家出少女を拾ったんだが・・・
底辺労働者の陸奥陸男は、見切り品を買いに住んでいるアパートの近くの駅前のスーパーへ買い物で歩いて出かけた。
(今日もフライものがあるかな。5割引きでいいけど3割でも買うか)
安いものを買える&おいしいもので頭の中はいっぱいで心地よかった。
「あのっ」。かわいい声が後ろから聞こえたが俺じゃないだろと、スーパーへの歩みを止めなかった。
すると、「あの、家に泊めてくれませんか」後ろから早歩きで追いかけて俺の目の前に現れたのはアニメに出てくるような、かわいいらしい制服を着た女子高生だった。困ったような潤んだ目で俺を見つめてきた。
(かわいい)
一瞬、体の細胞全部が活性化するような高揚感に包まれた。
「あの、申し訳ないんですけど一晩泊めてくれませんでしょうか?」
俺は一瞬、天に昇っていたが現実に帰ってきた。
(いきなり、相手からそんなことを言われてもなあ。なんなんだ新たなる美人局か?)
「ごめんなさい、ちょっと忙しいんで」
一度は俺は断った。それからスーパーで買い物をした。「今日は半額の唐揚げ棒をゲット」アパートに帰ろうと帰路につこうとした。
それからどこかにあのJKは立ち去って行ったと思ったら、まだ駅前で泊めてくれる人を探していた。
「あの君まだ探しているの。」俺はよせばいいのにJKに声をかけた。
「やっぱり泊めてくれるんだ。」
「い、いやぁ」
「これからなにするの?」
「家に帰るんだよ」
「家近いの?」
「家は駅の近くそうだけど」
「じゃあついてく」
「冗談はやめてくれよ、家があるなら家に帰りなよ」
俺は速足でその場を去ろうと、急いでその場を去った。
「まさかぁ付いてきてないよな」
しばらく経って、後ろを振り返る
「あのさー本当についてこないでよぉ。」
少し困ったやさしい口調で彼女を咎める」
「えーいいじゃん。」と彼女が去ってくれる雰囲気はない。
今思うと、たらればだがあの時俺は本気で怒って追い返せばよかったのかもしれない。
「きみ、けっきょく来ちゃったんだな」そのJKは俺のアパートの部屋の前まで付いてきた。
「おねがいっ泊めて!」
「ああ、だめだめ」
「おねがい」
しつこく粘るJK。
「いいじゃない泊めてよ・・・・」
「そもそも君の親が心配しているんだろ」
「ちょっと親のことは言わないでくれる」
「だからさ、きみ未成年だろ、家に帰れよ」
すると、彼女は俺の服をつかんだ。
「は、離せよ」
10分くらいそうゆう言い合いが続いた。
あの時、力いっぱい振り切ってアパートに入ってドアを閉めておけばと今は後悔している。
すると、
「ちょっと陸奥さん、他の部屋の人から痴話けんかの声が大きいってするんですけど・・」
すると階段の下から大家さんが声聞こえる。
かっかっ階段を上がってくるみたいだ。
「あっ、やべ」
「ちょっと君部屋入って」
「うん」
とっさに彼女を部屋の中へ入れた。彼女は俺のアパートの部屋に入った。
「あ、すいません。彼女とけんかしちゃって」
「陸奥さんの彼女なの、ケンカしちゃーだめよお」
「もう、彼女の機嫌もよくなったんで大丈夫です」
「わたし、あなたの彼女みたいんだけど」
部屋の中を覗こうとする大家。
「いや、彼女は恥ずかしがり屋で部屋の中に入ってもらってます」
「わたし、あなたの彼女見たかったんだけどね」
「すいません、また紹介します」
なんとかして大家は帰って行った。
「おい君、出て行ってくれないか?」
「えーっ、お願い。」
彼女が潤んだ目で俺に訴えかけてくる。ああ、これがよくアニメに出てくるお願いを頼む表情か。
「今夜だけでいいからさ泊めてよ」
「困るな、俺だって男なんだよ」
「男だったらなにするの?」
「いや、それはやっぱりね」
「ねえ、泊めてよ、もちろん体で払うから」
(えっ!やっぱりJKとできるの?)
「まあエッチなしなんだけど、それでOKですか」
「もちろん、体なんていらないよ」
(やっぱり、できないのか)
「お風呂いいですか?」
「えw、いいよ」
「じゃあ、風呂の水入れるから」
俺はボイラーの電源を付けて、風呂の栓をしめて、蛇口からお湯を出す。
(これが、女性が風呂借りるシーンか、アニメでしか見たことがない。)
俺が風呂の準備から風呂場から帰ってくると、彼女はスマホをいじっていた。
「風呂、沸かしてきたわ」
「ありがとう」
その後、俺もスマホをいじって時間を潰していた。
2人は無言だったが、なんともいえない様なまったりとした時間が流れていた。
ちょうど、お風呂が沸いた状態になるころ合いになった。
「ああ、風呂湧いたわ」
「じゃあ、お風呂頂いていい」
(風呂ね・・、頂きたいのは君だけどな・・・)
あ、つい本性が・・・。いかん理性で一生懸命抑えんと、未成年淫行で俺の人生だめになるかもしれんからな。
「じゃあ、部屋の前の扉閉めて、そこで着替えるから」
「その前にタオル置いとくと」
(扉の向こうでJKが生着替えするのかあ」
彼女が風呂に入っている予感、何かが変わる兆しを感じるようなワクワク感に包まれていた。
これは、彼女を抱きたい・抱けるかもという希望が少なからず存在してたからだろう。
20,30分は経ったのだろうか、彼女が風呂から出てきた。
「ああ、いいお湯でした❤ ありがとう」
「いや、いいよ別に・・たいしたことじゃないから」
こんなかわいい女性から感謝の言葉を言ってもらえることがない俺にとっては、とても刺激的だった。
「あなたも、この後に風呂に入れば?」
「え?いいの?」
「いいって、あなたの家のお風呂でしょ」
「ああ、ううん・・・」
俺が躊躇したのは、俺がもちろんJKの入った後のお湯に浸かれるということだ。
今思えば、某新興宗教の教祖のお風呂の残り湯が、少量で万単位の金で販売されてたことを思い出して、彼女が入った後のお湯って確実に万単位の価値があったなとしみじみ思いだしてみる。
「じゃあ、入るわな」
「いてら~(いってらっしゃい)」
俺は風呂場に入った。
(いつもの俺のアパートの風呂とは思えなくなってきた)
俺は軽く体を洗って、つま先をチョンと入れてみる。
(これが、JKが入った後か)
とはいえ、ただのお湯だし、切り替えてゆっくりいつもとは違う風呂の時間を楽しむ。
俺は風呂に入り終わって、部屋の前の扉を開く。
「どうだったJKの入った後のお湯は?」
(み、見透かされていた。最近のガキは)
「ど、どうでもねえよ、べつに」
俺の心臓の音はバクバクしていた。
「べ、別に」
「ふーーんー」
年上の俺に向かっていじるような態度をとる彼女。
「いや、よかったよ。女の人の入った後の風呂なんて入ることないし」
俺は、一応女としてみるという意味を含めてこう返した。
「ちょっと涼みに外に行ってくる」
彼女は外へ出て行った。
(今、扉を閉めて鍵を閉めれば・・・)
もちろん、いろんな考えから決断して実行するわけがなかった。
1~2時間して、彼女が帰ってきた。
「は~ぁ、じゃあ、もうそろそろ寝かせていただきましょうか。お願いします。え、でも布団ないよね?」
「本当に止まっていくんだな」
「なにか、したい?」
「いや、別に布団は来客用のやつがタンスにあるからそれ使えよ」
「ついてるわ、あたし」
「まあ、俺の部屋は、モノとかすくないけれど2つふとんを敷いたらギリギリだな」
「いやぁ~本当についてるわ、わたし」
俺たちはふとんの準備をする。
「あの、もう寝るかい」
「じゃあ、寝ようかな」
「電気消すぞ」
「いいよ」
カチッ 俺は部屋の明かりを消した。
「ねえ、わたしのこと抱きたいんでしょ」
「えっ、いや」
「抱いてもいいよ」
「いや、そんなお前、本気で抱いてほしい口調じゃないぞ」
「なんで家出したんだ?」
「親がうるさいのよ、勉強しろ、塾行け、友達と遊ぶな、スマホ使うなって」
「そりゃ、大変そうだね」
「わたしだっていろいろ自由にやりたいことがあるのよ」
「そうか、わかるよ」
「わかってくれるの!」
「いや適当に返しただけだけど」
「胸揉ましてあげる」
「えっいいよ。1回胸だけ」
俺はゆっくりと、まだ成長しきってはいないだろう小さな胸を揉んだ。女の胸ってこんなに弾力があるのか?俺は続きをしたい気持ちでいっぱいだった。
「ちょっとこれ以上はしないでよ。」
「う、うん、ちょっと外へ出てくる。」
俺は外の冷たい空気に当たって気持ちを取り戻そうとしていた。それにしてもあのJKの胸柔らかかった。
そうして、一晩、健全に過ごし彼女と別れた。
そして、別れた夜にまた見切り品の商品を買いにスーパーに行くと彼女を見かけた。
「今日も泊めてくれる?」
「いや、今日は帰りなよ。」
「えっ!いいじゃん。」
「だめだよ親御さんが心配する。」
「また、あの家に泊めてよ」
そこは「僕の家だ えらそうにするな。」
「はぁお前まじにムカつく」
それから数日・・。
俺のアパートの戸を叩く音。
「陸奥さんいますか?」
「新聞なら取りませ――ん」
「いや新聞屋じゃないんでね」
「ちょっと警察ですが」
「け・けいさつ・・・なんで?」
「陸奥陸男だな、警察だ。署に連行する」
俺は無抵抗なまま、両手に手錠をかけられた
刑務所の取り調べで
「君、○○さんと関係を持ったね、しかも泊めてほしいと願う彼女に付け込んで」
「いや、ちがう」
結果的に俺の反論は受け入れられなかった。
俺は刑務所にぶち込まれた。後から駆け付けた母親の話では全国のテレビニュースにも俺のことが流れたらしい。
俺は無実だ。裁判で訴えていってやると思った矢先。
「陸奥さん、あなたを釈放する。」ある日突然刑務所から釈放された。なぜ俺が釈放されたのか意味が分からなかった。刑務官の人に聞くとあのJKが虚言を張っていたので釈放してほしいと訴えに来たということ。
俺は出所できたわけだが、これはこれで後でワイドショーのネタになった。世間にも反論したかったが。俺が罪をかぶればいいのかなと思った。
未だに俺の名前を検索エンジンで検索すると出てくる。たぶん、一生消えないな。これがデジタルタトゥーというやつか。