回吐き気との闘いだった。

しかし、吐いてしまえばその分だけ栄養が失われてしまう。

必死にこらえ、基本的には生で、時間があればヘルハウンドたちが出した火の玉を利用して焼いて食べた。


飲み物の方はさらに悲惨だ。

雨もあんまり降らないようで、降った時は必死に集めるがそれだけではどうしても足りなかった。

あまりにものどが渇いていたある日、魔獣を仕留め、血抜きをしていた。

気づけば流れ出る血にのどが渇きすぎておかしくなってしまっていたのか口をつけていた。

一度やってしまえば箍が外れ、それから雨が降った時以外は血を飲んでいる。


こんな中、気が狂わなかったのはくやしいがおっさんが送ってくれた青い球の存在だろう。

常によくわからない言葉を話していてはじめは腹が立ったが、しゃべりかけてくれるものがいる。

自分を殺そうとしないものがいるというのは心の支えになった。

とりあえず青い球が言っていることを真似し、「これは何?」とたくさん質問した。

日本語をしゃべりはしないのにわかるのか青い球はこっちの世界の言葉で答えてくれた。

それを繰り返し毎日、少しずつ言っていることがわかるようになり、今では夢の中でもこっちの世界の言葉をしゃべっているほどとなった。


それから、戦闘力に関してだが…

今まで数秒で倒れてしまっていた全力での気の開放が最高3時間まで持つようになった。

色んな魔獣と戦い、死にかけてたくさんの経験を得た。

戦い方も自分なりに洗練されたように感じる。

今ならおっさんにだって負けない気がする。

後、ここで戦っていないのは暗黒龍ぐらいだろうか。






血抜きが終わり、手をナイフ代わりに皮をはぎ、肉をたき火で焼いていく。

そして血を飲む…もう慣れたものだ。





「えぇと、青玉。確認やねんけど、ここからの脱出方法もう一回聞いてええか。

お前が俺を連れていくことはでけへんのよな?」



「そうや。俺はマスターに監視、連絡、教育の機能だけもらったアイテムやからそれ以上のことはでけへん。

マスターからの伝言では、大吉が自力で脱出した場合、大吉がここの魔獣全種類倒した場合、大吉が死んだ場合に俺はお役御免でここからバイバイって感じらしいわ。」



「そうか、まあ後1種類だけやもんな。せっかくやし頑張ろか。」



「その意気や。マスターからもらった知識では龍はかなり美味いらしいで。がんばりや。」



「そやったな。やる気出てきた。これ食べたら龍探しに行くで。」



「了解や。」



そう言いながら焼いていた肉にかぶりついていく。

ヘルハウンド、見た目は犬なのですごくまずそうだが実は無茶苦茶うまい。

というか、ここの魔獣は基本的にうまい。

前におっさんが言っていたが強い魔獣ほどうまいというのは本当の様だ。

そこだけは今の生活でありがたい所だ。


ただ消費が激しい。

子牛ほどの犬の肉を朝ごはん代わりにペロッと食べてしまう。


この食事量は気を使った量に比例しているような気がする。

今では気を使い過ぎて気を失って倒れるということはないが、空腹で倒れそうになることはある。

魔獣を直接食いながら戦えばいいようにも思えるが、この強い魔獣がそろった場所では気を抜くと逆に食われてしまうのでそう簡単にはできない。

今も食べているだけの様で、周囲の気配を探っているのだ。





「ふぅ、食べた、食べた。

さて、行こうか青玉君。龍の位置を探してくれ。」



「はい、はい。ちょっと待っとれ。」



そう言いながら青い球が空高く上がっていく。




数分後大吉のもとに降りてきた。


「えぇと、ここから南南西に3Kmって所かな。」



「よっしゃようやった。それじゃ、気配絶って行くから離れてついてき。」



そういいながら大吉は気を消した。

急に大吉の気配が感じられなくなる。

そのまま南南西の方角に走り出す。






10何分経っただろうか。

茂みの向こうに大きな龍が見えた。

光をすべて飲み込む様な真黒の体、暗黒龍だ。


大吉は息をひそめ、体をかがめて力をため、飛び出すと同時に気を全開にして横っ腹を右手で突き刺そうとした。



キン



衝撃は与えたが、傷一つついていない。

他の魔獣なら必ず突き刺せていた。

しかし、貫けないのもそのはず、他の魔獣に比べて、龍というのは圧倒的に強いのだ。

他の生き物なら群れを作ったり、偽装したりして休んだりするが、この暗黒龍は圧倒的強者という自信からかたった一匹で寝ていた。

その強さを恐れて大吉は最後まで戦おうとしなかったし、今回は考えに考えた上で奇襲をかけたのだ。


さすがの龍も衝撃に目を覚まし、尻尾を鞭のように振るった。


前に遠目で暗黒龍を見た時は、三つ目熊が尻尾を振るうだけで真っ二つにされていた…


大吉は、とっさにしゃがみ避ける。

そして、龍が尻尾を振り切ったところに近づき尻尾を掴む。

さらにおもっきり尻尾に手刀をする。



ガン


少し傷ついたようだがイメージしていたぶった切るまでは全然いっていない…


龍は大吉ごと尻尾を振るい、大吉を吹っ飛ばした。


大吉はそのまま体を回転させ、着地する。




「やばぁ、固すぎるわ。全力でさらに集中させてもほとんど傷つけへんとは…」


思わず愚痴るがどうしようもない。

一気に距離を詰め、何度も攻撃を重ねる。

弱点である赤い点は、頭の後ろに小さな点があり、他には腹の一部や両目などけっこうたくさんあるが、普通に攻撃しても届かない。

なので攻撃して転ばすか何かして弱点を狙う予定だったが中々攻撃が通らない。


また、龍が尻尾を振るう。

大吉は後ろに飛びのき距離をとった。



龍はいきなり黒い塊を吐いてきた。



ジュッ


運動会でよくやる大玉くらいの大きさだが、そんなかわいいものでなく、おそらく魔法のようなものなのか当たった瞬間、草木や土までも蒸発する。




「うそぉ、こんなん知らんで。」


何とか避けた大吉は冷や汗を垂らしながらあまりの威力に目を奪われる。


龍は全力で何発も連続で撃ってくる。


「連続ってありかいなぁ!!!」


避けるだけなら何とかなる。当たったら死んじゃうドッチボールの始まり。

大吉は必死に球を避ける。


すると、このままでは当たらないと思ったのか、龍が急に上に向かって数発黒い球を吐いた。


突然のことでびっくりして上に上がった球を見てしまった大吉に今度は直前で黒い球を連続で吐く。


大吉は必死に避ける。しかし、今度はまっすぐだけではなく上からも黒い球が落ちてきた。


「くそっ、こいつ、むっちゃ頭ええやん。」


大吉はそう呟きながら球を避けた瞬間、目の前に龍独特のでっかい手に鋭い爪があった。

龍は黒い球を吐きながら大吉に気づかれないように近づいていたのだ。


避けるにも間に合わない。とっさに両手をクロスし顔を守る。

しかし、そんなことでは耐えられない。




ドォォォオオオン


あまりの速さで血が遅れて辺りに浮かんで落ちた………


全く関係ないですが、グラチャン女子大会が終わってしまいました。

結果は5位でしたが、内容的にはボロボロという感じでもなく次に期待が持てる戦いでした。

どうしても身体能力では負けてますがサーブで崩して、ブロックにレシーブで繋いで余裕をもってセッターに返せば日本のコンビネーションバレーで点は取れます。

ただ世界に比べて大型エースがいないので、1つのミスで他の国ならエースが無理やり何とかできる場面でも流れを持っていかれたりしてしまうんですよね。

崩れても慌てずブロックでアタックコースを限定してレシーブで繋いで耐えるっていうのが理想ではないでしょうか。

他の国って結構雑なプレーするところもあるからラリーを続けて粘るっていいと思うんですよね。

そんなこんなでバレーに夢中で書き溜めていた小説がなくなってしまった…

明日から頑張ります。

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