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侵攻
20150830書き始めです
ある国とある国の境になっている街道の一部【風鳴峠】に
精霊と対話する事が出来る精霊私語師【シャーマ・ラーサ】の一族のみが暮らす小さな国があった。
しかし精霊を知らず感じぬ者には、その国は決して見つけられなかった。
何故なら、ある精霊が国守護者【ガーディアナ】として都を守っていたからだ。
……………☆……………
その風鳴峠で草達が沈黙する中、大勢の足音が響く。
剣や飛び道具を手にした軍隊だ。
峠の頂上に着くと、一人のローブをまとった人物が前に進み出て両腕を広げ、何か呟く。
すると!目の前に突然風が渦巻き、大勢のマントをはためかせる。
兵士達が風から目を背けたのは一瞬。
そして風が去るとそこには大きな門が現れており、兵達の中でざわめきが起こる。
この門には扉がなく、アーチ状の構えだけ。
門の中には道が続いているが、角度を変えて裏から見ると門は存在せず、軍隊が見えるのみだ。
その見えない門がどんどんと軍隊を吸い込んでいった。
平和な国、ウィルタータに外の国からの侵略が開始されたのである。