黒い波
更に紫色の光は地下に潜り、そこにあった白い半透明の石と融合を果たした!
色が白から紫色に変わり、発した光はまとわり付いていた赤い光を打ち消した!!
「全ての精霊【とも】達。今、祖の友なる民達の祈りに答えたまえ」
王妃が全霊を傾けて祈る。
すると、それに答えて精霊達は民達に寄りそう。
「おおっ精霊達が…」
呟く老人の傍には緑色の髪の精霊が膝をつくと、先程蹴られた肩に手を当てて微笑む。
手の平がミントグリーンに光って、擦り切れた傷がみるみる消えていく。
怯える家畜達にも青系の髪の精霊達が慰めにいく。
「これでも、いないとか言うんじゃろうか…?」
老人が呟くが、相手方からの返答はなかった。
その言葉が終わるちょっと前、都の地面を這うように黒い波が流れて行き、精霊のシールドに護られていた者以外の全てを押し流してしまったからだ。
黒い波が消えると、精霊達は人間から離れて行った。
「ウィルタータの民達よ…いつか都へ皆を呼び戻す日が来るでしょう…その時がくるまで都は閉じます…」
再び都に言葉を流すと、王妃の姿は完全に形を失い、残された光は国王の光と寄り添った。
人々は取り付かれたように黙々と移住を始める。
都の中は急かす空気が流れていた。
風以外の精霊が姿を消し
植物は色を失い
水が小川から退いて行く。
やはり排除魔法を発した祀り石は、土地の力を失わせてしまったらしい。




