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いろいろ  作者: よむよむ
4/27

D坂の殺人事件 著:江戸川乱歩

D坂の殺人事件を読んでみた。


●D坂の殺人事件 著者:江戸川乱歩 角川文庫 定価600円●


先日読んだ「十三角関係 著:山田風太郎」が良かったので、次は同時期の探偵小説の大家の江戸川乱歩氏の著作を読もうということで購入した。5つの短編からなる短編集。



前と同じくメモを取りつつ読み進めることにした。

ネタバレ前提で色々書いていますので、未読の方は以下を読まないことをお勧めします。


そして以下には、手がかりの備忘録と考察や違和感を感じた点しか書いていません。

同じ本を読んだ後なら以下を読んで楽しめるかもしれません。

実は、江戸川乱歩氏の著作は、著作権が満了しているため、青空文庫で無料で読むことができます。

(買った後で知りました。)

また、私の話は常時脱線気味であちこちで本の内容から脱線していき、関係ないことを調べ始めたりしていますのでご承知おきください。


【D坂の殺人事件】

舞台は9月のある夜

・古本屋の細君 体中傷だらけ、DV?、ただし夫婦仲は良いため原因は謎

・並びのソバ屋の細君 同じくよく傷をこしらえている、原因は謎

明智との雑談

・絶対見つからない犯罪 … 何かのヒント?

・谷崎潤一郎「途上」

喫茶店からみた古本屋

・障子が閉まった8:00、電灯は点灯

・その後、30分後から次の30分間で4件の本泥棒

古本屋

・間口4.5m、両側と奥が本棚。真ん中は平置きの島、奥の本棚に間口1mの奥の間(6畳)への障子戸あり

・奥の間の右1m幅は、縁側、庭、便所へ続く、庭への戸は開きっぱなし

・左1m幅は、引き戸、流し、裏口(障子入り)、2階への階段

・店番おらず

・奥の部屋に古本屋の細君の死体、絞殺、左の壁より、店側を頭に倒れている

・浴衣、仰向け…ということは犯人は店側におり、庭の方を向いている細君の後ろから首絞めして、細君は仰向けに倒れた?

・絞殺犯は右手を使った

・死後1時間 犯行時刻は警察の到着時刻を考えると8:30ぐらいか

・上から抑えつけられた…すると細君は、庭側から来た犯人に仰向けに押し倒されて、正面側から絞殺された?

 顔見知りの犯行か?

・ひどい力…犯人は男性?

・亭主は不在 12時に帰宅

・時計屋の主人と足袋屋おかみの証言「物音聞かず」…やはり顔見知りの犯行か?あるいは偽証。

・全身生傷…不倫、性交時にハッスルしすぎて首絞めに至った?


 なんか満島ひかり主演のNHKのドラマで見たことある話のような気がしてきた


・電燈スイッチの指紋、明智が触れた。明智の指紋のみ。

・裏の路地の角のアイスクリーム屋の証言「出入りするものなし」

 …実に怪しい、夜分に人通りが絶えたところをずっと見ていたりするものか?

・刑事の推理 犯人が路地周辺の長屋に潜伏、もしくは借家人が犯人

 …つまり、この刑事の推理はハズレ

・古本屋から1軒おいて隣の菓子屋主人が屋上の物干しで尺八を吹いていた、古本屋2階の窓で変事なし

・学生の証言

 …障子の格子で白に見えたり、黒に見えたり、つまり犯人は白黒縞の着物を着用?


 これ、やっぱりドラマで見たことある。満島ひかりが明智役をやったやつだ。犯人は忘れたが。。


・細君の生傷は古本屋主人によるもの、証言に躊躇…細君をかばっている?

・明智が棒縞の浴衣着用…学生証言によると明智が容疑者になるが、ストーリー上それはない


 ん、次は推理編になるが、犯人誰だったけ?

 

 アイスクリーム屋は路地は真っ暗といっている。

 では出入りする者が見落としても不思議はない。

 そうなると犯人の可能性が登場人物に限られなくなる。では、その線はない。

 尺八吹きの親父の証言で2階を伝った出入りはなし。

 二人の学生がおかしいのか?主人公は8時に格子が閉まるのを見たのではなかった?

 閉めた瞬間に店先に学生がいた描写はなかったと思うが、

 すると二人の学生が、奥の間の犯人を見ることができるのはおかしくないか?

・指紋は二重にスタンプされていない。…つまり犯人は指紋を拭っている。

 学生の証言と主人公の話が矛盾。つまり学生が怪しい?

・ソバ屋も裏木戸を使って出入り可能。ソバ屋も怪しい。


 話の流れからすると、犯人はソバ屋か。

 学生の証言は勘違いにすぎなかった。

 結局、刑事の推理が正しかった。

 

 後で録画したものを探すと満島ひかり主演のD坂の殺人事件のドラマを見つけて久しぶりに見直した。

 満島ひかりの明智役はいいなぁ、松永天馬の私役もなかなかよい。このコンビでドラマを見たいな。

 満島ひかり主演で、横溝正史の金田一耕助役を男役でやってくれないかな。


【二銭銅貨】

・賃銀 

…昔は、賃金ではなく賃銀とかいたのか銀本位制?そういえばBANKも銀行であって金行ではないよな。

 調べてみると、金行と銀行の2案があり、語呂がいいから銀行という呼称になったらしい。

 賃金を「ちんきん」と呼ばないよな。お賃金を、「おちんきん」と呼ばないのは誰が決めたのだろう?

 金を「ぎん」と呼んでもいいならBANKも金行と書いて、ぎんこうと呼ばせてもよさそうなのだ。

・泥坊

…泥田坊みたいな書き方だ。泥棒と泥坊で同意であり、使い分けはないらしい。

・高価なエジプト紙巻煙草

…エジプトは煙草が名産?ググったが出てこなかった。エジプトといえば水煙草が有名らしい。

 しかし夏目漱石もエジプト煙草について書いているから、当時は贈答品として有名だったのかもしれない。

・賃銀泥坊、紳士盗賊、口ひげ、べっ甲眼鏡

…なにやら三億円事件(1968年)を彷彿とさせる。本作発表は1923年。

 うーん、銀行振り込みまでは企業の給与支給日は泥棒の一攫千金チャンスだったのかも。

 

 2銭銅貨が容器になるだろうか?重さやペコペコ凹む質感からすぐに見抜かれそうなものだが。

 ものすごい、細工技術がいりそうだ。そのようなものを金属加工業者に発注すると、贋金が作りか貨幣損傷の罪になりそうだ。

 あまり現実になぞらえて考えずに、そこはそういうものだと納得すべきところなんだろう。

・暗号

 なんだろう、五十音表なら5×11のマトリクス、アルファベットなら26か

 1~6の合計は21なので26には足りない

 うん、昼飯から帰ってきて本を裏返したときに、ちらっと見えた数字は1111。

 これはカンニングだな。

 しかし、なるほど2進数か。6文字だから2進数の111111は10進数の63、50音表に対応しているのか?

 手でやると大変だからLiberOffice CalcのBIN2DEC関数をつかってっと。

 Maxで63だと、行と列を表すのではなく、「あ」から順に数字が割り当てられているのかな? 

 なるほど、2進数だからタイトルが「2銭銅貨」か?

 3文字目で53がでてきた。50音表に単に通し番号を割り当てているのではないようだ。

 なんか、ググって50音表を見ていると点字の50音表が2進数を連想させるものになっている。

 まさか、点字?いや、点字を2進数化したもの、、ではあわないな。

 2進数の上3桁が母音で、下3桁が子音か?いや、(6,5)(2,7)ってでてくる、なんだ?

 どっちが母音にしてもMAX5でないと、おかしいが。 

 わからん!

 降参だな。

 

 なんと、点字そのものか!

 しかも、本に載っている点字表と、ググって出てくる現代の点字表は左右が逆ではないか…

 昔の横書きを左から書くのと同じような話だろうか?

 こいつはわからんな。これが初見でわかったやつはなかなかのものだ。

 ちょっと、悔しいな。Google先生のおかげとはいえ、解に近寄ってはいたのだが。

 

 ちょっと、二銭銅貨の謎を初見で解いた人がいないか調べていると、光文社の古い版と思われる文章がでてきた。

 それを見ていると、光文社版のものは「逞しゅうして」が、私が買った角川文庫版では「逞しくして」に変更されてた。現代の言葉遣いに変更されているようだ。

 初見で分かったという自慢はネットでは見られなかった。みんな推理せずに、さらっと読んでいるのか?


 本篇と全く関係ないが、ネットで二銭銅貨について調べていると、物語の内容を丸出しにしているものがあった。

 著作権は大丈夫なのだろうか?

 江戸川乱歩は1965年死去 2018年の著作権改正以前に死後50年経過しているから、2016年に著作権切れになっているのか。

 なるほど、なるほど。

 しかし、角川文庫とかで旧字、旧仮名を新字、新仮名に修正した文章は、二次著作権が発生したりするのだろうか?

 特許庁の見解は発見できなかった。

 しかし、青空文庫は、その程度の変更では著作権は発生せず、したがって出版社の許諾は不要と考えているようだ。

 既に保護対象外なのか。それで江戸川乱歩は、青空文庫で無料で読めた。

 すると黒岩涙香の幽霊塔も無料で読めるのか?青空文庫で読めるようだ。

 中江兆民の三酔人経綸問答も著作権が切れているが、新訳版はネットになさそう。せっかく買った光文社版をなくしてしまったのだ。

 国会図書館のは漢文訓読体でスキル不足だからとても読めたものではない。新訳版をもう一度、読みたいなと思っているのだが。 



【何者】

・私 経済科卒 軍就職

・友人1 甲田 経済科卒 商社就職

・友人2 結城弘一 英文科卒 軍就職 父は陸軍少将 陸軍省軍務局

・結城志摩子 結城君のいとこ


 よくわからんが、当時は4月卒業で9月入社だったのか?


・銃声 少将の誕生パーティー中 22時

・パーティー会場にいたもの 結城少将、同夫人、結城君(書斎へ離席直後)、志摩子、北川(退役将校)、琴野さん、私

・書斎は 階段を降り、廊下を通り、別棟の洋館にある

・第1発見者 甲田

・現場 結城少将の書斎 賊はガラス窓をガラス切りで破り侵入 泥足 

・結城君は足首を負傷、拳銃で打ち抜かれた


 これも読んだことある気がしてきた。結城君は軍へ入ることが嫌で、狂言で足首を打ち抜いたのではなかっただろうか?


・少将は金庫を調べ、許嫁の志摩子は冷淡、下男の常は窓際で座り込む


 老人は座り込んで何かを隠したのではなかったか?


・財布盗まれず、盗まれたものは 金製置時計、金製万年筆、懐中時計、煙草セット

 

 やはり犯人は結城君だったのだろう。


 あかん、やっぱり知っている話だった。犯人は結城君であった。

 NHKのドラマで見たのやもしれん。

 やっぱり満島ひかり主演のNHKドラマの録画を残してあった。

 再度、視聴してみたところ少し違うのは、ドラマ版ではパーティーの会場に琴野さんが登場していない。

 金ぴかの琴野光男の演技が笑えた。

 D坂の殺人事件のドラマのほうが、好みだった。

 

【心理試験】

・4章までは犯罪者自身が主体として話が進む。犯罪者は身代わりを有罪となるように嵌めにかかっている。

・5章で明智探偵が登場し、真犯人を看破して御覧に入れると検事にうけあう。

・いかなる方法で看破するであろうか?定番は犯罪者本人しか知らない事実を、会話の流れで自白させることであろう。

・では、その事実はなんであろうか?

・やはり、心理試験の表の中におかしな部分があるのだろうか?心理試験での真犯人の回答結果の表は、不味い刺激後の回答時間が、他より少し短い傾向があるが、そこまで決定的ではない。かえって、回答時間差がフラットすぎる印象は受けるが、それをもって犯人であると特定するに至るほどではない。

・殺すという刺激語に対して、ナイフと回答しているが、どこまでが新聞等、一般人がアクセス可能なメディアで公開された情報だろうか?書かれていない。

・真犯人は、犯行前に被害者宅を訪れて、狙いの金の場所が変更されていないかを確認している。ただし、明智は心理試験の結果の表をみただけで真犯人を看破したと宣言している。やはり、心理試験結果の表がキーなんだろうか?

・いや、しかし、犯人が真犯人と身代わりのいずれかという前提がまず、おかしくないだろうか?閉鎖空間でもないのに。身代わりと真犯人のいずれかがより怪しいかを特定できたとして、犯人であるとまではいえないのではないか?

・あれ、これも観たことある話の気がしてきたぞ。犯行時に倒れた屏風がカギだったか。六歌仙の絵のうち小野小町の部分が破れた点と、屏風の屏風の上下の話があった気がするが、はっきり覚えていない。いずれにしろ、犯人しか知らない事実を使って、自白を誘導するということか。本格推理小説ではないようだ。

・屏風が犯行日直前に運び込まれたもので、屏風の絵が何であるかは犯人しか知り得ない事実であることが、この話のカラクリだった。なんだか、後出しの話をもってこられたようで釈然としない。

・なにが釈然としないかわかってきたぞ。屏風が犯行日直前に運び込まれた点を明智探偵がなぜ知っているのか?現場検証をやった警官か検事が何等かの思惑をもって、屏風がいつ運び込まれたかを調べたものだろう。しかも、調書に書いてある以上、検事もそれを知っていると考えるのが妥当だろう。何の思惑もないのに、どこに傷がついているかまで調書に書き込んだらしい。何のためにそこまで細かく調書を書いたんだという話になる。そうでありつつ、検事はその材料を使って真犯人に対して尋問をしていない。

・さらに、犯行現場に屏風がある点、いつ運び込まれたか、真犯人がいつ犯行現場の下見をしたかという点まで、調書に書いてあって、さらに調書を明智探偵が見た場合に限って、明智探偵はそれらの状況を知り得る。明智探偵は、心理試験の結果をみて真犯人に自白させると宣言したが、そのときに調書をみたとは一言も述べていない。書かれていない。ちょっと、読者としては不意打ち感がある。

・まぁ、調書に関して上記の通り明智探偵が見たのだという前提に立てば、真犯人が絵という刺激後に対して屏風を連想したと回答するのは疑いをもつに足る事項であると思う。


【地獄の道化師】

・道化師を「ドウゲシ」と打ち込むと変換できなかった。ドウケシが正しい読みであることを初めて知った。

・冒頭が「東京市を一周する環状国鉄」となっている。調べると1943年に東京府と東京市を合併して東京都としたらしい。てっきり環状国鉄とは山手線のことかと思ったが、ググっても出てこない。山手線は1925年から環状にはなったようだ。地獄の道化師の初出は1939年。時代的にはあうのか。東京市とか環状国鉄とか、現実に近い異世界小説を作るにあたっては恰好が良い言葉だと思った。

・豊島区I駅の大踏切というのは、池袋駅のことのようだ。

・強直になった死骸などというのは見たことがないからなんともいえないが、江戸川乱歩は戦時下の日本にいたし、読者も似た体験を共有しているので、わかりやすい表現だったのだろうか?今の時代にいきる自分には、ちょっと自発的には出てこない表現だ。

・惰力の法則とは初めて聞いた表現だ。おそらく慣性力のことであろうが。惰性の力という意味とのこととのこと。なるほど、主たる駆動力の供給は停止されているものの、ブレーキ等の摩擦による速度の減衰はありつつも運動は続いているニュアンスを表しているのか。

・「君にもそう見えますか。」というセリフが何やら格好いい。

・大踏切周辺の描写は、猥雑であるもののエネルギーに満ちた若者の国であったころの日本を感じさせるものがある。今、 この描写だけを見て、どこの国を連想するかと問われるとインドである。

・「気ちがいだ。気ちがいの眼だ。」というセリフが出てくる。巻末に但し書きがあり、現在、不適切な言葉とされているが、「気ちがい」はダメで、「狂人」や「気がおかしくなる」が良い理由はなんだろうか?「気ちがい」は放送局にクレームがあり放送禁止用語であったものが、差別語と転じて理解されるに至ったのが経緯らしい。クレーム内容は、精神病からの回復期にある人が放送でその言葉を聞いた時に気分を害するため、放送をするべきではないという話とのこと。気ちがいがダメな理由は分かったが、それなら「狂人」や「気がおかしくなる」であっても、語がメジャーに使われるか否かの違いはあっても、回復期の人が気分を害する点では同じでないか?気ちがいには侮蔑のニュアンスが特別に含まれており、狂人や気がおかしくなった人にはそれがないということか?あまり差が感じられないが…、統計的にみるとそうなっているのか?相対的な違いを表す形容詞であり標準値からのズレを表す形容詞を含む語である関係上、意図するしないに関わらず受け手の取り方次第の印象を受ける。どうも理由になってないように感じる。今の時代は、あの時代であるから標準や平均についての言及は禁じられているということだろうか?気がおかしいも、たいがいな気がする。あえていうなら、「ものの認知や判断において、他者と容易に識別可能な特徴のある者の眼だ」とでも言い換えるべきなんだろうか?冗長でなんのことやらさっぱりわからなくなるが。ま、「気ちがい」については、理由があろうがなかろうが、成り行きでそうなっているので逐一、掘り返して疑うなという話なんだろう。まぁ、とりあえずいいか。同意も賛成もしないが、経緯の理解はした。

・こんなこと調べてたら、いつまでたっても話が前に進まんな。

・やはり、読んだことが在る話の気がしてきた。川沿いの建物に犠牲者の妹が監禁されて、そこから明智探偵が救助するような話ではなかったか。それとも別の小説だったか?結果は、別の小説だった。

・「とつおいつ、ためらううちに時がたって行った。」の「とつおいつ」ってなんだ?「取りつ、置きつ」の音変化とのこと。

・犯人とおぼしき人物、チンドン屋が登場。

・なんだか、この小説は小学生のころに読んだかもしれない。チンドン屋が出てくる小説を読んだことが在る気がする。チンドン屋なんてほかの小説ではそうそう出てこないだろう。しかし、江戸川乱歩の他の小説かもしれない。生まれてこの方、現実にチンドン屋など見たのは、パチンコ屋の広告で一度きりだ。1930年代は、TVもないころであろうから、TVCMの代替としてメジャーだったのだろうか。現代でチンドン屋などが歩いていると、物珍しさに、チンドン屋の後ろに見物人が行列をなしそうだ。

・いかにも怪しい人物、白井清一が登場。職業はピアニスト。チンドン屋と同一人物かのような登場の仕方だが、ミスリード?

・タイミングよく、白井清一が最初の犠牲者宅にいる間に小包が届く。消印があるため郵便を利用した模様。タイミングが良すぎて、逆にそこまで郵便配達員の配達を時間調整できないように思われる。白井清一が犯人とは思えなくなってきた。

・白井は、配達物のおもちゃが持っていた犯行宣言文を、最初の犠牲者の妹に見せないようにした。犯人がそのようなことをする動機はないように思う。白井が犯人とはますます思えなくなってきた。すると、この白井というキャラクタのストーリー上の役割はなんだろうか?

・最初の犯行がセンセーショナルすぎて、メディアの取材陣が登場しないのは非現実的な気がしてきた。こんな事件が起こると、所管の警察署のまわりを取材陣が取り囲み、犠牲者の身元がわかろうものなら、その家族の家を一日中、取材陣が取り囲んでいそうなものだが。

・白井は、明智探偵との仲介者となるのがストーリー上の機能の一つらしい。

・使いの青年がやってきた。犯人の協力者か、犯人その人か?使いの車は妹以外に二人が乗っている。つまり共犯?こんな猟奇的事件を共犯でできるものだろうか?たいていは、どちらか一方が普通に近い感性をもっていて、犯行計画をすり合わせしようとすると、足並みが乱れてしまいそうなものだ。詐欺や暴力団の事件で経済的事情等で利害を共有しているなら納得もいくが。犯行が猟奇的過ぎて非現実的だが、偶々頭の良いサイコパスが二人そろったということだろうか?

・犯人の道化師は、犠牲者の妹を車においたまま、一時姿をくらませた。どうも、車を奪われるとか、車の整備工具で武装を手に入れられて反撃を受けるなどを想像しなかったのだろうか?劇的ではあるが、車に一人残した妹君の行動として犯人がそれを想定外とすることについて釈然としない。この妹君は、そのようなキャラクタとして設定されていないということなんだろうが。犯人がそれを知り得るか?

・我ながら文句が多いな。江戸川乱歩氏からおこられそうだ。

・連絡という言葉を、関連付けると同じ意味あいで使っている。辞書では「別々のもののつながりあい」となっているから正しい使い方だった。日常でそのような意味で使っている人は見たことないが、昔はよく使ったのだろうか。

・犯人か共犯者かはわからないが、いずれか一方がおもちゃの吹き矢の達人らしい。犯人は芸術的石膏像を作れる才能をもち、吹き矢の達人で、1900年代前半の時代に自動車まで持っている。いや、自動車は盗品の可能性があるか。しかし、運転技術はあるようだ。今なら自動車を運転できても何ら不思議はないが、それは当時、メジャーな技術だったのか?

・白井を主体として気分の描写があるから、白井犯人説はないようだ。

・明智探偵がやたら犯人を持ち上げる発言をする点がひっかかる。そう思うかどうかは状況から読者が感じることであって、主人公に犯人をほめたたえさせることで、無理くり、犯人の格上げを受け入れるように読者に迫っているような気がする。天邪鬼なので却って冷める。

・奇人彫刻家が再登場。疑わしい描写があるが、こいつも犯人の一味とすると少なくとも3人以上の共犯になる。ますます、彼らの共通の利益という点で、よほどのリアリティのある話を後で聞かせてもらわないと納得がいかないので、奇人彫刻家が犯人という説はないだろう。

・そういえば、最初の犠牲者の顔は、身元がわからないように潰されていた。

・不断着=普段着

・銘仙とは、平織りのカスリの絹織物

・昔は麻布区に草ぼうぼうの広い空き地があったらしい。

・空き家のあばら家の2階で発見された顔を薬品で焼かれた狂女。しかし、こいつが犯人の可能性を最初から排除して取り扱う理由は?犯人の逃げ道を塞いで、残った一名がこの狂女であるなら容疑者として取り扱うのが順当な判断と思うが、そのように取り扱われてはいない。狂っている演技をしているだけの可能性もありうる。

・この奇人彫刻家はなかなか良いキャラだ。キャラ立ちしている。

・60歳の痩せた老下男が登場。新キャラ。物語もほぼ終わりの段階で登場。

・呻吟とは、苦しみうめくこと。てっきり、推敲と同じ意味かと思っていた。

・犯人は最初の被害者その人であった。これは意外。なるほど、名作と言われても不思議ではない。

・白井が犯人と被害者を結びつけるハブの機能を備えていた。なるほど。

・共犯者は10万円で一時雇いされた人物。当時の10万円は誘拐殺人の協力者になるほど魅力的だったのか?作品の発表年である1939年の戦前基準の企業物価指数は1.466、そして2021年の同指数は732.9であり、その倍率は約500倍。え、じゃあ、当時の10万円の価値は現在の5000万円相当?え、滅茶苦茶、金持ち過ぎない?何やってそんなに稼いだんだ?てっきり真犯人は20代前半の若い女性で、しかも芸術家見習いのような金にならないことやっている人物と思っていたが。。。親が早めに相続させてくれたのか?車を調達できた理由としてはわかったが、一方でどっからそんなに金が出てきたのかという疑問がでてきた。当時は貧富の格差が莫大で、金持ちの未婚女性がお小遣いを貯めたら5000万円相当になったのか?

・共犯者たる運転者は、誘拐殺人に協力している。ダークネットもない時代に、市井の女性たる真犯人がそのような人物を発見するツテはなんだったのか?

・使いの青年=最初の被害者=犯人=狂女であった。しかし、2番目の被害者(真の最初の被害者)の家族であったにもかかわらず、それを見破られることなく男装するとは素晴らしい変装術と声真似の使い手である。さらに吹き矢の達人で、芸術的石膏像の作成者である。色々すごい。しかも体つきは最初の被害者とほぼ同じであるから美しいらしい。今でいえばボンキュッボンだろうか。そんなに多才で魅力的な体つきなら、化粧と作り声で男にもてるぐらい、なんら困難がない気がする。

・最初の犠牲者は、病死(心臓麻痺)のものを身代わりにしたものであった。しかし、死体司法解剖されたはずだが、司法解剖では病死であることはわからなかったのだろうか?ひとまず、当時の検死技術ではわからなかったことにしよう。とりあえず、そういうことにしよう。また、身代わりの人物は急な心臓麻痺で病死して通常の葬儀の習慣でもって土葬になったのだが、土葬になるまで数日はかかるはずである。そして真犯人は、遺族から発信された通常の通信手段(おそらく郵便)によって、その急死を知り得てからでなくては行動開始できない。そこにはタイムラグがある。すると、検死による死亡推定時刻と、真犯人(偽装した最初の被害者)が最後に生存確認されたタイミングとの間に時間的ズレがでないのか?文章中では4日前とされているが、4日もずれた場合に死亡推定時刻に整合がとれるか?当時の検死技術ではわからない範囲のことだった?

・人さらいに使った車はレンタカー?、身分証明が必須だろう。死者が車を借りれるとは思えないので、一時雇の人物の持ち物?あるいは一時雇の人物が借りたもの?いずれにしろ、車ごと崖から転がり落ちそうな場所に停車させることに、一時雇の運転者が同意したのには違和感がある。

・メインのストーリー構造は面白かったが、色々、後付けでいいので理屈あわせしてもらわないと、微妙に納得できない点がある。


以上

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