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いろいろ  作者: よむよむ
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悪文ー伝わる文章の作法 編著:岩淵悦太郎

● 悪文 伝わる文章の作法 編著:岩淵悦太郎 刊行:角川文庫 定価:800円(税別)●


 自分の書いた過去のエッセイを読み返してみると、非常に読みにくいことに気付いた。理解しようするといちいち脳に負荷がかかるのだ。


 まず字面が密だ。見た瞬間に面倒くさそうだと感じる。そして、文がわかりにくい。頭にスムースに入ってこないのだ。なぜだろう?どう直せばよくなるのだろう?


 そんな課題意識を感じていたときに、書店で平置きされている本書を見かけた。タイトルを初めて見たときの印象は、「俺のことか!」であった。手に取り、最初の数ページをめくってみて、何か得るものがありそうだと思い購入した。


 読み進めつつ、日本の小説家で文章のうまいのは誰かということに興味が湧いた。調べてみると、村上春樹氏の文章がうまいとのことであった。電子書籍の試し読みで少し読んでみると、たしかにわかりやすい。頭にすっと入ってくる。

 村上春樹氏の文章の特徴はなんだろう。気付いた点は以下のとおりである。


・主語と述語の関係や、修飾語と被修飾語の関係が明確

・読み返しが不要

・韻を踏むようなリズム感


 リズム感は何と言ったらいいのだろう。英語で言うとSVO、SVOのように同じ構成で書かれた文章が連なって出てくることや、文末の表現が同じになっていることだろうか。いずれ時間をみて書き写したり、主語と述語をマーカーしたりなどの分析をしてみようと思う。


 ただし自分に必要なのは、工学的な内容の文章を隙なく分かりやすく表現する方法なので、村上春樹氏の文章の形式が適切なのかは検討の余地があると思う。


 今回は、出先や就寝前に読んだため細かな感想を残していない。自分の文章の改善に役立ちそうなところだけ、自分の記憶に留める目的で書き残した。


【本編】


『文の長さは一般にどの程度ものがよいか。…新聞などの論説的な部分でも平均17文節から18文節前後であり、小説の地の文でも、平均14文節前後であるといわれている。』


 検索すると40~60文字がよいとのこと。

 1行あたりの文字数を30文字と設定して2行以内に収めるように書くと良いだろう。


『(中止法を用いた文が、)長いことは大した問題ではないが、屈折の多い内容を一つの文にまとめあげたようなものは、長くなると、かなり理解しにくい。』


 中止法を使うときは、時間の推移、並列、原因・理由、方法・手段、逆説になっているか注意しよう。


『ながい修飾語とみじかい修飾語とがあるときは、みじかい修飾語のほうを修飾される語のちかくへおくこと』


 ながい、みじかい、ちかく、おくをひらがなで書いている点が気になった。

 むやみに漢字を使いすぎると読みにくくなるためだろうか。


『紙に向かって筆を執ったときには、まだ頭の中のアイディアは全体としてのモヤモヤした姿があるばかりで、細かいところまではっきりした形をとってはいない。それを整理する努力をしないで、心に浮かぶイメージをただ書き連ねていくと、どうしても一人合点におちいる。』


 私の文章は、大体これに当てはまる。ただ、モヤモヤのうちに書いてしまわないと、アイデアが頭の中から消えてしまうのだ。記憶力の問題だろうか。

 ところで、ワープロが出回り始めのころに、ワープロで書いた文章は浅薄なためすぐわかるという記事を読んだことがある。頭の中でしっかり構想した文章と、頭の中のモヤモヤを整理せずにそのまま書き表した文章の違いを言っていたのだろう。


『長すぎる文は適切にくぎる。』

『一つの文の中に、二つ以上の違った事項を盛り込まないように注意する。』

『主語と述語とのの間は、なるべく近くする。』

『受身形をなるべく少なくする。』

『持って回った言い方をさける。』


【読後感】

 悪文となる原因と直し方がわかった。

 値段分の価値がある本だった。


 ところで、実際に自分の文章を直そうとすると非常に時間がかかる。私の文章は言わば違法建築である。ちょっとした手直しぐらいで読みやすくはならない。一度取り壊して、主旨だけ使って書き直したほうが早い。つまり二度手間をかけないと良くならない。

 

 なぜそんなことになるかというと、そもそも頭の中で考えている内容がおかしいのだろう。最初から、日本語の文法に則って、すっきりとした思考をして、それをアウトプットしているならばわかりやすい文章になるはずだ。しかし、現実はそうなっていない。


 自分が文を作るときにどう考えているかというと、イメージの中心となる単語があり、その周りに辻褄あわせのようにごちゃっと他の単語をくっつけて、それをタイピングしているといった具合だ。これをどうにかしないと、短時間で適切な文をかけない。


 わかっちゃいても難しい、どうすれば自分の思考形式を改変できるのだろう?村上春樹の著作を音読しまくって、自分の行動や思考を逐一、仮想的に文章に書かかれたものであるかのように発声しまくれば変わるのだろうか?あっという間に飽きてしまいそうだ。


 さらに、改めて気付くのは、自分が日本語の文法を知らないことだ。ほぼ話せない英語の文法のほうがましというぐらいなので、日本語文法に無知といってもいいのだろう。


 どうすれば日本語文法を習得できるだろう。おそらく、日本語文法は日本語学校で使うテキストに書かれているのではないか?いずれ時間をみて、その内容も確認すべきだろう。(はなはだ面倒だが)


 さしあたりの対策として、短い文にくぎってしまうことと、主語と述語を近くに書く、受身を使わないあたりをやっておこう。


以上

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