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おりがみの記憶

作者: きはむだとうゆ
掲載日:2015/05/08

この作品は心の中に焦点を当てました。本作のヒロインの1人である柊綾音に合わせて書いたので主人公の心の闇を転校生の柊綾音目線で解決していくお話です。

私立白星高校は創立80年の伝統ある高校である。そこに住むものは誰しも憧れ入りたいと思う高校だ。白星高校は進学に特化した特別進学クラスや文系理系の2クラスある普通科クラス。就職に進む為の商業科クラスにIT関連などを目指す情報科クラスがある。偏差値は平均的で特別進学クラスは偏差値が高く入れる生徒は少ない。返って情報科クラスや商業科クラスは偏差値が低く広き門となっている為プラマイゼロになっている。


創立80年の高校に問題のある生徒がいる。創立80年にして初めての問題児は2年3組の普通科クラスにいる。普通科クラスは進学する生徒に就職する生徒がいて比較的授業内容は高いものである。その2年3組に変人扱いされている男子生徒の名前は木戸翼きど つばさ。木戸は勉強が出来ないから問題児、暴力沙汰が絶えないから問題児というわけではない。勉強は成績上位で特別進学クラスを凌駕するほどで、暴力沙汰なんて微塵も感じられないほどの物静かで授業妨害もしない男子生徒である。ただ1つの問題を除いては。


夏も終わりを迎えて秋が来る季節。新学期が始まりクラスでは宿題の話題や夏休みどこに行ったか何をしてたなど仲の良いグループが個々で話している。木戸翼1人を除いて。コツコツとヒールの音が聞こえると静かになり席に戻る。ヒールの音が近づき2年3組の教室を開けると先生が入ってくる。おはようございますと先生が生徒達に言うと生徒もあいさつをする。いつものように朝礼が始まるはずなのだがこの日は転校生が来る関係で先に転校生の紹介から始まる。先生が入るように指示を出し失礼しますとドアを開け1人の女の子が入ってくる。


「初めまして!今日から白星高校に転校して来た柊綾音ひいらぎ あやねです。前の高校では運動部でした!この高校は文化部も有名なので文化部に入ろうと思っています。よろしくお願いします。」


髪の長い天然なのかパーマを当てている影響か色っぽく清楚な女性の多いこの高校にはいないギャルっぽい子だ。男子は歓喜の声を挙げている。その中で特別テンション高くなっている男は中村諒なかむら りょう。運動神経が良く明るい性格な所もあって入学した時はいろんな運動部から声がかかるほどだ。でも中村は結局運動部に所属せずたまに部活の助っ人として参加している。そんな中村を鎮めるかのように先生は中村を睨んで萎縮させる。すいませーんと席に座ると周りは必至に笑いを堪えている。


自己紹介が終わり柊に空いている席に座るように指示を出し柊は窓側の後ろの席に座る。隣には問題児の木戸翼。柊は隣の席の木戸に挨拶をする。木戸は柊を見向きもしないでひたすら手を動かしている。


「え、無視!?こんなに可愛い転校生を無視するんだ。」


柊は色仕掛けをして視線を向けさせようとするが残念ながら木戸は瞬き1つ動く気配がない。そこで別の視線を感じた柊は廊下側を見ると中村が必至で見ている。お前じゃねーよ!と心の中で叫ぶ。馬鹿馬鹿しくなった柊は木戸以外の周りの席の人達に挨拶を済ませる。


朝礼が終わり授業が始まる。ノートと筆記用具を取り出す。教科書を開くように先生が生徒に指示する。今日から転校してきた柊は教科書を持っていないので隣の席の木戸に見せてもらおうと視線を向けるが柊にとっての木戸は第一印象が最悪の人間だ。そんな人間に頼むのも癪だが教科書を隣の席の生徒に見せてもらうのが普通と思った柊は渋々見せてもらうように声をかける。


「あの〜。教科書見せてくれない?うちまだ持ってなくってお願い。」


また無視だ。何なんだコイツは人が話しかけてるのに!てか何やってんだよ。教科書開いてないじゃん。筆箱が壁となり何をやっているかはわからないけどこれを止めさせないと先に進めないと判断した柊は肩に手をおいて揺する。ようやくこっちの存在に気づいた木戸。


「なに?て言うか君誰?僕の隣は空席のはずなんだけど。」


「え、やっぱり気づいてなかったんだ。今日から転校したの柊綾音って言うの。で頼みたいことがあって教科書まだ貰ってなくって一緒に見せてくれないかなぁと思って。」


「へぇー。だから隣の席に君がいるのか。いいよ教科書ないんだよね。はいどうぞ。」


木戸は教科書を柊に渡す。


「あ、ありがとう!じゃあ一緒に見ましょう」


「ん?いいよ、僕は教科書いつも使ってないし1人で見て。」


うーん。勉強苦手だから授業ちゃんと受けていないのか教科書は新品のような綺麗さを保っていた。例を言い、名前を言おうとするが名前をしらないので名前を聞く。


「木戸翼。てかあまり話かけないで忙しいから。」


気に食わない。絶対友達いないぞコイツ。でも教科書貸してくれたからいい奴なのかでも人当たり悪すぎるよね。


1時間目が終わり休み時間に入るとクラスの男女が柊の周りに来る。もちろんいの一番に駆けつけたのは中村諒だ。どこから来たのとか可愛いねとかアドレス交換しようとか転校生の話題で持ちきり状態。隣の木戸はうるさかったのか席を離れ廊下に出る。タイミングも良かったので柊は隣の席の木戸のことを聞く。


「ねぇ、ひとつ聞きたいことがあって、隣の席の木戸翼くんさ彼は何者なの?」


周りの生徒は言葉に詰まる。どう説明すればいいのかその話題はNGとばかりの空気が醸し出ている。しかし中村は違った。考えるより先に行動する彼はその問いに答える。


「木戸はねー。変人なのさー!あいついっつも授業中遊んでる癖に成績上位なんだぜ。もはや嫌味だよ。木戸なんかと関わらないでオレともっと仲良くなろーよ綾音ちゃん!てか今日暇?デートしよデート!」


男子はお前抜け駆けずりーぞと中村を責め立てている。そんなことより木戸のやつ頭良いのかよと少し見直す。すると女子がおりがみの話題を出して。木戸はいつもおりがみをおっていることを耳にする。


「なんでおりがみ?うちら今高校生なのにそういうのは園児や小学生の低学年で卒業するものだよね?木戸君はなんでおりがみしてるの?」


「なんでって、それは私たちもわからないけど。木戸くんは創作部っていう部活の部長でおりがみをおるのが活動みたいな。だからおりがみ好きなのかもね。」


柊はこの高校はおりがみをおるだけの部活を承認していることに驚く。詳しく聞くと木戸君が1年生の頃部活を作りたいと部活申請をしに行くが1度断られたそうで先生は普段の授業態度が酷い木戸にテストで1番になる条件をクリアしたら創作部の活動を認めると打診するがそつなく中間テストで1番を獲った木戸は創作部の活動と授業態度の黙認を勝ち取り今に至るらしい。


そんなこんなで2時間目が始まる。夏休み明けもあって2時間目からは夏休み明けテストを開始する。柊は少し動揺を見せる。テスト終了後に先生が夏休み明けテストだからって赤点だった人は文句無し追試だからと言いながら教室を去る。教室はテストの話題になり。中村諒は天を仰いで抜け殻のようになっている。柊はコイツ赤点だなと察しているが自分も危ないことに不安になる。まさか転校初日にテストなんて。快適で楽しい高校生活が送れると期待してくると隣の席の木戸にはイライラするわいきなりテスト始まるわで幸先が不安になりつつ帰宅する。その日の疲れもあってベッドに倒れ込み夕食も食べずに眠ってしまう。


朝になり朝食を済ませ白星高校に向かう。部活のことを考えていると後ろからわたしの名前を呼ぶ声が近づいてくる。アイツだ。


「はよー!綾音ちゃーん!一緒に学校いこーよー!」


昨日今日あったばかりだってのに下の名前で呼ぶな中村。朝からコイツの相手はしんどい。適当にあしらい渋々一緒に登校する。会話の内容?知らない、ちゃんと聞いてないから。教室に着き席に座る。隣には既に木戸がいる。本当だ、おりがみおってる。まだ時間あるしちょっと声をかけようとおりがみやってんの?うちにも教えてとおりがみに触れる。


「ヤメろ!」


頭が真っ白になった。なんで怒られた?確かに勝手に触ったけどそんなに怒ることじゃないと思うんだけど。とりあえず謝罪して席に着く。凄い大きい声だった。みんなこっち見てるし。あー、早く授業始まってくれ。


コツコツと足音が聞こえてくる。先生だ。教室に入ってきて挨拶をする。手には昨日のテストと思われる答案用紙の束が。


「はい、昨日の夏休み明けテストを返却します。名前を呼ぶので取りに来て下さい。」


名前を呼ばれ取りに行く生徒たち。私はハ行だが転校生もあって出席番号は最後なので呼ばれるのは1番最後である。とうとう柊も呼ばれ答案用紙を取りに行き席に戻る。溜め息を吐く。結果は赤点。国語は何とかなったが数学、英語、社会、理科の4教科赤点だ。なんてこった。ここまでとは。突然アイツの存在が頭に浮かぶ。テストが終わって天を仰いでいたやつが。中村は机に顔を擦り付けている。私はアイツと同レベルだ。認めたくないが結果は火を見るより明らかだ。

先生から追試の説明があり、今回2人のみ赤点を取ったことを前提にそれぞれ追試の日程を説明される。柊は転校生ということを考慮されて隣の席の木戸に協力してもらうように言い。木戸もそれを了承する。中村は友達に教えてもらうみたいだ。


気まずい!今さっき険悪な雰囲気になった人に勉強を教えてもらう?無理無理無理!てか私の追試に協力してくれることも驚きだ。でも助かる、なんせ木戸君は学年1番みたいだから。きっと教え方も上手いはず…。


と思っていたが木戸君は自分の作業をしていて全然構ってくれない。木戸君が使っているというテキストを渡されそれを私はひたすら解いていくという作業。もっとなんかあるだろう。簡単な解き方とかさ重要な所とかさ。


「この問題うーん、難しい。どの方式使うの木戸君


わからない問題は聞くと答えてくれる。それまでの過程や方式の使い方とか分かりやすいように教えてくれる。教え終わるとやはりおりがみをおる。こうして追試までの一週間は放課後に追試対策をした。




「いよっしゃーー!終わったーー!」



無事に追試をクリアした柊は木戸に報告しに行く。礼を言うと、大したことはしてない君の努力の賜物だよと褒めてくれた。木戸に対する好感度は徐々に上がっていった。


学校終わりに一緒に帰ろうと誘い。途中まで柊は木戸と帰る。別れ道になり柊は家に帰る。木戸は少し用事があるとそこで解散する。木戸は家に帰る前に大学病院に足を運ぶ。エレベーターを上がり三階でおり303号室に入る。ベッドには同じ年の女の子が酸素マスクをつけて横になっている。ベッドの横の机におりがみを置いて帰る。



体育の授業が昼食後に行われる。まだ残暑のせいで秋と言えど昼間は暑い。半袖半ズボンでみんなは授業を受けている。白星高校は体育では男女別に分かれて行われており、この日は男子は運動場でサッカー、女子は体育館でバスケットボールをしている。女子では転校生の柊が活躍している。同じクラスのバスケ部員は柊にバスケ部に勧誘するが断る。運動神経が良くそれを感じた別の運動部員も勧誘をしている中、運動場では2人1組で準備運動をしているが木戸翼は体育の先生と一緒にしていた。よく友達がいなかったり、人数が余った人が先生と組む景色を柊は目の当たりする。

準備運動が終わりサッカーを始める男子生徒たち。木戸は隅っこにいて先生に怒られないように上手くサボっている。たまにこぼれ球が木戸の元に来たボールはパスなりシュートをしていた。シュートしてボールはほとんどゴールを決めていた。憎たらしい奴だ。いい所をかっさらっていく。運動もできないことはない木戸を見ている柊は木戸に夢中になっている。


「よく見たらカッコいいんじゃないかアイツ。」


待て待て待て。これはあれだ。きっとギャップやらなんやらで自分目のセキュリティーがどうかしているんだきっと。くそう、こんな男が魅力的に見えるなんて。アイツは根暗趣味だ、おりがみを必要以上におっている変人だ。会話もろくにしようともしない。でもたまに優しい…。ダメだ、どうしても最後にはアイツの好感度を上げる形になってしまう。


体育の授業が終わり教室に戻り部活勧誘のことを思い出す。前の高校では陸上部のエースだった。柊は1年生ながら県大会のメンバーに入っていた。県大会優勝後の帰り道に交通事故により命に別状はないものの両脚に致命的な怪我を負い選手生命を絶たれた。回復はしたものの歩けるなるようになるまで長い時間を有した。両親が環境を変え綾音を気遣いこの白星高校に転校してきたのだ。今では軽い運動は出来るが部活となるとそれは難しい。でも文化部は入りたいと思っていた。


男子もちょうどサッカーが終わり着替えを済ませ教室に戻ってくる。少しして木戸翼も帰ってくる。木戸を見て転校初日のことを思い出す。そういえば創作部の部長だったということを。しかも部員1人しかいないって存続の危機じゃん。木戸の事をもっと知りたい話したい、部活が同じだと関わる時間も増える。よし部活は創作部にしよう。思い立った柊は自分の机に座る前の木戸に部活に入りたいと告げる。


「うん。柊さんもおりがみ好きなんだね。」


そういうわけではないが、てか柊さんって初めて名前で呼んでくれた。やはりおりがみの話題は木戸のテンションを高めてくれるものだと思った柊をよそにクラスメイトは変人部活に入りたいと言う柊に驚いている。あの男が放っておくはずがない。オレも入ると言い出した男は帰宅部の中村だ。中村の入部も木戸は了承する。


「綾音ちゃんが入るならオレも入るしかないっしょこれ!これから木戸君のことは翼って呼ぶね。翼も諒って呼んでいいから」


そういう諒に翼はわかった中村と言い諒とは言わなかった。とりあえず入部届けを提出してからの活動参加を言われその日の放課後に担当教諭に2人は提出しに行き、そのまま創作部室に入ると先に翼はおりがみをおっている。綾音と諒は翼におりがみを教えてもらう。その日の放課後はひたすらおりがみをおって解散した。




「うなーーーーー!」

「ぼえーーーーー!」


2人の男女が創作部の部室で雄叫びをあげている。理由はほんの1時間前の出来事からなる。帰りの会で担任の先生は生徒たちに一週間後にテストがあるので今日からテスト週間に入ると告げたことが2人のテンションをおかしくしていた。2人とも最近まで追試がようやく終わったと思ったら立て続けに中間テストが来たことで焦っていた。



「ねぇねぇ木戸くん。あのー、またお世話になることは可能ですかね?」



「翼ー!頼むよー。また追試とか勘弁だからさ助けてくれよー!」



2人の願いは功をなして聞き届けられた。木戸はおりがみをおりながらわかったと言った。ありがとうございますとまるで神を称えるかのように2人は下手に出ていた。すっかり3人は仲良くなり中村も翼がいい奴だということを知り中村は翼のことを心の友と思っているが翼はどう思っているかは残念ながら定かではない。ふと思いついた中村は放課後に誰かの家て勉強会をしようと提案する


「なあなあ翼の家に行ってもいい?頼むよー!オレんち狭いから部屋に上げれないんだよ。もちろん綾音ちゃんはいつでm」



「おい中村調子に乗るな!」



柊は間髪入れず中村を殴りそれ以上は言わせないとばかり中村を制止させる。あまり女の子がそういう言葉使いをしてはいけないなと翼が言うが、自分の家で良ければと翼の了承も得たところで早速翼の家に向かう。



翼の家に着き中に入ると廊下で翼の姉らしき人と会い2人は挨拶をし翼はただいまと言い、姉らしき人はどうもと少し驚いた様子で会話を交わし、階段を登り翼の部屋に入る。部屋は優等生を思わせる部屋で必要以上のものは置いてない様子だ。部屋には翼の勉強机とテーブルがあり勉強会なので今回は翼もテーブルに腰掛ける。中村がさっきの女性のことを聞き翼の姉であることを知った。2人も座り、柊は一つ気になることがあり勉強机の上にある錆びた昔使ってたアルミ製の小箱に目に行ったが深く考えずに勉強会を始めた。



日も沈みかけたので解散することになった。お礼を言い。翼は自室で見送り綾音と諒は階段を下りると廊下でまたも翼の姉と出会う。



「2人とも翼の友達?」


はいと2人は答えてお邪魔しましたと言い帰ろうとする。



「ねぇ、なんで翼と関わろうと思ったの?」



意味深なことを言い出す翼姉に綾音はせっかくの機会なので翼のことを聞こうとする。



「私は転校生で初めて席に着いて話かけた翼くんは私のことを見向きもしませんでした。感じの悪い人だと思っていて第一印象は最悪でした。そんな翼くんはクラスメイトからも変人扱いされて翼くんと関わらない様にしてました。私もこれ以降関わらないようにしようと思ってましたけど、きっかけがあって勉強教えてもらっていつもおりがみをおっているけど話をすると優しいと知りました。そして自然と翼くんに惹かれていって部活にも入るようになりました。友達になりたい、もっと翼くんのことを知りたいと思ったから。でもまだクラスメイトのほとんどは翼の良いところを知らないけど知れば今とは違う学校生活になると思っています。でも思えば私も翼くんの全部を知っているわけではないのでこれから関わっていくことで翼の事を知る機会にもなるので心からもっと仲良くなりたいと思ったからです。」




「翼から昔の事件のことを聞いた?」



事件と聞き2人はやはり翼には何かあったことを悟る。いいえと答え2人はその事件のことを耳にする。



「翼ね昔は今と違って明るくて元気な子でね。仲の良い友達もいてなんでも率先して行動したり仲間外れにされた子たちにも声をかけてその場の中心のような子だったの。そうして最初友達の輪の中に入りづらい女の子がいてね、いつも1人でおりがみをおっているのが高杉彩花たかすぎ さやかちゃん。家の中で遊ぶより外で遊ぶのが好きだった翼は彩花ちゃんのことが気になっていてたの。ある日彩花ちゃんと翼が遊ぶ機会があって翼は彩花ちゃんに合わせておりがみをして遊んだの。その時初めておりがみで遊んだ翼は面白さを知って自分からもおりがみで遊び始めてそれ以来2人は仲良くなったの。それで大きくなったら名門校の白星高校で部活を作ろうと約束したの。一緒の制服来て登下校するんだって翼が私に言ってた。それで翼と彩花ちゃんは超難易度のおりがみに挑戦したんだけど幼いせいもあって上手く作れなかったの。翼は私のところに来て教えてほしいと作り方を教えて自分でも作れるようになった。それをどうしても今日の内に見せたいと言い、彩花ちゃんの家に電話をかけて近所の白星公園に待ち合わせをしたの。翼はいち早く到着したけど予定の時間がきても彩花ちゃんは来なかった。すると救急車のサイレンが鳴っているのが聞こえた。少しして翼の両親が翼を迎えに行き彩花ちゃんが交通事故にあったことを告げたの。彩花ちゃんはそれ以来目を覚ますことはなかった。今でも植物状態で意識の回復が見込めない状態が続いて、翼は今でも学校の帰りに病院に寄ってお見舞いに行ってるの。鶴のおりがみを持ってね。」




2人は翼の過去を聞き、翼がなぜ学年1番にも関わらず特別進学クラスではなく普通科クラスにいるのか、彩花さんと約束を果たして白星高校に入り創作部を作る。それだけが翼くんがこの高校に入った理由であり、翼くん自身の存在意義でもあったんだ。それだけが満足。それ以上は求めない。翼くんと彩花ちゃんの2人の夢を必死で叶えて今も眠る彩花ちゃんに対する罪滅ぼしなんだろうな。彩花ちゃんは私と似て交通事故に巻き込まれたこと。でもただ一つ違うのは私は翼くんの隣にいて本来翼くんの隣にいるはずだった彩花ちゃんは眠りについているということ。





「彩花ちゃんの事故以来、彩花ちゃんの事故は自分があの時呼びださなければこんな目にあうことはなかったと自分を責めてそれから翼は自分と関わると相手を傷つけると思い込み友達も作らず1人でいることを選んだ。でも綾音ちゃんは彩花ちゃんに似ているね。」



「そうなんですか?私と違ってガサツじゃなさそうだしギャルっぽくなさそうだし。」



「そういうところじゃなくて雰囲気がね、だから翼も綾音ちゃんと話せたんだと思う。ビックリしたんだからある日帰った時に変な転校生が来てオレを巻き込んできて部活にも入ってきたことを食事の時に言ったの。それまで会話なんてただいまとかいってきますくらいだったのに翼も綾音ちゃんのことが気になっていて彩花ちゃんと重ねている部分もあるんだと思うの。だって家に友達連れて来たの彩花ちゃん以来なんだから。これからも翼よろしくね。綾音ちゃん、そして諒くん。」



2人とももちろんですと心の底からの声が出た。




「お話ありがとうございました、そろそろお邪魔します。さようなら。」



綾音たちは翼の姉に別れを告げそれぞれの家に帰った。2人とも思う所があって明日の放課後翼と別れた後2人で病院に向かった翼に後からつけることにした。




そして翌日の放課後いつも通り別れ翼は病院に向かう。それを2人は後をつけ病院まで行く。病室に翼が入りおりがみをいつものようにお見舞いの品として机に置く。用が済んだ翼は病室を出ようとすると2人が入る。



「何しにきたの?まさか付けてくるなんて。」




「お姉さんから聞いたよ。彩花さんなんだよね、ベッドで横になっている人は。」



翼は察した。机の上のおりがみに目を送る。綾音は翼の目線の先に鶴のおりがみがあるのを確認した。毎回毎回お見舞いに来ては鶴のおりがみを置いていて机の上がおりがみで彩られている。


「ボクは…大事な人を失くしたことをおりがみで紛らわして勝手に自己満足していた。おりがみを見ていると作っていると自然と昔の記憶が呼びだされて、おりがみは自分の過ちを忘れないように仕向ける為のものだった。ずっとこの罪を背負って生きていくことを決めたから。もう目覚める兆しがないことも医者から聞いた。長い間植物状態になると意識を取り戻すのは困難になるって。」



2人は翼がその罪を背負うにはまだ若すぎたと、それに罪を1人で背負わないでこの3人で背負えるかはわからないけど力になることはできると思った。



「まだ意識が戻らないって諦めたらダメだと思う。だってまだ生きているんだもん。意識は戻ってなくても身体はここにあって今でもまだ命を繋ぎ止めてくれてるじゃない。だからまだ諦めないで翼くん。」



「オレさいい事思いついちゃったや!3人で千羽鶴作ろうぜ!願い事を決めて千羽鶴を作って彩花ちゃんの意識が戻るようにお願いしようぜ!」



綾音は珍しく名案を出した中村に同意して綾音も翼に千羽鶴作ってみるだけ作ってみないかと問いかける。




「ありがとう諒…綾音。2人は最高の友達だよ。こんなボクに接してくれてここまでしてくれる、これ以上のことはないよ。テスト終わったら一緒に作ってくれるかな?」



もちろんだよと2人は答えると共にテスト期間中だったことを忘れていた2人は頭が下がっていた。




無事テストも終わり、赤点なしという翼のおかげで3人は放課後に千羽鶴の作業を始める。まず鶴の作り方を教えて、鶴を作る前に色が白い所に願い事を書いてから作り始めるようにした。千羽鶴とだけあって短時間では終わるはずもなく。1ヶ月かけてようやく千羽鶴を完成させて飾れるように組み立てた。




そして放課後に彩花の病室に行き千羽鶴を置きに行く3人。ベッドの横に千羽鶴を置いてそれぞれ思い思いのことを話す。



「彩花ちゃん、まだ話したこともないけど翼の友達ならきっといい子ですぐ仲良くなれると思う。意識戻ったらとりあえずデートしよう。」



「彩花さん。私は翼くんの友達です。これまで人と関わろうとしなかった翼とまさか同じ部活に入っておりがみをしています。翼くんは優しいです。そこは多分昔と変わってないと思います。私はそんな翼くんが好きです。出逢えてよかったと心から思ってます。」


「彩花…ボク白星高校に入ったんだ。部活も作ったんだ。大変だったんだよ、意味不明な活動内容だから最初は却下されたけど条件付きで学年1番取って創作部って部活を作ることが出来たんだ、すごく勉強して本当は大変だったけど彩花との約束を守ることに必死だったから。後先考えずにやることをやったよ。後は彩花さえいれば夢は叶うのに…キミはいない。でもボクは待ってる。白星高校で創作部の部室で。だから目が覚めたら部活しよう。彩花の好きなおりがみをするんだ。ボクはいつまでも待っているから。」




翼が泣き崩れる。2人は翼の泣き顔を見て貰い泣きをする。その涙が千羽鶴に落ちると千羽鶴は3人の願いを結果的に叶えることになった。そう高杉彩花は10年近く植物状態で寝たきりで医者からは意識が戻ることはないと言われたにも関わらず、3人の願いが届き目を覚ます。綾音がいち早く気づき翼に伝える。翼は声にもならない感情になり、感情のまま彩花を抱きしめる。




「つば…さ…くん?」




「彩花!おかえり!」




ご覧いただきありがとうごさいます。初投稿となります。きはむだとうゆです。別のサイトでは別のユーザー名ですが短編は初めての試みです。感動ものを書きたかったので何かないかなぁと思っていたんですが、本屋さんでたまたまおりがみの本を見つけましてそれがきっかけで書いた作品なので、結構勢いで書きました。これからもまだ投稿してない作品があるので少しずつ出していければなと思っております。よろしくお願いします。

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