DJの恋人の夢
今日この時間はまだ両親は仕事で居ない
共通の女友達2人が私の家に来て彼に渡すお手紙を書いたり折り紙やキットでなにか作ってる
私はそれを彼に秘密にしてる
そこに彼が仕事仲間や友達と車に乗って4人で家の前に来た
車の音を聴いて私は玄関前へ向かう
彼女たちが作ってることを隠さないと
それから、彼の話を聞きたい
玄関を出ると彼らは車に乗ったままちょうどその話をしていた
彼は運転席にいた
私は空いていた助手席の窓から覗いてお辞儀をして話に加わる
「向こうに行ったら住もうと思ってる場所は…」
「まずはライブが…」
「遊びに来いよ」
なんて彼は楽しそうに質問に答える
でも、私は複雑で
彼を応援したいけど
遠距離になる
あまり会えなくなる
だから、
寂しい
まだ離れてもいないのに
振られるかもしれないと考えて
あまり会えなくなることを考えて
寂しくなる
彼が車を降りて私と向かい合う
「…いつ行くの?」
「…何時に行くの?」
私はやっとの思いで彼に聞く
「今日の夜、最終に近いバスに乗る…」
「……そっか」
「遠距離になるけど、ごめんな。そんな遠くないから会いに来たりしようとは思ってて…」
ほんとは、離れるのは嫌
高校生じゃなかったら一緒に暮らしたい
「…なんで引っ越すの?こっちからでも通えるじゃん。私だって、連れて行ってくれたら良いのに。そんなに私のこと……」
もう好きじゃなくなったの?
彼を攻め立てて
なんて心にもないことまで言いそうになって
涙が溢れて
私は走って自分の部屋へ戻ると作業をしていた2人が彼が来たと思い物を隠した
私はベッドに入って仰向けで掛け布団を被る前に作業をしていた2人に
ごめん彼が来るかも
と一言伝えると彼女らはリビングへ向かった
そして彼が私の部屋へ来て
私から掛け布団を剥がして片腕を捕まれる
もう片方で涙を隠そうと目の上を覆う
「…話を聞いてくれよ」
「……」
「俺だって本当は一緒にいたい。でも、まだ我慢しないと。お前も高校生だし…」
「……」
「ライブの題名覚えてるか?」
私は黙って首を横に振る
「その題名がな……」
彼がなんて言ったか忘れちゃったんだ
でも、私の名前が隠されて入っているような
そんな題名だったと思う
「俺は、お前が好きだ」
「……私も」
と答えた声は弱々しい
「会える時間は減るけど会えない訳じゃない。たった20分だ。俺たちなら遠距離になっても頑張れると思うんだ。」
「ちょっと、頑張ってみない?」
お前のこと大切にしたい……
なんて彼が小さく呟くから
起き上がって私から
抱き締めてやった
そしたら彼もそれに答えるように返してくれて
私はあと2、3粒だけ流れた涙をこっそり拭った
結局は、遠距離になってしまった
でも、私たちは今、離れてるからこそお互いに頑張れている気もする
とりあえずは彼に会うために知り合いのお店でアルバイトを始めた
そして、彼が違う女の人に取られる前に会いに行って
ゆくゆくは………
なんてね
Fin