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リスナーは壁〜超陽キャのVtuberがド隠キャVtuberに恋をした〜  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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20/50

看板ライバー茉莉花

 

 意外といい意味のカードが出たってこと?

 驚いていると、唄貝がもう一枚引くと「審判の正位置ですね」と俺の方に差し出した。

 

「精神的な成長や新しい出会いや再出発などの意味があります。甘梨さんにとってはいい流れみたいですね」

「そうなのか……」

「はい。でも不安定ですね。話し合いをするなら、早い方がいです。でも、織星さんは――『太陽』。うん、見た目通りの人ですね。裏も表もない人です。見たまんまの人です」

 

 あいつ、あのままなのか。

 逆にすげぇ。

 

「相性も悪くないので、エンターテインメントとして恋愛がどうこうっていうのを本人たちがどう思うか、ですかね。正直新しい恋愛の形って言われたらそれはそうだな~、と思いますし」

「確かに。ある意味、今風かもしれない」

 

 会社としても、二人の恋の行方はエンターテインメントとしてリスナーからの指示が広がっている。

 織星のアーカイブはツブヤキッタ――で少しづつ共有され、「恋愛相談が面白い」と若年層から支持を集めるのだ。

 実はワイチューブは年齢層が上がるほどに広告収入割合がアップする。

 そのためぶっちゃけると若年層はあまり直接的な収入源として微妙。

 しかし若年層の拡散能力はどんな年代よりも最強。

 若年層から上の世代に興味を持ってもらえれば、スパチャも増えるだろうしガンガン拡散してもらいたい。

 織星とアマリ……甘梨リンへの恋模様は、少女漫画や恋愛ドラマをリアルタイムに鑑賞している感じなんだろう。

 そういうのは「片思いの時が一番面白い」のだ。

 アマリと織星の相性も現状も悪くなく、織星自身も裏表のない誠実な男。

 しかしながら、そのマジな恋をエンターテインメントとして提供するのはいいことなのか。

 

「お疲れ様~。唄貝くん、今日はよろしくね」

「よろしくお願いします」

 

 そんな時に、茉莉花がスタジオに入ってきた。

 友達の部屋の掃除に行くと言っていたが、着替えて髪型まで変わってる。

 気持ち、化粧も変えてきたか?

 

「あれ、なんか午前中と服やメイクが違うな?」

「うん。思ったより掃除に時間がかかったの。友達の浮気彼氏の証拠写真撮って、弁護士紹介してきれいに掃除してきたの。ガン泣きされて服が鼻水と涙でぐしゃぐしゃになってきたから一度帰って着替えてきたの。メイクは気分転換かな。香水も変えてきたんだけど、椎名さんどお?」

「え? ああ、うん。爽やかでいい匂いだな」

 

 林檎みたいな甘いのに爽やかな匂い。

 うん、こういう匂いは好きだ。

 

「えへへ。そうでしょう? 多分こういうのが好きだと思ったのよね」

「でも、茉莉花はジャスミンの匂いが一番好きって言ってなかったか?」

「……覚えてたの?」

「そりゃ、茉莉花のライバーネームはジャスミンの花が好きだからって言ってたし」

 

 と、言ったら、やけに嬉しそう。

 うちの看板ライバーの茉莉花は、ガワもジャスミンの花がイメージ。

 白い五枚の花弁の花。

 茉莉花はガワも香りもそういうイメージだった。

 茉莉花の好きな花だから、そういうガワを希望したのだ。

 名前も、だから茉莉花。

 

「そのくらいは覚えてるさ。茉莉花は大事なビジネスパートナーだしな」

「……あー、うん。そうね!」

 

 なんか今一拍変な間、なかった?

 気のせいかな?

 

「それじゃあ始めましょう。これ、今日の台本」

「え、茉莉花さんが台本作ってきたんですか?」

「ええ、自分の番組だから、台本は自分で作るようにしているの。台本が作れると他の箱のライバーとのコラボでも重宝するから、作り方教えましょうか?」

「いいんですか!? ぜひ!」

 

 唄貝が思いの外食いついた。

 茉莉花は後輩に頼られるのも嬉しいらしくて、今日一番嬉しそうな顔をする。

 こういう世話好きなところも、大手の箱と何度もコラボする秘訣なんだろうな。

 

「ところで唄貝くんって呼べばいいのかな?」

「好きに呼んでください」

「じゃあ唄貝くんって呼ぶわね。……わたしも今度占いしてくれる? お金払うから」

「え? あー、自分の番組でもしませんでした……?」

「今度は私生活の……私情! 唄貝くんの占い番組では仕事運を占ってもらったでしょ? でも違うのよ。私生活を占ってほしいの」

「ああ……別にいいですよ」

「茉莉花、なにか悩みでもあるのか?」

 

 え、と驚いて台本を一度テーブルに置きながら聞いてみると、茉莉花は謎にムッとした表情。

 仕事のパートナーなんだから、たとえ私生活のことでも仕事に支障をきたしそうなら相談してくれてもいいんだぞ、と言うが「大丈夫よ」と唇を尖らせるた。

 あれぇ?

 

「なるほど」

「え? なにが?」

 

 俺にはわからないが、唄貝は茉莉花の悩みがわかったのか謎に頷いた。

 やはり占い師っていうのは普通じゃわからないものまで見えるのだろうか。

 心底不思議そうに唄貝を見ていたが、すぐに茉莉花に「ここにSEを入れてほしいの」と台本を指さしてきた。

 おっと、いかん。

 打ち合わせの最中だった。

 

「あとはいつも通り字幕を編集で入れてもらえれば、大丈夫だと思うの」

「うん、大丈夫だと思う」

「唄貝君はなにか質問あるかしら?」

「結構アドリブあるんですね……不安です」

「そう? フォロー頑張るわね。動画編集するから、カットしてほしいところとかあったら椎名さんにお願いするといいわ」

「わかりました。よろしくお願いします」




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