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愛の共鳴  作者: MV E.Satow maru
第3楽章 2024年
15/24

2024年10月 全国大会 皆本悠二

 名古屋の全国大会会場。思ったよりは早くこれたけどやっとだったなと悠二は思った。音大の音楽教育科を卒業、母校に運良く音楽科教諭で戻る事が出来た悠二は吹奏楽部を復活させて3年。


 1年目は当初初心者が多く期待もされなかったけど1年目に少数ながら才能のある奏者が揃ってなんとアンサンブル・コンクールで全国進出という快挙があった。


 2年目は「部員を確保して一気にA編成で東関東進出を!」と思っていたら、むしろその事で初心者の獲得に失敗してB編成で東日本大会金という結末を迎える事になり再創部初代部長を2年生から2期連続で務めてくれたポニーテールの子が残念がりながら引退という結果に終わった。


 3年目。そんな初代幹部も大学進学後は指導補助で手伝いに来てくれていて、遂にA編成で全国大会進出という壮挙を果たした。悠二は自分の指導なんか大したことはないと思っていて部員、OGとOBの努力の賜物として学校内では説明していた。


 そんな事を思いながら部員たちと会場入り時間を待っていたらホワイト系のジャケットとパンツルックでまとめた髪の長い若い女性に不意打ちで声を掛けられて驚いた。


「ん?なんだ、部長か。おどかすなよ」

「やだなあ。そんな女ぶり上がってますか、私?どうです?」


 大学進学を機にポニーテールを止めた前部長だった。今日は一段と気合を入れた服装だったので一瞬分からなかったのだ。


「いや馬子にも衣装ってよく言ったものだと」

「うわあ。女子にそういう事を言いますか。そこは褒めましょうよ。やる気なくしますよ、私」


2年間近く部の立ち上げをやってくれた同志でもある。今の部員たちより互いの手の内はわかってる所もある。


「いやいや。よく似合ってると思うよ」

「ありがとうございます。本当の事をいうのに遠慮はいらないんですよ。あと、先生、部員の演奏技術が向上したのはみんなの努力だけの話で俺は何もしてないとか思ってるなら卑下しすぎ。もはや罪ですから」


苦笑する悠二。そういえばいつものペアじゃないな?


「副部長は一緒じゃないのか?」

「来てますよ。後で待ち合わせしてます。そうそう、全国出場おめでとうございます。私が卒業してから来るなんてほんと妬ましい。でも先生のおかげです。それだけ言いたくて。きっと金が取れます!」

「ありがとう」


言葉を続けようとしたら前部長はあっけらかんと話しを遮った。


「先生、もうそろそろじゃないんですか。来られなかった子も含めて私と副部長達、いや私が愛を込めて応援してますから!金を取らなかったら許しませんから!約束、私,、忘れてないですから!」


そういうと前部長は手を振って笑いながら駆けて行った。


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