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ソニック・ブレイド  作者: 生田英作
84/133

[84]

「……?」



 二人の思わぬ反応にほのかはぐるぐると目を回した。

 それは、そうだろう。

 確かにエマに関しては、その反応はそれほど不思議では無かった。

 なにせ、エマは戦時中彼の背後を常に守り続けた本当の意味での戦友であり、二人が硬い絆で結ばれているであろうことは想像に難くない。

 だから、そういう関係性から考えれば、エマのその反応はある意味当然でさえある。

 だが、問題は夏音(かおん)だ。


(……夏音ちゃんって、妹さんだよね?)


 お兄ちゃん大好き! な子なのは分かってたけど……。

 でも……?

 寝袋にくるまったまま、じーっとほのかににじり寄って来るエマと夏音に若干怯えつつ、ほのかは、脳をフル稼働させる。

 が――。



「夏音ちゃん。ほのかとアレクセイには、本当の事言った方がいいかもしれないわ。もう、私達仲間なんだから」


「……そうだね。じゃあ、夏音さんと夏彦くんの秘密を話しちゃおうかな……」


「ええと……」 



 それは、私が――



「聞いちゃっていいんですか?」



 あわあわと顔を赤らめるほのかにエマと夏音は、顔を見合わせにっこりと微笑んだ。



「うん。だって、ほのかさんは、もう夏音さん達の仲間だもん。全然オーケーだよ」


「そうよ。遠慮する事なんて何も無いわ」



(夏音ちゃん……エマ先輩……)


 それまで、エマと夏音の言葉にいちいちあふあふと泡を喰っていたほのかだったが、そこまで言われれば腹も座ろうというものである。時間も丁度いい塩梅に真夜中だ。

 妹である夏音ちゃんと、その兄である夏彦先輩のカンケイ……。


(これが、『ガールズトーク』ってやつなんだね!)


 男ばかりの兄弟が上と下に合わせて三人いるほのかには、初めての経験である。

 どんな内容でも付いて行く覚悟はある。

 夏音が実の兄との道ならぬ恋に身を焦がしているというのなら、聞いてやろうではないか。

 よしんば、 夏音が近親相姦上等の変態であっても、今は困難を乗り越え目標を共にする仲間であり、なにより、ほのかは夏音が好きだ。であるならば、何を躊躇する事があろう。

 それに許されぬ恋は、ほのかの愛読する少女系ウェブコミック雑誌では、おなじみのネタであり、ほのかも大好きな分野である。

 自身の経験は皆無でも知識はある。

 いや、知識だけなら百戦錬磨と言っても過言ではない。


(わ、私も女子高生のはしくれ、乙女だもんっ! お兄ちゃんに恋する夏音ちゃんを受け止めてあげるよっ!)


 そこまで考えて、ほのかは「ふむっ」と鼻息も荒く密かに身構えた。

 エマが夏音に頷いてみせ、夏音もおもむろに頷き返す。

 張り詰めた緊張の中で夏音は、静かにその事実を告げた。




「実は夏音さんは、夏彦くんと血が繋がってないんだよねー」


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