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万能戦艦雪風  作者: 髙龍


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第二十一話

トキノリはぐっっと伸びをして目を覚ます。


端末で時間を確認すれば朝の6時だった。


「そろそろ起きるか」


そう言って部屋を出るとメイドさんが待っていた。


「おはようございます」


「おはようございます」


「お食事にいたしますか?」


「お願いできますか?」


「はい。すぐにお持ちしますので部屋で待っていてください」


トキノリが言われた通り部屋で待っているとすぐに食事が運ばれてきた。


朝食に用意されていたのはパンにサラダ、コーンスープにベーコンエッグ。


西洋風の朝食だった。


「コーヒーは飲まれますか?」


「はい。ブラックでお願いします」


「少し時間がかかりますので先に食べていてください」


「では、お言葉に甘えて」


朝食を食べながらメイドさんを見ていたのだが、驚いたことにコーヒー豆を挽くところから淹れていた。


インスタントや出来合いの物が売られているのにここまで手間をかけて淹れてくれるとは思わなかった。


「本格的なんですね」


「ミュートン技術主任の趣味です」


「なるほど・・・」


どうやらミュートンはかなり多趣味なようだ。


用意されていた朝食を食べ終える頃にコーヒーが出される。


「お待たせしてすみません」


「いえ。では、さっそく・・・」


トキノリがコーヒーを飲むのをメイドさんはじっとみている。


苦味も感じるがトキノリは好みの味だった。


「美味しいですね」


「そうですか。それはよかったです」


コーヒーの世界は奥が深い。


産地によって味も色々だし焙煎でも味が変わる。


ブレンドなどに手を出せば天文学的な組み合わせとなる。


「ふむ。楽しんでもらえているようで何よりだ」


「ミュートンさん・・・」


「船のメンテナンスは終わったぞい」


「ありがとうございます」


「これが仕事だからな。それにいいデータが取れた」


「ミュートン様もコーヒーを飲まれますか?」


「もらおうか」


「それにしてもお主は見事だったな」


「見事ですか?」


「軽いハニートラップを仕掛けさせてもらったが回避したからな」


「あれって、ミュートンさんの指示だったんですか?」


「お主は80京もする船のオーナーなんだ。情報が拡散されれば色々な奴がよってくるだろう」


「その可能性はありますが・・・」


「というわけで船の操縦だけでなくそちら方面も回避できるかテストをさせてもらった」


「そういうことですか・・・」


「まぁ。嫌々やらせたわけではないから安心するといい」


「えっ?」


メイドさんはコーヒーを淹れつつ会話に混ざってくる。


「冷静に考えてくださいよ。お金持ちと結婚したいというのは女性の夢の1つですよ?」


確かに結婚する際には相手の収入を気にする人がほとんどだ。


それは地上を飛び出して宇宙を飛び交うようになってもかわらない。


仮に事故でトキノリに何かあっても雪風の価値を考えれば破損部位があったとしても売却すれば安定した生活ができるだろう。


それを考えれば結婚相手としては悪くないのかもしれない。

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