第二話 Company Game No.1
「報告を」
日本文化圏の最大の都市、東京に立つ高層ビルの一つにて偉そうな男二人が会話をしている
「はい、当局の動きですが相変わらず神道の連中に擦り寄っておりますな」
「ふん、あんな宗教連中の何がいいんだか」
もう一人は構わず説明を続ける
「それで気になることがひとつ」
「ほう、なにかね」
興味を持ったのか、身を乗り出す
「実は神道に新入りが入ったようなんですわ」
もう一人の男は顔をしかめる
「なんと、どんなやつなんだ?」
「はい、それがなんだかわからん奴なんですわ、引き続き調査中ですが秀でたような能力はないようなんです」
ふむ、と頷き話を続ける
「まあ前の二人のような奴は散々苦労させられたからな、そいつは要注意じゃな」
「へい」
一人の男がにやりとして続ける
「ところで、例の件はどうなっておる?」
「ええ、もうバッチリですよ」
「そうかそうか、これは面白くなりそうじゃのう」
それは何かが始まる合図であった・・・
「スケベ野郎」
「あんだよ!」
いい加減この呼び方にも慣れてきた気がする。
「なんだよ、いきなり」
「いや、こっちに来てから1週間ですし最近どんな淫乱生活を送っているのかと思いましてね」
そう、もうこちらに来てから1週間もたっている、最初は生活リズムなどを合わせるだけで精一杯だったが今では図書館から借りてきた経営本も読み進めている
「ぼちぼちだよ、というか淫乱生活っていうのやめろ」
「あら、間違いでしたか?」
間違いだよ!来て早々そんなことをやったら問題になるだろう!
「才能は開花しそうですか」
いきなり普通に戻るんだよなあこいつ
「本は読み進めてるんだけどもどうも雲をつかむようなばっかりでなあ、精神論やら経営者的思考とやらが書いてあるんだがどうもねえ」
「私からの助言なんですが、ある程度の知識があったらもうそこからはセンスじゃないかと思うんです、業界の知識とセンスだけあればそれなりにはできると思います」
ふむふむ、なるほどね参考にしておきます・
「夜の技の方もね」
「ねぇよ!」
もうこのメイドは一回ほんとに懲らしめてやろうか?
「それじゃあ頑張ってくださいね?」
そういうと廊下を歩いてどこかに行ってしまった。
俺は自分の部屋に入る。
「一回やってみるねぇ、しかし何から始めたものか」
『本日のニュースです、以前から経営不振に陥っていたTGゲームスが本日付けで民事再生法の適応をすることを発表いたしました、なお資金調達のための入札が行われる予定で、三友グループが有力候補とのことです。三友グループの三友遊戯はTGゲームスの事実上ライバルでありましたがこの買収により世界最大のゲーム外社が誕生する見込みで、これには独占禁止法に抵触のおそれがあると一部専門家からは懸念の声が上がっています』
へえ、ゲームねぇ・・・
この時はそんなことしか思わなかった
その日の午後、部屋に電話がかかってくる
「やっほー、とよくん?」
光代さんからの電話だった
「はい、何用ですか?」
「あなたの初仕事が来たのよ~、とりあえず応接室に来てちょうだい」
「はい、分かりました」
俺は応接室に向かう
「やあ、1週間ぶりだね豊樹くん」
そこには華界管理局の桜と見慣れない男性、光代さんもいた
「まあまずここにすわって、話はそれからよ」
光代さんがそういうので開いてる席に座る。
「まず自己紹介からね」
「俺は佐藤 と言います、よろしくお願いします」
続いて
「私は、TGゲームス副社長の後藤と申します、よろしくお願いします」
TGゲームスってまさかあの倒産危機っていうあの会社!?と思ったが失礼なので言わないことにした
「早速本題に入らせていただきますが、私達の会社は現在存続の危機が迫っております」
と切羽詰まった様子で話す
「報道では経営危機とはなっておりますが実際は少し違うのです」
「ほう、と言いますと?」
光代さんが聞く
「ある日、急にハードの部品調達が滞ってしまったんですよ、それで催促に行ったら『販売金額増やしたらもとに戻す』と言われまして」
「それで渋々合意したんです」
なんだそれ、脅迫みたいだな
「それで、一時は数量が規定どおり届いたんですが・・・」
「また滞ってきたと?」
「ええ」
そんな会社取引停止にしちゃえばいいんじゃないだろうか?
しかしそのことを聞くと
「TGゲームスのハードウェアはそこの独自技術の塊みたいなものでして、他の会社でやろうっていうっていうわけには行かないんですよ」
「で、今はどれくらいの値段で仕入れを行ってるんですか?」
「はい、もとの原価の4倍です、ただでさえ利幅が少ないのに大赤字になっちゃいまして、もうどうにもこうにも」
うーんいくらなんでもこれはおかしい、いくら独自技術の塊だからって金額をふっかけてくるなんてどう考えてもおかしい、なぜ値上げする必要があるんだ?
桜さんが続ける
「この世界の企業には大きく分けて3つのグループに分けられるんですよ、ひとつは独立系企業これはどこにも所属せずに自分の判断で経営してるものです。2つ目は『AEC』、北米、ヨーロッパを中心に活躍してる巨大企業グループです。そして最後が『三友グループ』日本を代表する大企業グループです、つい二ヶ月ほど前に倒産した『中産グループ』というグループもありましたが今はグループがなくなりほとんどが倒産したか独立系に回帰したようです」
「元いた世界より大企業の数が少ないですね」
「とよくんがいた現世の大企業レベルじゃこっちの世界では大きな独立系にしか過ぎないわよ」
・・・どんだけデカイんですかそのグループ。
「で、今回この騒動にはなにか裏があるんじゃないかと思うの」
と桜さんがいう。うん、俺もちょうどそう思ってたところだ続けて光代さんが
「独立系も一致団結して三友グループに対抗しようとはしてるんですが・・・内部のつながりが段違いで強いですし相手になってないのが現状よ、しかも奴らもやり方が結構汚くて今回のもそのたぐいかと思うのよ」
といままで黙っていたTG副社長が口を開く
「というわけなんですけど何とかできないでしょうか?私も三友グループには入りたくありません、どうせ前の従業員なんかほとんど解雇されるに決まってるんです」
うーんそうは言われてもなあ・・・
「分かりました、この神道一同全力で取り組みます。このプロジェクトの代表者はここにいる佐藤とさせていただきます。貴社の未来を三友グループになんかわたしません!」
と光代さんが宣言する。
って今とんでもないこといわなかったか?
「代表者は佐藤殿ですね、私達の未来託しましたよ!」
ってえええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・
驚愕の声が応接室にこだました。
エターナったと思った?残念!社畜でした!
という訳で久しぶりの投稿です。
卒業が危うくその後もゴタゴタしたので全くかけませんでした!
まあ落ち着いてきたのでまた投稿ペースが上がると思います。
やっぱり小説書くのって面白いですよね。