pure-white paper
真っ白な紙に
真っ黒なペンで君を書いた
どこもかしこも似るように
丁寧に丁寧に書いた
そしたら
微かに微笑んだ君が生まれた
私が満足そうに微笑むと
君は眉をへの字に曲げて
七色のペンで
さらりと美しく色をつけた
『色をつけなきゃ』
チラリと私を見て
楽しそうに笑った
それから隣に
一人の少女を書いた
『独りは孤独』
するりするりと
色がはじけ
さらりさらりと
私が生まれた
『人がいなきゃね』
君に描かれた私は
はにかんだように笑った
隣で微笑む君も
七色の色と共に輝いた
『まだ寂しい』
君はそう呟くと
私に七色のペンを渡した
『好きに書いて』
真っ白な紙に
七色のペンで絵を書いた
紙が汚れても
紙が破れても
気にも止めず書き続けた
すると
二人を取り囲む
たくさんの愛しい人々が生まれた
二人を取り囲む
二度とない毎日が生まれた
二人を取り囲む
幾度となく忘れ去られた
記憶が生まれた
『素敵だね』
君はそっとペンを置き
広い広い額縁に
大事に大事に紙を納めた
『行こう』
額縁に納められた
真っ白な紙は
いつしか
七色の美しい物語になった
七色の物語は色褪せることなく
長い長い時間輝き続けた
七色の物語は色褪せることなく
幾度となく幾度となく輝き続けた
消えることのない
淡い光を発して
童話のような柔らかいものを書きたいと思って書きました。前のに比べてちょっとはましになった気がします(((^_^;)評価でも感想でも批評でもいいので、お待ちしています。