一億総下流社会 著:須田慎一郎
●一億総下流社会 著:須田信一郎 発刊:MdN新書 定価:本体1000円+税●
バラエティ番組「そこまで言って委員会」などに出演されている須田氏が8月に出版した新書である。私が須田氏の本を購入するのは2冊目だ。1冊目に読んだ本は2008年に出版された本だった。リーマンショックとほぼ同時の出版にもかかわらず、リーマンショックの仕組みや、その後の影響などがある程度ただしく書かれていた。このことから須田氏の予測の確かさはそこそこあるのではないかと考えて、今回の新刊本を購入した。
購入目的は、今後の世界の動きを知ることだ。記憶に留めるために学んだことの一部をまとめてみた。
【注意】
以下は私が本書から読み取って解釈した内容です。ひょっとすると私の誤解が含まれているかもしれません。もし誤りがありましたら私のミスです。正しく学びたい方は、書籍を購入してご自分で確認ください。よろしくお願いします。
【学んだこと】
読者に対して、著者は以下のことを提案している。
インフレに対応するために、ただ節約を繰り返していても先は見えてこない。少しでも良い生活を送りたいならば、世界の動きがどうなっているかについて正しい情報を入手し、正しく判断することが必要だ。日本を取り巻く世界の動きについて、最も強い影響力を持っているのは米国である。
米国の動きを知ることで、これからの世界の動きと、これから起きる自分たちの生活の変化を予想することができる。その予想を生かして、これから自分がどうすれば豊かになれるかを考えねばならない。
それすらも怠るならば「一億総下流社会」は現実のものとなるだろう。
私の感想
たしかに著者の言うとおりだと思う。まず先に米国の動きがある。そして、その影響が日本に現れるまでにはタイムラグがある。いち早く米国の動きを知ることで、これから自分を取り巻く世界に何が起きるのかの見通しを立てやすくなる。
国あるいは国民に対して、著者は以下のことを提案している。
それは対米従属からの離脱だ。世界は「コロナショック」「ウクライナショク」「インフレ」「ドル高」に見舞われており、世界的なスタグフレーションに突入する可能性がある。さらに日本独自のマイナス要素として、少子高齢化による労働人口の減少や、新興国がキャッチアップしてきているにもかかわらずGAFAMのような新規産業セクターを立ち上げられていないという問題がある。
しかし、これまでの日本は米国の意向にがんじがらめにされており、独自政策を実行できてこなかった。米国の国益が優先されてきたからだ。このままでは日本の貧困化を阻む独自政策を実行することができない。米国に反旗を翻せとまでは言わないものの、国家衰亡の危機にあることを認識して対米従属を見直すことが必要だ。
私の感想
著者の主張には一理あると思う。そうした認識は政府も持っているのだろう。最近の日本単独での円買いの為替介入に、それが表れているのかもしれない。もちろん、米国に仁義をきっての介入だと思うが。一方で日本が国防を米国に依存している点に注意が必要だ。米国の逆鱗に触れない範囲を見極めつつ、日本の国益を考えた独自政策を探っていくことになるのだろう。
【その他】
センセーショナルなタイトルであるものの、極めて穏当な内容の本だった。
「情報集めを怠り漫然と過ごしていると貧しくなりますよ」というのは、万事について言える当たり前のことだと思う。しかし、実際のところは情報集めをしていない人が多いのではないだろうか。
特に覚えておくべきことは、情報集めにあたって米国に注目するということだろう。改めて自問してみると、米国について口に出して言えるほどのことは殆ど知らないことに気付いた。もし、自分で今後の米国の動きを予想するならば、1960年代ぐらいからの経済関係の米国の歴史を学んだほうがいいのだろう。はなはだ面倒なことではあるが、今後の課題である。
本書には、他にウクライナ危機の原因や今後の動き、円安になっている仕組みなどが分かりやすくまとめられている。私にとって学ぶところが多々ある本だった。
もし、本書に関心を持った方がおられたら、電子書籍の試し読みで目次だけにでも目を通してみてはいかがだろうか。
以上
うーん、書くのに時間がかかりすぎだ。30分間ぐらいで書けないものだろうか。




