表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Ability World-アビリティ・ワールド‐  作者: 東千聖
第1章『紅蓮の復讐』
1/1

第1話『日月透』

 初めて「それ」に気付いたのは、小学生の頃だった。


 クラスで虐めに遭っていた男の子。相手はその男の子よりも体格の大きい坊主の男の子だった。その子は学校でも有名ないじめっ子であり、誰も止めに入ろうとはしなかった。もちろん、僕もその一人だ。見て見ぬふりをするつもりだった。だけど、僕は無意識に人差し指をいじめっ子に向け、ひょいと動かす。


 「うぉっ!!」


 突然床に転んだいじめっ子の悲鳴が教室内に響き渡り、その場にいた生徒たちは驚き、床に倒れるいじめっ子を見ていた。いじめられていた男の子はもっと驚いていたが、誰よりも驚いていたのは、僕自身だと思う。最初はただの偶然だと思っていたが、この日を境に僕は気付いた。


 特殊な力が、体の中に宿っていることを─────。


 最初は小さなものから動かし始めた。授業中に落ちた消しゴムや鉛筆、手の届かないところにあるティッシュやリモコン、念じるだけで動かすこともできるが、指や手を向けて動かすとより細かい動きができた。周りに気付かれないように隠れて特訓し続け、現在、16歳の時点で人や車は簡単に動かすことができるようになった。

 使えば使うほど、この力が進化しているようだった。しかし、調子に乗って使いすぎないように常に冷静にいることを忘れないようにしていた。

 この特殊な力=超人的な力「超能力」は、世間に存在が知られれば、確実に大事になる。自分自身だけでなく、家族や友人にも迷惑が掛かり、最悪、危険な目に遭うかもしれない。だから、この力を隠して人生を送らないといけない。と、僕の中で誰かが命令しているようだった。


 でも、どんな秘密も、いつか必ず誰かに気付かれる時が来る。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ