ウクライナ侵攻後の世界経済 インフレと金融マーケットの行方 著:戸田裕大
本を読みながら考え事をメモしたもの。
感想欄は開けておりません。
●ウクライナ侵攻後の世界経済 インフレと金融マーケットの行方
戸田裕大著 扶桑社新書 発行日2022年7月1日
本屋でぱらぱらめくって、円安に関する項目を読みたくなり購入した。
今、ドルを買っておいたほうがいいのか?という疑問に答えてくれるといいのだが。
結論を自分の中で得たとして、実際に買うところまでやるかはわからないが。
喫茶店や自室で、興味をもったところに、赤線を引きつつ読みながら、考え事を記入。
あとで、改めて見て価値があると思ったポイントはノートに書き写すつもり。
大して見る人もいないと思いますが、一応注意事項。
点をうった後の行は本にその主旨の項目があるものです。
しかし、それ以降の記述は本を読んだ私の考え事です。
もし間違いがあっても、本の作者が間違っているのではなく、私の考え事が間違っているので誤解なきようお願いします。
【第1章】
・米国は2022年秋に中間選挙。
民主党は、負けるんだろう。
次はおそらくトランプか…。安倍さんを失ったのは痛いな。
時代の宰相へと、うまく国際的な人的ネットワークを継承できればよかったが。
・ルーブルは一時的に半値まで下落したが、反発しており、下落前の1.4倍程度。
自国通貨高なので、外貨準備が口座閉鎖で減っても、ダメージは限定的。
株価は下落、約60%。
失業率はあがっているのかもしれない。
どうも、経済制裁でロシアが音を上げるということはなさそうだ。
プーチンが、西欧に向けて「お前らの制裁は効いとらんぞ!」といったのは強がりではないようだ。
勧善懲悪の水戸黄門のドラマのようにはならないか。
そらそうだ。
・中国の銀聯は、自分たちへの二次被害を警戒して、一歩引く程度のスタンス。が、官からやってやれや!という指示が下りたらしい。
民間では浪花節を唸ってもしょうがないか…。
でも、上から言われたらしょうがないからやったるかって感じかな。
言われたほうは嫌だろうな。被害受けたら誰が責任とってくれんの?って話だ。
・SWIFTを中国製のCIPSで代替可能。ロシアを国際決済から締め出すことはできない。
・中国はウクライナから石炭、トウモロコシ、種子油をかなり購入していた。
中国の立場では、ロシアのせいで大迷惑といったところか。
ロシアが短期決戦で、すぐにウクライナを支配下において輸出再開してくれていたら問題なかったが、ロシア軍は全然ダメじゃんという状況。
いつまで続くのって話になるが、ロシアが音をあげるのは人的被害がシャレにならないところまで拡大したとき?。
・経済制裁はブーメラン。米国が経済制裁を強めると、制裁を受けた相手は耐性を備えて、それは米国に返る。
中国が日本に電池材料の輸出規制を敷いた時と同じような話だな。
冷戦構造のように、2つに分かれた陣営に戻るような単純な話でもない気もする。
既に複雑に絡み合っているので、既存のネットワーク中に、新たにまだら模様に独立したネットワークが形成されるイメージになるのか。
・ロシアの構想は、EU、米、中、露、印の五極。印の外交方針は全方位、非同盟。印は大量の資源を輸入するため、露と相性よし。
印が単純に日米のサイドと思うのは、幻想らしい。
そういえば、印はウクライナ戦争開始後も露から資源輸入していたか。
冷静に利を考えて動いているということ。
・ロシアに対して、資源輸出の禁止と、資源価格の低下が経済制裁のポイントとのこと。
実現可能性が低そう。
価格低下って、ロシアの資源輸出の世界シェアを代替できるほど、他国で生産設備を整えてしまうと、ことがおわったあとに露が帰ってくると過剰設備と過剰供給でとんでもない値崩れを起こすのでは。
道徳的にはやったらいいだろうが、誰の金を使って、そんな間抜けな設備投資するか?
・資源なし、経済力なし、軍事力制限ありでは外交力なし。北方領土は帰ってこない。せめて経済力を戻すことが必要。
そらそうだ。
【第2章】
・世界中でインフレが起きている
たしか、第1章でインフレ率が高まるタイミングでロシアが軍事行動を起こしているページがあったが、世界中で起きているとなると、かなりヤバイ状況じゃないか。
・ロシアからの資源輸入の禁止に踏み切れないのは、そもそも各国がロシアの資源を必要としているから。
国土の広さは、埋蔵資源量の多さにつながり、国力だな。ロシア人にとっては先祖の遺産。
ロシアっていつごろ、ウラジオストクのあたりまで進出したのだろう?
先に日本が行けば、日本があのあたりを領土とできる未来もあったんだろうか?それはいつごろ?
Wikiによると間宮林蔵が樺太探検にいったのが1808年。
ウラジオストクは、7世紀末あたりから中国やロシアの領土だったのか。1860年に清からロシアに割譲されたらしい。
江戸幕府がおわったのが1867年。
日清戦争は1894年か。
元や明、清のころに戦争してまで取りたい土地ではないし、とても防衛して領有し続けられるとは思えない。
ちょっと、違う世界線にいっても取れそうな気がしないな。
・今後数年間にわたって、インフレ圧力が続く。
本の中で明言されていないが、ざっくり1~4年で中央値で2年目の末日ぐらいに仮定しておいたらいいんだろうか。
この数値を何に使うかということだが。
・欧州では1年で7.4%の物価上昇
それは高い。4年後には、1.074^4=1.33、
5年後には1.42
5年でざっくり4割増しか。現金貯蓄の価値が3割減。
あれ、これって日本も同様じゃないか?日本のインフレ率って、どのぐらいだ?
総務省統計局のサイトでは、2022年 2月~5月の前年同月比が0,9%、1.2%、2.5%、2.5%
年平均で2019年 0.5%、2020年 0%、 2021年 ー0.2%か。
なんというか、日本円貯蓄万歳って数字だ。
マスコミで大騒ぎするわりには、全然低いな。5%ぐらい行っているのかと思った。
今、ドルの金利っていくらだ?
よくわからんが、2年債利回りが3~4%。ざっくり3.5%なのか。
すると1年あたり1.035^0.5=1.017だから、金利1.7%ぐらいなのか。
135円下回らないと思うなら、とりあえずドル買っとけってことになるのかいな…。
うーん、検索したが本当によくわからん。
・ドル金利は2023~2024年ぐらいまで高水準というのが大方の見方
金利上昇はインフレ抑制、そしてインフレ原因が
①コロナ後の急激な経済回復、
②世界的金融緩和の反動、
③コロナによるサプライチェーン目詰まり、
④米中対立、
⑤ウクライナ侵攻ということなので、
なので、④以外の影響は2年間は続くとみているのかな。
直感的には、そうだろうと思う。
米中対立は四半世紀ぐらいは続きそう。
・世界中で金利上昇局面、理由は景気V字回復と物価上昇
山高ければ、谷深し。景気が異常に上がりすぎると、後退も著しくなるので抑制の必要がある。
ただし、景気をわざと下げるということなので不人気政策と思う。
それができるのがアメリカの強さか。
景気と物価のジレンマ。金利を上げても下げても、文句がでるだろう。
・金利上昇局面では株が下がる
てことは、米株はしばらく下降局面になるのかも。
いつが底かって点が難しい。
落ちてくるナイフはつかみたくない。
金利を下げを市場が織り込むまでが、米株の買い時?
金利以外の要素もあるので、何とも言いかねるが。。
アメリカの政策金利をネットで見ると、ざっくり4~8年程度で上下を入れ替えている。
てことは少なくとも3年ぐらい経ってから、どうしよっかなということか。
大分、先の話だ。忘れそう。
・金利が示唆する世界はデフレ
この章はよくわからん。本文を読むとアメリカはインフレのように読めるが?
・アメリカの政策金利は2023年に3.5%が見込まれている。
日本の政策金利っていまいくら?2022年6月 -0.1%。
ちなみにアメリカは1.75%。
【第3章】
・通貨は力、信用力。日本のGDPは30年横ばい、相対的に衰え。今回の円安は心配。
これから人口オーナスがガンガン効いてくると思うと確かに心配。
がっつり成功体験の罠に嵌って、正常化バイアス効きまくりだから仕方ないが。
なんか、産業に限らずアニメや音楽も20年ぐらいあまり変わってない印象をもっている。
誰もかれも昨日と同じことを明日も明後日も延々続けてる。
ちょっと手直しぐらい。
それで同じレベルの生活をできればいいが、資源国でもないし、まぁムリだろう。
ヨソの分析でこれまでのトレンドに当てはめて、円安の後、円高に振れるってあったりするが、日本の基礎的な力を単純にみると多少の揺り戻しがあっても円安になりっぱなしの可能性もある気がする。
・アメリカが繁栄を続けている理由
ドルが基軸通貨
それゆえ価値が50年維持されてきた
それゆえ世界の資金が流入
それゆえ国の財政潤う
それゆえ企業価値が向上
それゆえ多くの経営資源を保有可能
やっぱ、アメリカ強いわ。寄らば大樹の陰?
・ユーロ、元が基軸通貨の座をうかがいつつある
ユーロ決済、元決済の国際シェアが増しつつある。
ユーロは、いっときドーンと下がったときにEUダメじゃんと思ったけど、そうでもないかも。
PIGSとかブレグジットとか色々ややこしいが。
日経の国際決済シェアのグラフを調べると、ドル決済比率とユーロ決済比率がほぼ同じ月もある。
ユーロ円の最近の推移はどうなってるんだろう。
8年ぶりぐらいにYahooファイナンス触るわ。
2020年ぐらいに117円で底打ちした後、140円前後まであがってる。
EUの金利はここ半年0%のまま。ってことは金利影響抜きに円が下がっている。
まてよ、ドル・ユーロの推移はどうなっている?
2021年上半期で1ドル1.2ユーロが、1ユーロ前後までユーロ高に振れている。
どうも、直感的には変な気がするが理由は何だろう。
てっきり横ばいかと思ったんだが。
なるほど、金利差か。2020年3月にドル利下げで、金利差が1.75%から0.25%に減っている。
その時期にユーロの国際決済シェアが5%ぐらい跳ね上がっている。
なるほどねー。金利かー。効くんだね。
・基軸通貨化はキャピタルフライトがあるので中国は今のところやる気ないみたい。
そういえば、10年ぐらい前に元の外貨取引できるか調べたらできなかったが、今はどうだろう。
できるらしい。FXをやる気はないが。
政治関係私大で資金の引き上げできなくなる可能性があるから相当リスキーだろう。
・岸田総理の新しい資本主義は、社会主義経済よりの発想
そうだったのか。知らなかった。
軸足が大衆で、万人ウケを目指すとのこと。
まぁ、格差解消をしたほうがいいから、そうなるのか。
ただし逆に円安側に振れやすくなるからジレンマだ。
物価は下げたし、されど格差も解消したし、ってところか。
日本のジニ係数は、ここ10年ほどざっくり横ばいで中国、米国に比べて低いが。
新しい資本主義を首相官邸HPで見てみた。
成長戦略は、マンネリ。それって成長できるの?って印象。
分配戦略は、それやろうと思うと大分、金かかるねって印象。
確かに、この内容で外国人が円を買ってくれるかと言われると、買わないんじゃん、と思う。
すると、円安側に効くわけか。納得。たしかに大衆ウケはする。
【第4章】
・インフレが高まったことで国民の不満を一時的に外へ向ける必要があった。
ロシアのインフレ率って何%だったのだろう?
20年1月頃に2%台だったものが、22年1月のウクライナ侵攻前には9%程度。
高インフレ状態。
そのうえ、ロシアは新型コロナ対応もかなりしくじっている感がある。
なるほど、たしかに不満を外部にそらす必要があってウクライナ侵攻の一要因となった可能性はある。
・キープレイヤーは大国。アメリカと中国。
結局、日本人は大国をみてどう動くか考える必要がある。
・ロシアの4月のインフレ率は17.8%。さらに不満を外部にそらそうとする可能性あり。
ホットウォーとしての第三次世界大戦に発展する?
でも、今のところはウクライナ南部の切り取りを図るぐらい?
というか、西側諸国の武器援助が効いてきて、ロシアは通常戦力では勝ちきれない。
とはいえ、ロシアはクリミア半島が失陥することはできない。
すると核使用に踏み切る?
書籍ではモルドバなど近隣諸国へ侵攻の拡張が指摘されている。
ウクライナが取れない代わりに、近場で別の領土を取りに行く?
結局、このあたりは日本の行動に関係なく進んでいく。
日本人ができるのは、リスクヘッジしつつ、様子をみて、臨機応変な対応する程度か。
・中国のゼロコロナ
緩めて感染急拡大すると支持率下落、一方で長引く行動制限に対する不満でも支持率下落。
ジレンマな状況で、どっちもとれない。
でも、現状、中国は性能の良いワクチンを持ってない。
そもそもBA5に効くワクチンは日本も持ってない。
どうにもならない。
中国は世界経済のけん引役なので、世界全体が景気後退側に振れる。
これも日本の影響外で生じる事象。
・中国の特徴 エリートが決める即断即決の政策
エリートが選択を誤らない限りは、メリット大。
選択を誤ると、世界経済を巻き込んで不景気入りか。
ときに岸田首相は、いつまで意見を聞いているんだろう?
さっさと決めて、課題解決に動けと思う。
でも、安倍元総理が暗殺されるし、統一教会の問題あるし、当分、空転しそう。
・アメリカの金融引き締めは長期化の可能性あり、すなわち世界の不景気の長期化の可能性あり
具体的に書いていないが長期化ってどのくらいのスパンだろう。
過去の傾向では4~8年ぐらいだが。。
・アメリカの中間選挙
アメリカの中間選挙と大統領選で共和党が勝利し、トランプ氏が再登板の可能性あり。
バイデン大統領は同盟国重視だった。
共和党だと、再び、保護主義、孤立傾向を深めると中国やロシアなど権威主義陣営が活発に動ける。
日本の安全保障環境が悪化。
日本としてはトランプ氏が大統領となることを前提とした安全保障を考える必要があるか。
・香港の民主主義の急激な喪失
日本が中国との戦争に敗れて占領下になると、香港と同様になる。
精神的統一が図られ共産党や中国への貢献がもっとも価値の高いことに置かれるのでは。
ある意味、多様性が消えて、価値観の統一がなされ、白黒がシンプルになるか。。
ま、生き残らないと、無用な心配だが。
・米中の緊張緩和の可能性は皆無の前提
覇権争いか。
じきに中国は一人っ子政策の影響で人口オーナスが効いてくる。
ざっくり20年ぐらい決着がつかなければアメリカの勝利だろうか?
的外れな妄想?
・経済規模でRCEP>TPP
知らなかった。てっきりTPPのほうが大きいと思っていた。
【第5章】
・一般的投資リターンは+10%前後
まじか。10%儲かったら大儲けだとおもっていたが。。。
過去50年のアメリカ500社への分散投資の平均リターンとのこと。
そう、うまくはいかんだろうが…
・地政学的にインドは大きなチャンス
それはわかるが、ほとんどインドについて知らないからな。
もちろん行ったことがないし、TVでもインドの映像はあまり見ない。
まだ、タイのほうが多いぐらいかも。
まさか、デカン高原で綿花が名産とか関係ないだろうし。
行ってはみたいが、なかなか無理がある。
・円安ヘッジが著者のお勧めらしい。
ちょっと、今からではすでに円安が進みすぎのような気がするが、未来になってみないとわからないからな。
【エピローグ】
著者の海外経験からみると、日本人は外国人に比して精神的にも知的にもひ弱らしい。
それはたしかに。
80年代や90年代のTV映像を見ると、なにか今より勢いを感じる。
かつてエコノミックアニマルと呼ばれた日本人も今は昔だ。
【感想】
経済の基本的仕組みを教科書的に解説されている部分が多く、無知な部外者には大変勉強になった。
一応、聞いたことが在る話が多いものの、言われたら思い出すレベルだから助かった。
世界の現状の分かった気がする。とりあえず、この本を基準点にして追加情報を得ていこうと思う。
このメモを見直すと、なんとも後で役に立たないところばかりに着目している気がする。
趣味だからいいんだが、自分の読みの視点がおかしいと反省。