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リスナーは壁〜超陽キャのVtuberがド隠キャVtuberに恋をした〜  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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甘梨リン、デビュー 1

 

「アマリ、デビュー日決まったよ」

「っ!」

 

 アマリがVtuberを目指すと決めてから半年。

 すっかり年の瀬になってしまった。

 しかし、だからこその朗報。

 家に帰ってアマリの部屋の扉をノックして、そう声をかける。

 ヘッドフォンを首にかけた状態で部屋から出てくるアマリ。

 目を見開いて、なんとも言えない顔で見上げてくる。

 

「お、お帰りなさい。デビュー日、い、いつ!?」

「明日」

「なんと、一月十日、十八時!」

「えっ、えーーーーっ!」

 

 一月十日はだいたい休んでいたライバーも復活し、社会生活も元通りになるためワイチューブのVtuber界隈にリスナーが戻ってくる。

 そして十八時頃は夕飯時。

 夕飯を作りながら、食べながらワイチューブを見るご家庭が多い。

 あと二週間ほどなので、一週間後にツブヤキッターで告知が行われる。

 

「なのでツブヤキッターとワイチューブにアマリのアカウント……えっと“甘梨リン”のアカウントも作る。それ用のメールアドレスはもう作ってあるだろうけど、ヘッダーとアイコンも確認しておいて、ツイート内容とかも一通り考えて一応金谷に見てもらっておいてくれ。初配信内容はOKもらってたよな?」

「う、うんっ」

「公式が呟く内容も多分チェックしてくれって言われると思うからそれチェックしてな」

 

 普通の事務所はそこまでしないと思うのだが、今回の『十二ヶ月連続新人デビュー計画』の最初の一人であるアマリには事務所からかなりの期待が寄せられている。

 なにより一番念入りに準備してきた。

 ボイスもグッズの販売準備も万端。

 いつでも公開可能になっている。

 

「うちは小さい事務所だし、思ったように登録者は増えないかもしれないけれど、金谷も俺も先輩ライバーも力になるからなんでも相談して。一緒に頑張ろうな」

「っ……うん」

 

 今、アマリはようやくスタートラインが見えてきたところだ。

 Vtuberはいつまでも続けられる職業とは言えない。

 無数に生まれ、瞬く間に消えてしまう。

 生存競争は激しく、大手の箱でさえ“卒業”していくライバーが出る。

 大手箱のおかげで一般の認知度も上がり、生存率は年々上がっているが一年続けて登録者数が百人そこらで収益化できず食べていけないライバーが大半だろう。

 うちは弱小にしては茉莉花と夜凪のおかげで収益こそ出てないプラマイゼロ状態。

 ある意味、今回の『十二ヶ月連続新人デビュー計画』は社運を賭けたビッグプロジェクトと言えるのだ。

 

 

 

 ――そして、ついに運命の日がやってきた。

 一人では不安、とのことで甘梨リンはスタジオで配信することにした。

 準備も万端。

 一月十日、十八時。

 

「どどーん! 初めまして、みんなようやく会えたね。余り物には福がある、りゅうせいぐん☆新人バーチャルライバーの甘梨リンです! 初めまして……!」

 

 緊張で声が震える中、甘梨リンの初配信が始まった。

 待機人数は二十人。

 世界でたったの二十人だが、甘梨リンを見にきてくれた最初の二十人。

 しかし、そう思ったのは最初の数秒。

 二十一、二十五、三十、と時間が進むごとに増えていく。

 実は直前に茉莉花を始めとする事務所ライバーが全員でコラボ配信を行い、自枠で『十八時から新人さんがデビューします!』『なんと新人さんから“りゅうせいぐん☆”の重大発表があるからは絶対見てね!』と、宣伝が行われたのだ。

 ありがたい、先輩ライバーたちの枠が終わって、そのまま見に来てくれた人たちが――ついに百人を超えた!

 

「はわ……マジで超緊張する……! ずっとこの時を待ってたんだけどね。えっとえっと、それじゃあまずは自己紹介しますね。甘梨リンといいます。名前だけでも覚えていってくださいね。身長は165センチ。体重は内緒です。配信タグは『#甘梨成長中』、ファンアートタグは『#甘リンアート』、ファンマークは赤りんごと青リンゴです! ファンアートすごく楽しみなのでよろしくお願いします!」

 

 喋り出しは上場。

 半年間、ずっと練習していたからなぁ。

 やばい、涙が……。

 

「ママはるべりおんママです! すごく可愛く産んでくれました。ツブヤキッターとかフォローお願いします!」

 

 うんうん、本当に、アマリのガワを可愛く描いてくださった。

 

「次にやりたいことなんですけど、ゲーム実況中心で歌とかも歌いたいと思っております。ゲームはシミュレーションが多くなるかなぁ。アクションゲームはやったことないから、やってみたいなって。えっと、それでですね。みんなと早く仲良くなりたいので……あみだくじを作ってきました!」

 

 どん! と画面に出るあみだくじの絵。

 真ん中が隠されており、どこに当たるかわからなくなっている。

 三百人を超えた閲覧者数のチャット欄が「?」「あみたぐじ?」「なんで?」「急にどうした?」「あみだ?」「??」「?????」と一気に流れ始めた。

 わかるわかる! 俺も初めて聞いた時は宇宙猫になったよ。

 

「アンケート機能っていうのがあるらしいから使ってみたいなって思って。えっとこれで最初の配信を決めようと思います。『エペックスっていうゲームをやってみる』『カラオケ二十四時間耐久』『マイ・クラ耐久』『ホラーゲーム耐久』。どれになるかはみんなの投票で決まりまーす。はい、スタートを投票してくださいー」




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