隙間SS ちゃぶ台返し
Web拍手のお礼SSだったものです。
隙間SSとは、流れ的に本編に入れられなかったエピソードなどです。
ある意味ヤオイ(ヤマなしイミなしオチなし)ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
25話のどこかに入るかもしれなかったエピソード。
「我々はクリス殿を保護したのであって、誘拐したわけではありません。いい加減、我々を犯罪者呼ばわりするのは止めていただきたいのですが」
黒髪腹黒の黒い気に呼応する様に、他の連中もまた攻勢を掛けてくる。
「あれは止む終えぬ処置であって、犯罪者呼ばわりされる様なことは何もないっ」
「大体、アレを誘拐して何になるってんだ? 俺たちは身代金でも要求したか?」
「誘拐が必ずしも営利目的とは限らないことくらい、ご存じでしょう?」
「………他にどんな目的があると?」
「人の子の中には、特殊な趣向の者が存在すると聞き及んでおります」
「「「「…………………………」」」」
「私には全く理解の範疇を越えていますが、幼年趣味や死体愛好などがあるとか」
「………布製カエル相手に何をしろと?」
「さあ。私の口からはとてもとても…」
ブチッ。
何かがキレる音がした。
「ぎゃあ!! 止めろ! 何を想像させんだ!!」
一体何を想像したのだろう?
アタシの方が聞きたいくらいだ。
「人の趣味にとやかくいうつもりはありませんが、合意のない関係は、犯罪ですわよ?」
「んなわけあるか~~~!!!」
フェロモン男の声が、地下水路に木霊した。
ちゃぶ台があったら、ひっくり返していること間違いなしだ。




