表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うそつき  ありがとう  作者: はるあき/東西
3/13

さん

誤字脱字報告ありがとうございます

「マリア」


 マリアと久々に会ったセレクトは少し痩せていた。顔の右半分にある刺青のような蕀の模様も不気味な感じはなくとても似合っている。いつもなら護衛騎士のアルガンがセレクトと一緒にいるが、今日は老齢の騎士が付いている。それなら、今日はやっとゲームのエンドロールに入ったのかもしれない。アルガンは()()()()()()()()()()()()()()()退()()した褒美に国王から叙勲されるため、その日はセレクトの護衛から外されるからだ。


「このノート、読めるかな?」


 机の上に置かれたノートをマリアは手に取った。

 フローリアの覚え書き? 悪役令嬢が断罪を避けるためにゲーム内容をノートに書き出して必死にフラグを折ろうとするのはよくある話だ。

 パラ。捲ったページに書かれていたのはマリアが前世で使っていた日本語だった。


「分かりません」


 攻略対象のことが書かれたページを見るふりをしながら、分からないと首を傾げる。凄く細かく書いてある。このゲームが大好きだったのだろう。


「どこの言葉なのですか?」


 パラパラと読むふりをしてページを捲って最後に机の上に置く。全く読めなかったというふりをして。

 可哀想に。ここまでしていたのにバッドエンドなんて。

 マリアは心の中で死んだフローリアを嘲笑った。


「………、そうか。陛下との謁見の許可がおりた。行こう」


 マリアは喜んだ。やっぱり今日はエンドロールの日だったんだ、と。ゲームでは国王と会ってセレクトとの仲を認めることによって逆ハーレムのハッピーエンドとなる。

お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ