王道的?転生
「山田来冬さん、ようこそ天界へ、先ほどあなたは死んでしまわれました」
俺は、少し明るい部屋で美しい女性にそんな事を告げられた。
突然の事で、なにをいっているのか分からない。
俺に死んでいることを告げた、美しい女性は、金色の髪、白い肌、天使のような羽を持っている。
「あの、あなたは?」
「あ、自己紹介がまだでしたね、私女神やらせて貰っております、アリスと申します」
女神様だったのか。死んだら、生まれ変わると言うのは、本当だったのだな。
俺はどんな死に方だったけな?
俺は思い出そうとする。
※
俺は確か、二十歳、大学生で、休みの日に趣味である、本読みの為に図書館に行こうとしていたはず。
だけだよな...死ぬようなことは何もなかったような。
「あの?」
「はい、どうしました?」
「俺って、どうやって死んだんですか?」
「えっと、資料だと、頭を打ったと書いてあるわね、えっと」
そうだ!俺は図書館に行く途中で、野球ボールが飛んできて、そのまま.....。
「野球ボールですよね」
「いえ、野球ボールなんて当たっていませんよ?」
え?確かに俺は野球ボールに。
「ボールを避けたはずみで転んでしまい、運悪く、そのときにちょうど、尖った石に頭を打って死んだと、書いてあります」
運が悪い、昔から、そうだった。不幸体質なのだ、いつか、死ぬとは思っていたが、二十歳で...。
「でも、喜んでください」
「うーん、そうだな、よし死んでるのか、喜ぼう、とわならないだろ」
なに急に無理に決まっている、死んで喜べる奴はいないだろう。
「安心してください、世界で12人の勇者に選ばれたんだから」
勇者?
「あなたはこれから、異世界で、魔王を倒して頂きます、倒した暁には生き返らす事を約束します」
異世界!魔王!
「魔王を倒せば、生き返れるんですか?」
「はい、他の12人も、あなたと同じく死んでしまった者達で同じ様に異世界で魔王を倒す為に呼ばれました」
「勇者ってどんな人が選ばれたんですか?やっぱりステータスが高い人とかですか?」
「くじ引きです」
「はい?」
「くじ引きの結果決められました」
あれ、異世界救う為の、勇者くじ引きで決められてんのかよ。
「とにかく、勇者にはランダムで、伝説の武器が配られます。その武器達で、魔王を倒してください、何か質問が無ければもう、転移させますね」
「あの?異世界の言語とかは?」
「我々と同じです」
「異世界で死んでしまうと?」
「二度と生き返れません」
!?死んだらもう、生き返れないって...。
「それでは、言ってらっしゃい、無事をお祈りしております」
「待て待て、まだ心の準備が」
アリスがニッコリしながら手を振っている。
おい、無理やり送ってない?扱いひどない?
目の前が暗くなる。
目を開くと、緑の平野が広がっていた、ここが異世界か。
そうだ、武器は何かな。
「え?これって.....」
俺の手には本があった。
「武器じゃねえ!」
武器はランダムって言ってたけどさ、武器じゃないんよ、明らかに。
(この男、異世界に行っても、不運なのである)
初めに読んでいただきありがとうございます。