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あの国を旅立って数年後、私たちはその国へやっとたどり着いた。
もう、新興国といわれるような国ではなく、あの国とも交易をしていると話が入った。
そして、この国にも「罪人」としてフレード様の人相書きが回っていることも知った。
季節は冬。とある山小屋で私とフレード様は話し合っていた。
フレード様のお身体は以前よりも細くなった。そして、私の手は荒れはて、顔も日に焼けていた。それでも、フレード様は私を「美しい」と仰ってくださった。
私も獣を捌くことになれ、山に生えている草なら食べられるか、毒か分かるようになっていた。
「外の国へ行こう」
フレード様の決心に私は微笑んだ。
間もなく私も母になる。
いつまでもこのような暮らしをしているわけにはいかない。
春になり、私たちはとある船に乗った。
フレード様がいつも以上に慎重に動き、何とか乗れた船だった。
これからまったく分からない国に行くことになるが、堂々と暮らせるのであればそれでいいと私は思う。




