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神様と転生と衝撃

刺し殺された男、坂口春斗は、ふと目を覚ました。

彼は慌てて自身の上半身をまさぐるが、刺されたはずだった彼の体には一切傷口がなかった。


「どうなってる…?」

彼は混乱しながら呟き辺りを見回すと、そこは何もない、ただ真っ白な世界が広がっていた。


「やっと起きたかな?坂口春斗よ」

突然声がし、驚きながら声をした方を見る。

そこには1人の男性が立っていた。

白い衣に自身の身長程の杖を持ち、後光が刺している。


「神様……?」


「ふむ、その通りだよ」

まさか神様が目の前に現れるなんてと、驚き目を丸くしたが、すぐに合点がいった。


「やっぱ俺は……」


「君が思っているとおり、君は死んだんだよ。

それも我々の手違いでね」


「は?」

神様の言葉に、ポカンと口を開ける。


「すまない、君は女性に殺される運命ではなかったのだよ、その運命は他の男の物だったんだ。

君には大変すまないことをした、謝罪させてくれ」

神様は小さく頭を下げる。

謝罪された春斗は恐縮したように自身も頭を下げた。


「あー、いえ、大丈夫です。

なので頭を上げて下さい」


「そうか?君がそう言うなら」

神様は頭を元に戻すと、言葉を紡ぐ。


「坂口春斗よ、この度はこちらの不手際だ。

元の世界へそのまま返す事は叶わないが、記憶を持ったまま、転生させてあげようと思う」

春斗が良く読んでいた漫画やアニメの様な転生をさせると、告げて来る神様に、春斗は首を振った。


「いえ、手違いとはいえ、死んだ身です。

俺はこれを受け入れ、天へ返して欲しいです」


「何!?いや、君はそう云う創作物を読んで見て、望んでいたではないか」

何故か焦った様な声色で言ってくる神様。


「そりゃ、憧れとかありましたけど、魔法のある世界が現実になると、違うなって思って」


「ならば、君の居た世界の様な、平穏な場所ならば……」


「んー、それも無しで。自分は十分に満足しましたし、彼女の件以外は」


「う……ぬぅ……」

呻く様な声を出す神様に、春斗は笑って頭を下げる。


「気を遣ってもらってありがとうございます。

でも、それだけで本当に十分です」


「君は、そう!君はもう一度、趣味のコスプレを……」


「確かにそうですが、本当に大丈夫ですよ」


「頼む!君を転生させてくれ!でないと間違った運命を渡した私は他の神々に示しがつかんのだ!」

土下座せんばかりの勢いで言ってくる神様。

そっちが本音なのかと、心の中で思ってしまう。


「でもなぁ……」

憧れはあるが、正直転生するのは遠慮したい春斗。

そんな春斗に、神様は痺れを切らせた。


「えぇい!こうなれば強行するのみ!勝手な事をしてすまないが!」

強行すると言いながら、小さく謝罪する神様。

彼は持った杖を高々と持ち上げる。


「え!?ちょっ……待って!」

神様の持った杖が光、その光が春斗を包み込んでいく。


「坂口春斗よ、君を平穏な世界へと転生させよう。

恐れることは無い、私は責任を持って見守るからな」


「そんな!俺は肯定してな……」

春斗の叫びも虚しく、彼は光に包まれて消えていった。


「すまない、坂口春斗よ」

神様は居なくなった彼に、また1つ謝罪の言葉を述べて、自身もその場から立ち去るのだった。



「う……うー……」

光に包まれ、気を失った春斗が目を覚ます。

そこは先程の真っ白な世界ではなかった。

すぐ側から、優しく甘い柔らかな感触がする。


「あ、目を覚ましたわ」

聞いたことの無い女性の声が聞こえる。

顔をそちらに向けると、全く知らない女性がいた。


「うー……?!」

目を白黒させながら、声を出そうとするも、全く言葉が喋れない。

混乱する頭で思考を巡らす春斗の体が、誰かに抱き上げられた。


「あ~、可愛いなぁ、君に似て目がぱっちり二重で」

抱えたのはこれまた知らない男性。

軽々抱えられた春斗は、ようやく状況を理解する。

彼は本当に生まれ変わり、今は赤ちゃんなのだろう。


「うー……」

理解したところで、喋ることも動く事も出来ないのだが。


「口元なんかは貴方に似ているわよね」


「そうかな?」


「そうよ。でも本当に、元気に生まれて良かったわ」


「本当にそうだな」

ニコニコと両親が笑う。

それだけで、転生したのは間違いじゃなかったな、何て思う。


「しっかし、本当に可愛い。陽介は男の子だったけど、遥は『女の子』だし」

父である男性の言葉に、春斗はキョトンとしてしまう。


「えぇ、優しく可愛い『女の子』に育って欲しいわね」


「うー…?(女の子?)」

2人の言葉に、春斗は自身の性別を理解する。


「おぎゃ……おぎゃあぁぁぁ!!(俺……女の子になってるぅぅ!!)」

春斗の叫びは大きな泣き声になって室内に響き渡った。

こうして、坂口春斗の新たな人生は衝撃の内に始まったのだった。


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