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第四話

「よし、何とかなれてきた」


 現在。サイコキネシスを纏って体を動かしている。先ほどみたいに空を飛ぶと魔物に襲われる。だからこそ地上を跳び跳ねるように動いていたのだが。木にぶつかること七回。普段以上の速度でこんな障害物が多い森の中を自由に動くにはうまくいかなかった。だいたい三割程度の動きでなんとかだ。接近戦に使えると思ったが実用にはまだまだ時間がかかる。


「この分なら二時間程で着くな」


 先ほどのロックバードが食べられなかったのは痛かった。正直腹がすきはじめている。


「何事もおきませんように・・・・・」


 そう祈ってしまったが大事な事を忘れていた。俺はもの凄く間が悪いのだ。普段なんでもないことでも。俺がやると八割方悪い方向へ行く。


「ギャワワワワワ」


 ・・・・・・本当になっちゃったよ。そう遠くない場所で聞こえる雄叫び。ロックバードと同程度の大きさ。しかし、今度は複数だ。


「マジか・・・・」


 見つかってないなら無視を決めるべく体を透明感させる。


 ノシという音と共に細長い胴体が森から上がってくる。森から上になっている部分だけでも10メートルを越しそうな魔物。その姿は・・・・


「龍・・・・・じゃないか」


 異世界にいったら一度は見てみたいと思っていたが。残念ながら違った。前の世界でもよく知る蛇だった。大きさは映画以上だけど


 しかし、その直後に驚いた。次々とその蛇が増えていったのだ。


「1、2、3、4、5」


 少なくても五匹以上。まだ、まだ見えてない部分があるとすれば・・・


 日本でも有名な蛇神。ちょっと近くで見てみたいな。


 幸いにも距離は近い。走っていけば五分で着くだろう。隠れながら見てすぐに逃げればいいし。


 いた、やっぱり頭が八匹。八岐大蛇だ。この世界ではどんな名前だろう。


 へビーズ

ランク B+


 スキル


 アクアブレス

 超再生

 消化液


 蛇の複数系?見なきゃ良かった。しかし、B+か。さっきのロックバードより上だからやっぱり逃げたいんだけど。


 八岐大蛇改めへビーズの近くで戦ってる人がいるよ。遠くで顔まで見えないけど髪が長いし少し小柄だから女性。長い剣を振り回し傷つけてはいるがたちまち回復している。どうみてもじり貧だ。


 幸い周りには岩がある。援護はできそうだけど、やってもいいものか?切り札みたいなものがあって一気に倒せる可能性もあるし。ネットゲでいう横殴りになってしまう。だけど、なかったらあの回復力だ。永遠に勝てない。


「まぁ、やるか」


 文句言われたら死体は譲ろう。まだ、使い道わからないし。


 岩を宙に浮かす。複数だと狙いが甘くなるため一発ずつだ。そのかわり力を込めて確実に首を一つずつ粉砕する。


「いけっ」


 岩を発車する。一直線にとんでいき。一つの頭を潰す。全部の頭を潰せばさすがに息絶えるだろう。


 残った頭の内三つの頭がこっちを向くがちゃんと透明化してる。そう簡単には見つかりはしない。


 しかし、すぐに一つの頭が大口を開けてこっちに一直線にアクアブレスを放つ。当てずっぽうかと思ったがすぐに首をふった。蛇にはそういえビット器官と呼ばれる赤外線探知があった。


 バリアはアクアブレスを防ぐがここまで離れてなんて水圧。バリアが無かったら耐えきれず体を叩きつけられただろう。


「あぁ、やっぱ手出ししなきゃよかった」 


 安全にいけると思ったのに。とりあえず、今俺を狙ってる奴から岩で潰す。


「嘘だろ」


 2つ頭を潰したはずなのに今ある頭が7つ。再生してるのだ。しかも、こっちを狙う頭が四つに増えていて口を開けている。


「付き合ってられない」


 体を浮かせてアクアブレスを掻い潜る。空を飛ぶのも細かい動きまでできない。なんとか、照準を合わせられないように飛び。女性に近付く。


「逃げるよ」


 近くで見ると綺麗な女性だ。腰まで届く青みがかかった髪に。整った顔でありながらまだ可愛さを残している奇跡的な顔立ち。青い瞳には思わず引き寄せられる。長剣を振り回してる癖に体の線は細い上に出るところはしっかりでてる。


「え。ちょっと」


 彼女は戸惑いの声をあげるが気にしてられない。こっちだって構ってるほど余裕がないのだ。強引に腰を掴んで飛んで逃げる。


「ちょっと離してよ」


 サイコキネシスで別に飛ぶことはできるが。制御が大変だ。余裕がないなかただでさえ練習中の飛行を複数することは不安があるだけで決して下心はないよ。


「暴れないでって。離したら落ちる」


「私はあれを倒さなきゃならないの」


 そういう彼女の目は真剣だった。きっと事情があるんだろう。例えば急なお金が必要とか。あれの素材が薬になって身内の病気の為に必要とか。


「そんな事言っても再生力半端ないんだから倒せる訳ないじゃないか」


 急所はどこかに存在するのだろう。だけど、残念な事にそれがわからない。透視なら見えるが、狙われてる以上見ている時間はない。


「急所はわかってるわ。全ての体のつけね。丁度、重なる場所よ」


 そんなところに。てっきり頭のどれか1つだと思っていた。


「私をあそこまで運んで。お礼はするから」


 いやいや、無理だろ。八つの首掻い潜れる自信ないよ。できるとすれば・・・・


「この剣借りるよ」


 彼女から剣を奪って落とす。


「きゃあああああ」


 彼女の悲鳴が上がるがちゃんと地表近くで減速させる。それを確認したあと、岩を2つ自分の側まで浮かす。


「成功しなかったら今度こそ逃げよう」


 透視を使って急所の位置を確認。場所さえわかれば一瞬だ。脈をうってる臓器がある。心臓かな。


「よし、いくか」


 気合いも十分。可愛い女の子の頼みなのが気合い入る。


 岩とともに突撃する。サイコキネシスを別々に動かすのは難しいが。全く同じように動くならまだ問題ない。


 アクアブレスを何とか掻い潜る。長距離から岩程度じゃあ頭を犠牲にして防がれる。もっと貫通力のある攻撃。ただし、これはあまりにも威力が強すぎてそこまで射程がない。


 近付くと今度はアクアブレスじゃなくて。緑色の液体を撒き散らす。照合にもあった溶解液だろう。撒き散らす分避けられない。


「バリア」


 岩で防ぐことも考えたが、弾を少しでも温存したい。


 完全に頭が届く範囲まで入ると、今度は頭が突っ込んでくる。変則的な動きは避けきれない。できればもう少し近づきたい。


 俺は最短距離を塞いでる頭を岩で粉砕すると開いた道を迷わず突っ込む。


 この距離で大丈夫なはずだ。これで出来なかったら逃げる事すら厳しいかも。


「エレクトロマスター」


 電撃を発生させる。初めてだが上手くいった。これができるならできるはず。剣に磁場を纏わせる。もはや、ここまでわかれば説明もいらないはず。電位差を利用した必殺技。


「レールガン」


 その発射された剣は頭を1つ吹き飛ばし。狙いの胴体を吹き飛ばした。


「好きな技を使うのは気持ちいいな」


 大好きな漫画の代表技。原理を調べといて良かった。


「だけど、疲れるな。これ」


 切り札にはいいけど。射程も専用のものじゃないから微妙だし。


「どうしよう。これ」


 わかっていた事だが、借りた剣は蒸発して原形もとどめてないほどボロボロだった。

本日ご話目の更新。ちょっと頑張りました。実は超能力一覧で検索するとエレクトロマスターやエアロシューターはないようです。何故かパイロキネシスはあるみたいですが。まぁ、ぶっちゃけ超能力はとある学園〇市基準になっていますのでご容赦を

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