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ソニック・ブレイド  作者: 生田英作
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[100]



迫りくるエマの大火力。

しかし、さやかは、その瞬間に彼女の意図に気が付いた。


(そういう事なのね……)


 さやかは、能力を発動させる――

 フリをして、それまでで最大の速度で一端退き距離を取ると、


(脊髄制御スタビライザー稼働率最大……慣性制御用神経リミッター解除……体内血流量増幅装置稼働率最大……網膜投影式ブラウザ視野拡張……脳内処理速度リミッター解除……)


 自身の持つIクラスの機械化人間兵器(メカニカル)の機能を全て出しきるべく脳内制御を行う。

 そして、最後に目を閉じ呼吸を整え、爆炎の向う側にいるエマを見据えた。

 この間、コンマゼロ秒以下。

 目の前に迫ったエマの攻撃にさやかは、ここで初めて反応した。

絶対防護アブソリュート・プロテクション』を発動――

 させずに、勢いよく跳躍。


(あくまで、能力を発動させたように見せる事に最大の意味がある!)


 そして、勢いのままに天井のパネルをぶち破り、天井裏の配管等を破壊しながらその破壊によって生じたスペースを利用して前へと進む。

 天井裏の薄暗い空間を跳び退って行く、パイプや配線の群れ。

 全てが停止して見える程の速度の中、さやかは、


(ここだっ!!)


 と、すぐに反転。勢いを殺さずに今度は、天井裏側から階下の廊下へ向けて天井のパネルをぶち抜いた。

耳をつんざく轟音と飛び散る破片。

 それらをすり抜けるようにしてさやかはエマに迫る。

さやかの目に映るのは、自身の精霊女王タイタニアン・バーストを身に纏うようにしてさやかへと向けて突進す

るエマの姿。コンマ一秒前まで、さやかがいた場所に向けて突進するエマの姿であった。

 全ての動きがコンマゼロ秒以下。

 

 移動も


 攻撃も


 防御も


 そして、判断さえも。


(それが、最強の機械化人間兵器(メカニカル)『ケルベロス』――)


 そう、最強を謳われた戦術生体兵器達に引導を渡すべく創り出された冥府の番犬。


(エマ……ごめんね)


 その時、エマもようやくさやかの存在に気が付いた。

 が――



「遅いっ!!」



 エマの体が宙に舞った。


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