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ホラー短編集

名無しの君と街の嘘

私は遊びに来ていた子供達に街を案内していた。

とある公園を案内する時いつもと違う光景が、そこには『君の親族を連れてこい』と謎の言葉が。

一人の子供の『おじいちゃんでもいいのかな?』といい公園で寝ているおじいちゃん目掛けて走り始めた。

だが、たどり着く前に元の公園に戻った。

『夢でも見たのかな?』私たちはそう感じた。

だが私は子供たちを見送ったあと再び公園に向かった。

そこで見たのは『テメェの家族を連れてこいもっかい殺してやるからよ』と言いながら女性の身体を潰した男

その男は女性を潰したあとに『ここは俺が七回殺された場所じゃねえか!?』と不思議なことを口にした。

この物語は街の記憶と怪異が織りなすミステリーアクションアドベンチャー

君は真実に辿り着けるか!!

〜名無しの君と街の嘘〜

十月七日ミステリーの日に怪異視点バージョン人間視点バージョン同時発売

『君は見てはいけないものを見てしまったのだよ』

プツリ


はぁ、またこのCM……いくらシリーズ四十周年記念の作品だとしても流しすぎでしょ。

俺はこの"怪異街ミステリーシリーズ"自体は好きだから当然新作の名無しの君と街の嘘も買うつもりだ。

だけど流石に同じCMを流すにも限度があるでしょ……買って欲しいのは分かるよ、分かるけど……流しすぎて呆れられて買われなくて次回作が出なかったら俺が嫌だ!!

買ってもらうならCM以外にもあるでしょ!!

長年愛されてるならグッズだしたり、本を出してみるとか……コラボとか……ううんそれは難しいかな

「君はどう思う?」

「お願いします殺さないで!!」

「だ〜か〜ら〜俺は君にどう思うか聞いてんの……意味分かるか?」

「……答えようにも私は何について聞かれたのか分からないのどう……」

「もういいやめんどくさい」

「いやだやめて……やめてください!! いやぁぁぁぁぁ」

グサッ

「た……す……けて」

「いいねぇその絶望した顔……唆るねぇ、あははは……その顔が見たくてすぐ死なねぇ場所を刺したんだからなぁ!! もっともっと見せてくれよ」

グサッグサッグサッ

「い……や」

「あはははは〜〜っ本当最期まで楽しませてくれてありがと。じゃあねぇ」

俺は家に戻った。

俺の名前は浪川佑(なみかわたすく)もちろん偽名だがな。

この偽名は自分で考えたやつだ。

だから本名はそこまで大事じゃないと俺は考えている。

なぜなら俺は捨て子で本名を知らないからだ。

俺を拾ってくれた人は兼島優(かねしますぐる)殺し屋だ。

兼島には後継者が居なかった……そんな時に赤子の俺を見つけた。

その時の気まぐれで俺を拾ったようだけど、俺からすれば……拾った人がどんな人であれ"拾ってくれてありがとう"だ。

俺は兼島の期待以上に成長した。

俺は兼島を殺し名目上は後継者となった。

だが俺は……あの時の兼島の『馬鹿みたいに成長しやがってクソガキが……』と絶望した顔がとてつもなく唆られた。

あれから九年俺は他人の絶望した顔を見るために依頼で受けながら趣味でも殺しを続けた。

「はぁ、飢えている……俺は飢えている絶望の顔に!!」

一人で叫んでても虚しいな……早く、早く次の相手を見つけなければ!!

コンコン

ガチャ

「依頼をしたいのですが、ここが浪川相談所で合ってますか?」

「はい合っておりますよ。それでご依頼とは?」

「はい……この家のお掃除を」

「……お掃除ですね、了解致しました。依頼料と致しましては二千円ほどとなります」

「いいんですかそんなに安くて!?」

「いいんですよ。私は困っている人の助けになれることが喜びなのですから」

そんなの嘘に決まってるだろ

ガサゴソ

「ではお願いします」

「はい、私にお任せくださいませ」

ガチャ

「ご依頼ありがとうございました」

今回の標的は朝霧忍(あさぎりしのぶ)この街の市長だ。

だが一番驚きなのは依頼人が朝霧忍の右腕であり一番信頼されている男の昼田春輝(ひるたはるき)だったことだ。

あの二人を見た感じ信頼し合っているように見えたが……まあいい、どんな唆る顔をしてくれるかどうかだよなぁ

とっくに家は特定してるからあとは殺しに行くだけだな


「なあエギル……お前また下界を見てるのか? そんなに見て面白いか?」

「いやぁ、今回いいやつがいてな……そいつをもう一つの世界に転生させて人間を減らしてもらおうと思ってな」

「そうだったな、お前の管理する地球以外の世界の人間族が人間族以外を殺しまくって困ってるって言ってたな」

「そう!! そうなんだよ人間族が生意気でな俺の言うことも聞かないわ他種族殺しまくるわ増えまくるわで……まだゴキブリの方が可愛いぐらいだよほんと」

「ならさエギル……そいつをどうせ転生させるなら魔王にすりゃいいんじゃねぇか? 周期的にもうそろそろだろ」

「言われなくても最初からそうするつもりだ。だけど提案してくれてありがとなラファール」

「いやいやお礼なんてするな……ならさ…………」

そして俺とラファールはこの人間をどんな魔王として転生させるかの議論を重ねた。

議論の結果見た目は頭に角をつけて強さは強化なしで人間の頭を指一本でミニトマトをプチュリと潰せるほど強化ありだと指を突き刺しただけで富士山ほどの山を丸ごと抉れるほど、素の状態で人間の身体が恐怖で動けなくなるほどの禍々しいオーラ、どんな物でも武器として使えることにした。


「朝霧忍市長……これはどういうことだ」

俺が見たのは朝霧忍が依頼人の昼田春輝を殺してバラバラにしているところだった。

「君だね昼田から依頼を受けた人は……まあ同業だろうから"今回は"見逃します。私はこれからも皆が笑顔で暮らせる世の中を作る(まあその"皆"とは殺人者のことだけど。政策の結果世論では『市長は朝霧忍以外あり得ない』と言わしめるほどに……度々昼田とは話が噛み合ってなかった。それ自体は別によかったが、あいつは殺人以外の犯罪をしてるくせに殺人を馬鹿にしやがって……流石に看過できん)」

同業か……余計にどんな顔をしてくれるのか楽しみだ

俺が楽しみにしていると俺の身体が突然光り始めた

「「なっなんだこの光は!!」」

俺たちが驚いていると光が止んだ……その瞬間俺の身体が誰かと一緒に食べるためにパキッと割った板チョコのように切れた。

そして目が覚めると目の前には二人の男が立っていた。

「お前には俺が管理する別の世界で魔王として転生してもらう」

「おいエギルちゃんと目的を教えてやれ」

「ごめんごめん……こほんお前には人間族を殺してもらう。半分以上は確実に減らしてもらいたい。力は与える……どうだ?」

「人間を殺す……どんな方法を使ってもいいのか!?」

「どんな方法でもいい……お前がいつもしている方法でな」

「そうか……あっはははどんな方法でも、楽しみだ!! その依頼受けるぞ!! さっきの言い方からしてずっと見てたんだろ。まあそう思ったからいつも通りの話し方をしたが……依頼を受ける時の方が良かったか?」

「いや話し方はどっちでもいい人間族を殺しさえすれば」

「任せてくれ!! 絶望の顔が見放題の天国に行けるんだからな、本気で殺ってやる」

「「それじゃあ行ってこい!!」」

それから五年が経過した

「お前が魔王だな!! よくも仲間を殺したな!! 今日こそ殺す!!」

「ふははははあいつらは本当に唆る顔をしていたぞ!! 貴様たちにも見せてやりたかったな……そういえば顔の皮を剥いでいたんだった」

俺はそう言ってあいつらの仲間の剥いだ顔の皮を被った。

その時の奴らの顔ときたら……殺してもないのに唆られるなぁ

俺は魔王……一人で人間族の半数の約五十億人を殺した歴代最強の"名無しの魔王(アノマニスセイテン)"

これは人間を殺すのが好き一人の元人間の魔王と人間族に呆れ果て消えて欲しいと願う二柱の神の世界を変える物語


おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

名無しの権兵衛ってなんだろうとふと考えた時に思いついて書いた話です

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