キクチマツリ
まぁ、とりあえず勢いということで。
キクチマツリ
1
「菊池茉莉さん。今日は5時間目が化学の授業なので、昼休みが終ったら、化学室で準備をお願いしますね」
クラス委員長の高論夢が、化学委員の私に昼休み前に命じた。
高委員長はなぜかクラスメイト、いや周囲の人全員をフルネームで呼ぶ。
「小野二四男先生。クラスの進路用紙です」
高委員長は、小野先生にそう言って私たちのクラスの進路用紙を渡す。
私、菊池茉莉は高校2年生。夏休みを控え、進路用紙を提出した。
2
「まつり~。夏休みどうする~?」
「決まってるじゃん。部活漬けだよ!」
「そっか~」
クラスメートの女子から言われる。
「菊池さん。バスケ部の男女とバレー部の男女で、体育館の使用についての話し合いについて、出てくれないかな?」
その後、男子バレー部の部長をしているクラスメートから言われた。
私は女子バスケ部の副部長だからだ。
3
このように仲のよい女子からは「まつり」と呼ばれ、男子からは「菊池さん」と呼ばれる。
まぁ、普通のことだよね。
ところが、高論夢は誰彼かまわず、相手をフルネームで呼ぶ。
夏休みが終わった頃、なぜか私に対して周囲の人々はフルネームで呼び始めた。
「菊池茉莉~。今日は部活ないよね。帰りちょっと遊んでいかない?」
「菊池茉莉さん。明日の体育館の使用についてだけど……」
ちょっと待って! なんでみんな私をフルネームで呼ぶの!?
私は帰宅した。
4
「お帰り~。菊池茉莉。今日の夕食は菊池茉莉の大好きなエビチリよ~」
だから、ちょっと待って! お母さん! お母さんも菊池じゃん! なんで娘をフルネームで呼ぶの!?
「菊池茉莉姉ちゃん。オレのスイッチ、どこにあるか知らない?」
「ただいま~。おぉ、菊池茉莉。今日は早いんだな。部活は早く終わったのかい?」
弟や父まで私をフルネームで呼ぶ。
一体これは何なのか?
5
「不思議そうね。菊池茉莉さん?」
翌日、委員長の高論夢に言われた。
彼女だけが私をずっとフルネームで呼んでいた。(高論夢は女子設定です。今さら)
「知ってる? キクチマツリって?」
「キクチマツリ……?」
「今、噂になっているのよ。もっとも本格的な噂になったのは、今年(2024年)の7月ごろからだけど」
「それが何なの?」
「キクチマツリに参加すると……」
「参加すると?」
「アホの子認定されま~す!」
「じゃあ、これもそうじゃん!」
キクチマツリ 了
実際にいそうな名前ですね。
ユーザ様やユーザ様の知り合いでいらしたら、あくまでギャグとして許してください。m(__)m
ちゃんとした(?)ホラーは、今週中に予約投稿済みです。
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