ペンギン自在
群れだと、さらに可愛い。
陸を歩くときは ボウリングのピンに
スリッパを履かせたような立ち姿だけど
ひとたび 水に飛び込めば イルカのシルエットで
まるみを帯びた流線型を手に入れる
あいつらは なんてペンギン自在
だけど せっかくの翼で飛ぶことはできないから
空陸海の制覇をしそこねて
おおきな死角をつくってしまったんだけど
そこは ペンギン自在なあいつらのこと
そのかわりに われわれの知らない
もうひとつの形態を隠し持っているのかもしれない
たとえば 地中穿孔のモグラモードとかさ!
水族館のプールや南極の氷上のドキュメントだけで
あいつらのことを知った気になっちゃいけないぞ
なんたって あいつらは
どこまでも ペンギン自在な連中なのだから
飛べる鳥は、水上まで?
羽を濡らしたくないのかな?