表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソニック・ブレイド  作者: 生田英作
11/133

[11]

「あの……それは、私の学校のせいなんです」


「やはり、そうか」


「先生は、どちらのご出身ですか?」


「私は、岸辺野(きしべの)――茨城県の第二岸辺野市。まあ、地名を言っても分からないだろうけど……。この近隣にある化学汚染地帯(ノーマンズヒル)を遥かに上回る超化学汚染地帯(ノーライフヒル)として一時話題になった第二岸辺野市と言えば分かってもらえるかな」


「あ、あの超化学汚染地帯(ノーライフヒル)……」


「分かってもらえたかな」


「…………ごめんなさい!」

 


 慌てて謝罪する夏音(かおん)に三枝医師は、寂しげに首を振った。 



「いいんだよ、気にする事は無い。まあ、それはともかく北葉女学院が、兄妹関係を偽らなければいけない理由なんだね」


「はい。他県の人には、あまりなじみのない学校かもしれませんけど、千葉県では理科教育の先進校として有名なんです。私は、その理科先進クラスの生徒なんです」


「いや、茨城でも君の学校はかなり有名だよ。理科教育先進校は、戦前でこそ五十校以上あったが、現在は北葉女学院ただ一つ。それに、ニュースサイトでもちらっと話題になっていたが今年の東大理科類に合格した女子学生二十五人中二十五人全員が北葉の出身者だったそうだよ。しかも、満点で合格した者が二人いたそうだ。これだけの成果を残せる学校はそうそうあるもんじゃない。多少なりとも理系に興味があれば、その名前ぐらいは知っているさ。それにあの学校は、そもそも理科教育先進校として以上に元々良家の子女の学校として有名さ。現に今の上流階級出身の女の子は、皆あそこに入学しているという話だからね。まあ、だからなんだろう夏彦くん?」



 夏彦は、ゆっくりと頷いた。



「ええ。ご想像の通り、あの学校は、本来社会的な地位の高い人達のための学校なので身元保証人が居ないと一般人は入れないんです。それも、社会的に認められている地位にいる三親等以内の親族に限られます。例外は一切ありません」


「第一級金鵄(きんし)勲章――」



 三枝医師は、歌うように呟くと窓の外を見つめた。窓の外には、陰り始めた空の下、焼け焦げた新庁舎の残骸が所々にぽっかりとうつろな口を開けて佇んでいるのが見える。落成した三日後に敵のバンカーバスターによって中にいた人間ごとバーベキューにされたのだ。

 

 

 三枝医師は椅子から立ち上がると窓に寄りかかるようにして腕を組んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=723477946&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ