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ソニック・ブレイド  作者: 生田英作
111/133

[111]

 直子は、エマの眠る病室で言った。



「ウィンターズさんがここまでするなんて思ってもみなかった。ごめんなさい、あなた達の事を見くびっていたわ。これから……いいえ、今から私も本気になる。特別高等警察の捜査官としてだけでなく、本田直子個人として……」



 だから――



「私を利用して、篠塚くん」 



 そして、今――。



『篠塚くん、その先が本社区画よ。ここまでは、まるで敵がいなかったけど、その先は、さすがにそんな事はないと思うから、慎重にね』


「了解」



 離れた場所で、戦闘全体の推移を見守っている支援小隊にいる本田直子からの無線に夏彦はそう一言だけ答えて、回廊へ向け先行する特別高等警察特戦隊の隊員達の後へ続く。

 回廊の扉の前では、手先に装具を埋め込んだ工兵タイプの機械化人間兵器(メカニカル)である隊員が電子ロックをハッキングで破ろうとしており、ほどなく回廊の実験棟側の扉をこじ開けた。

 両開きの防弾扉を体当たりするようにして押し開き、なだれ込んだ部隊は、細い回廊を左右両側に分かれ、壁に沿って一列に進む。


 ほどなく本社棟の扉の前に部隊は再び集結した。


 夏彦が、背後を振り返るとサブマシンガンを携えたほのかと例の柄の長いハンマーを肩に担いだアレクセイが夏彦に向かって小さく頷く。

 準備は、万全。

 背後の二人の表情には、強い決意が満ちていた。

 夏彦は、軍刀をその身に引き寄せると、前を見つめて突入の時を待つ。

 先ほど、実験棟側の扉を難なく開けた件の隊員であるが、今度はなにやら苦戦しているようである。

 しばらくして、やっと扉のロックが解除されたらしい。

 扉の両サイドに隊員達が集まり、抗電磁パルス誘導弾の発射筒を持った隊員が扉の正面に伏せて援護の態勢を取る。

 特戦隊の指揮官が指で無言のカウントを取り始める。


 三……二……一……。



『突入!』



 扉が大きく左右に開かれ、隊員達それに続いて夏彦、ほのか、アレクセイが中へと突入して行く。

 

 が、



「はにゅん……」


「なんてこった……」


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