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第二の依頼《代償》

「恨み相手は誰なんだい?」


掌に無数の光を出現させ、その光をクルクルと指先で転がす。


「う、らみ…」少年は、微かに震える膝を落ち着かせ、ゆっくりと立ち上がる。


「俺が殺したいのは…叔母の高見雪乃…なんだ。」


「叔母さんねぇ…理由は?」


光を数個に減らして、少年に目を向ける。


「叔母は、俺の父さんを殺したんだ。しかも遺産を全て自分の物にするために、父さんを脅し、遺書を書かせ、それから薬を飲ませて…それを見た俺は警察に言った。だが、16歳の俺の話なんかは、誰も信じちゃくれねェ。だから…アンタを呼んだ。

復讐するために。」


少年の目に迷いはなかった。


「ふぅん。じゃ、次は名前教えろよ。俺は、スティル。」


「俺は、高見裕二。」


「高見裕二…ね。」


スティルは彼の名前を手首に書く。

すると掌の数個の光がその名前を見るように手首に集まっていく。


「どうだ?恨みの内容、名前、顔つき…組んでやるって奴いるか?」


光に話し掛けるスティル。


すると、一つの光が、フワリと高く浮き、輪郭が浮かび上がり、全身がゆっくりと現れた。


しかしその人物が、人ではないのは当たり前で…顔の半分がなく、全身はボロボロで所々深い傷を負っていた。


悪霊…彼らは世間ではそう呼ばれる者だ。


纏颶(デング)か。」


纏颶は操作タイプの悪霊。


操作タイプは道具から、生き物まで全てを操る事が出来る能力を持つ。


『よぉ、スティル。と、契約人の兄ちゃん。』


纏颶はニヤリと口端を吊り上げて、不気味に笑う。


裕二は全身に嫌な汗が吹き出るのを感じた。


その様子を悟ったのか、纏颶は更に近付き楽しそうにケタケタ笑い裕二をその黒く濁った目で見つめる。


『いい顔してんじゃねぇかァ…組んでやってもいいぜぇ。』


纏颶の言葉を聞くなり、スティルは、青白い紙を取出し、その紙にサラサラと何かを書いていく。


「裕二、お前にそのスティルをくれてやる。そいつが居れば復讐は出来るぜ。」


「本当か!?」


裕二は目を輝かせる。


「あぁ。だが、タダではやれねェ。」


「!」


スティルは先程の紙を広げて裕二に見せる。


そこには、


―依頼人名―高見裕二。

―ターゲット―高見雪乃。―担当霊―纏颶。


と、最後に…


―代償―


と言う欄があった。


「この…代償っていうのは?」


「…あんたの一番大事なものさ。復讐を果たしてやるかわりに、大事なものを代償として頂く…それが俺たちのやり方だ。」


「な…」


そう。


それなりの代償がなけりゃ、お前の復讐は果たされない。


さぁ…ど う す る ?



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