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あついね

作者: 青いバック

 暑いねと君は汗を頬に伝わらせながら笑う。最高気温が今日は更新されると、朝のニュースで言っていた。更新しないでくれ、と願っても自分は天候を変える神のような力は持ち合わせていない。汗をかく君にそれを拭うことが出来るハンカチを渡すことは出来る。


「あ、ありがとう〜。 今日ハンカチ忘れちゃって」


「君はそういうところ抜けてるから、もう一枚持ってきてるよ」


「一言余計だなあ。それがなかったらかっこいいのに」


「一言余計でもかっこいいのが俺でしょ?」


「ほら、また多い」


 君と他愛もない話をしてると暑さなんて忘れてしまいそうになる。恋の最高気温が更新ってか。自分ながらに気持ち悪いことを考えるな、と冷静になる。

 冷えた頭で君を真っ直ぐに見つめても、やはり君は可愛い。恋の最高気温を更新してしまうのも無理はないだろう。そうだろう?うん、そうなんだ。自分で自分に言い聞かせて正当化させる。


「何考え事? 汗すごいよ」


「汗凄いのは暑さのせいだよ」


「私という?」


「君も大概だね」


「似ちゃったんじゃない?」


「それなら喜ばしいことだね」


「そうなのかなあ?」


「何で疑うんだよ、疑わなくていいだろ」


「人はまず疑えっておばあちゃんが……でも君は信用してるよ」


「うるさい」


「あらら?顔が真っ赤だ」


「暑さのせいだよ」


 君が急に信用しているから、なんて言うから顔が火照ってしまう。太陽の暑さではない、自分から発熱している。自家発電の暑さは、耳までに広がっていて汗も焦りながら頬を伝って外に逃げようとする。

 仕返しをしてやろう、と思っても君のこの笑顔を見てしまったら曇らすことを躊躇してしまう。


「ね、早く買い物行こうよ」


「そうだね、行こうか」


 冷静に見えた君の手は普段は冷たいくせに暖かくて照れていることが分かる。僕達は温め合いながらこの暑さの中を歩いていく。

ではまた。

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