表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花の女神とオークの王国  作者: 葉月 優奈
一話:オークの女神
8/145

008

私が降りた地上界は、山だと今になって知った。

私の手には、花が握られていた。

それは、芙蓉の花。私の体を青い花びらが、包み込んでいた。

それと同時に、マグマが私の足下から勢いよく流れていく。


「花よ、私の思いに答えて」

私がそう願うと、両手には花がなにもないところから現れた。

真っ白な花、これはアリッサムの白い花だ。

白く小さな花が健気に咲いていて、私の腕の中に収まる。

花たちが、私の魔力を受けて光ると、私の背中に花びらが流れていく。

背中には、真っ白な羽根が生えた。


この魔法こそ、私の力『花魔法』だ。

花の女神である私は、花を使った魔法が使える。

何もないところから、花を作り出して魔法の媒体にする。

その媒体から、私は魔法の効果を得ることができるのだ。


空の上から、私はマグマをやり過ごしていた。

マグマの勢いは強いが、すぐに坂を流れて山下に流れていく。


「マグマの塊は、さほど多くはないのね」

空から、マグマの流れない高台に着地する。

近くをマグマが流れているのでまだ、このあたりの外気温は高い。

高台には、切り立った崖だけど道らしきモノが見えた。


「そうだね」

「アルラネは、この山を知らない?」

「亜族の住む母なる山、エムトレア」

「エムトレア?」神殿にある文献で見たことのある単語だ。

人族と亜族は、同じ世界に住んでいるが生活圏は異なる。

人族の生活圏は、『ワース平原』と言われる世界の三分の一を占める平野。

亜族の生活圏は、この『エムトレア山域』だ。

世界一高い山『エムトレア山』を中心に、大きな森や深く大きな湖、さらにはエムトレア山を囲むように連なる山脈などに、亜族の住処がある。


「あの石碑(モノリス)から、亜族の住むエムトレア山域を願った。

そしてたどり着いたのが、エムトレア山」

「じゃあ、ここが世界で一番高い山なの?」

「そう、そこは活火山」

「だから、マグマなのね」

高台から続く道を歩くと、道の先に何かを見つけた。


「何かあるわ……あれは?」

「集落だ」アルラネが、うれしそうな顔で集落の方に手を伸ばしていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ