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俺なりの短編3

作者: 骸骨
掲載日:2026/06/18

 1

 まだ幼い子が公園にいくと、シートを広げてきれいな本を売っている年かさの少年二人に出会った。

すごい、もう自分で仕事しているなんて…、幼い子は二人の少年を見て思った。

 幼い子の視線に気が付いたのか、二人の少年の内の一人が幼い子に耳打ちをした。自分たちがどうやって、こんな風に商売ができているのかということを。

 幼い子は、怖くなった。そんなことして大丈夫なのかと。少年は言った、大丈夫大丈夫。お前も、やってみなって。


 

 幼い子は、言われた通り町のはずれにある書店の前へとやってきた。これから自分がしようとしていることを考えると、全身がかすかに震えている。本当に大丈夫なのかな…。

 初めて書店に入る幼い子。狭い店には三列の本棚があって、どの棚にも高そうな本がきれいに並べてあった。とても素敵な光景で、幼い子はうっとりとそれらの本を眺めている。

 しばらく眺めてた後、ようやく幼い子は目的を思い出した。店の奥の様子をちらちらと伺う。その店の店主は年老いた老人で、客がいようがいまいがお構いなしに居眠りをしているのだ。公園にいた少年たちはそれをいいことに、こっそり店の本棚から本をくすねて公園で売っていたのだ。

 書店で買うより安い値段で売っていたために、買う人もいたが怪しく思って少年たちに声をかける人もいた。そんな時少年たちは、笑ってごまかして違う話を始めるのだった。そんなことを何度も繰り返しているうちに、誰も少年たちを疑わなくなっていった。

 

 いくら年老いた店主が眠っていたところで、幼い子は本を手にすることはできなかった。明らかに悪いことをしようとしていることに対して自然と体が動かなくなってしまったのか、幼い子は店を出ると自分の家に帰っていった。

 幼い子は公園にいくと、少年たちに手ぶらで帰ったことを話した。二人の少年は、俺たちが一緒に行ってやるといって幼い子を肩をぽんぽんっ、と叩いた。広げていたシーツはそのままに、幼い子を連れて書店へと向かった。

 

 少年二人は音をたてないようにして、店内へ入る。ズボンのポケットから大き目の布切れを取り出すと、手際よく次々と、本棚から本を取り出し布切れの中央に、重ねて置いていく。

 幼い子は本を盗み出そうとしている二人の少年を眺めているうちに、気づいた。眠り込んでいたはずの年老いた店主が音もなく二人の少年に近づこうとしていることに。

 老人とは思えないほどの力で二人の少年の手首をつかむと、あっという間に店の奥へと引きずっていく。少年たちの手首を太いひもで縛り、動けなくしてしまった。

 恐怖で凍り付く幼い子。老店主は幼い子の側に近づくと、耳元でささやいた。うなずいた幼い子は、あっという間に走り去っった。残された二人の少年は、書店の地下室へと、連れていかれてしまった。


 少年たちは、二度と戻っては来なかったし、幼い子は大人になっても自分が経験したことは誰にも話さなかった。

 

 


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