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ソニック・ブレイド  作者: 生田英作
122/133

[122]

 上がった手が振り下ろされると同時に鈴木中佐の声が響いた。



 二人は、互いに見つめ合いながらゆっくりと戦闘態勢を取る。

 国防色(オリーブドラブ)一色の装備と手と足の甲を守る抗刃抗弾防具(プロテクター)

 戦闘態勢に入り身構えた夏彦の体を覆うそれらの装備が、夏彦の体の動きに合わせて微かな音を立て、腰のあたりに引き寄せた電磁軍刀がチャカと静かに鳴った。

 漆黒の近接戦闘装備に身を包んださやかも戦闘態勢を取り、静かに夏彦の瞳を見つめ続けている。

 夏彦は、左手の親指に力を込め、鯉口を切る。

 さやかの構えが微かに動く。

 たぎる気迫とみなぎる闘志。

 二人の気力が高まって行く。 

 相手に向け針の先のように狭まって行く視界。

 そして――次の瞬間、



 夏彦は、抜刀と同時に、


 さやかは、一足飛びに飛び出した。

 


 速さは、互いに人智を超えた正に『神速』。

 その神速同士が音を立てて噛み合った。



 キンッ! と夏彦の軍刀の刃が鳴り、


 ガチッ! と近接戦闘用のさやかのグローブが激しく戦慄き、



 二人は、さらに一撃を探りつつも、一端離れて距離を取る。

 二人は、再びにらみ合った。

 夏彦の肩が激しく上下し、さやかもまたその瞳をキラキラさせつつ、しきりに顔を手の甲で拭っている。

 やはり――


(さすがは、全身総機械化(フルメタル・カスタム)……)


 その動きには一部の無駄もなく、その拳は正確そのものだった。

 なら――

 と、夏彦は、さやかを斜に睨みつつ息つく間もなく一気に躍動する。

 払い、

 突き、

 薙ぎ、

 切り下げる!

 連続攻撃に耐え切れずさやかが、わずかに下がった。


(ここで――音速斬撃(ソニック・ブレイド)を……)


 が、

 ――やはり撃てない!

 慌てて、防御の態勢に移ろうとする夏彦。

 だが、


(ごめんね、エマ)



 その顔面にさやかの拳がめり込んだ。


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