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精霊

「お前さんは精霊が見えんのかい?」


「いないものは見えないに決まっているだろう!馬鹿馬鹿しい。なぁ!?」

兵士は隣の兵士に同意を求め、その兵士もすぐ頷いた。


「お前さんとこの国の人は皆そうなのかい?」


「それが普通だ」


兵士の言葉に老人の憂いは深くなる。


老人を心配して寄ってきたのは人ばかりでなく、多くの精霊達も居たのだ。


「おい、そこ!

止まるな!急げっ!」

隊長の激が飛び、兵士達が飛び上がる。


ウィルタータは月魔法【反】【宙】【無】の力が強い土地柄。

ここで最大級の排除呪文を出されたら、どんな弊害が起こるかわからない。


だから早急の撤退指示なのに、あまり進んでいない。

自分達が攻めているというおごりが、逃げたくないと心にブレーキをかけているのかも知れない。


そんな中、先程八方に散った光のうちの一つ、紫の光が大きく弧を描いて都上空に戻って来ていた。


「元へお還りなさい。そして私達に力を貸してくださいな」


王妃が空に向かって声をかけると、紫の光は旋回して王座の後ろ辺りに落ちた!

そこから地面の上を半透明の紫色の波紋が拡がって行く。


波紋が通りすぎた後、兵士達はおののき、人々はひれ伏した。

そこにいるすべての精霊の姿が、すべての人間の目に明らかになった為だ。


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