第3話〜〈爪〉〜
先程の小屋を抜けて森の奥へ進んでいく。
「〈爪〉って何人いるんですか?」
「今1人が旅に出てるから・・・俺含めて5人だ」
「ずいぶん少数ですね」
「そのぶんみんな強いぞ〜なんてったって〈爪〉は少数精鋭だからな!そういえば名前を聞いていなかったな」
ついさっきまであんなことがあっていたから自己紹介を忘れていた。
「アベルです」
「俺はバトン。改めてよろしく!」
身長は俺よりも高い。170㎝過ぎぐらいだろう。
髪の毛は明るいオレンジだ。
「アベル!ついたぞー!」
だいぶん歩いた。ここから出口まで3時間はあるだろう。
「ここが〈爪〉の隊舎だ」
木々の背が高い。これなら建物ごと隠すことができている。
「ただいま戻りました!バトンです!」
「よく帰った。〈足〉から全部聞いたよ。そいつが例の?」
「はい!アベルです!よろしくお願いします!」
「アベル、この人は〈爪〉の隊長、クロウさんだ」
背の高い男の人が出てきた。190㎝以上ある。黒いコートに身を包んでいる。目つきが鋭い。
あっ、今こっちみた。怖い・・・。
さすが前線部隊の隊長というべきなのだろう。とんでもなく強い。雰囲気でわかる。只者じゃない。
「アベル、家族のことは残念に思う。まさかカイジュでそのようなことが起こっていたとは・・・だがよくここにきてくれた。君の弟を連れ戻すのにこちらも手を尽くそう」
「・・・はいっ!ありがとうございます」
ああ、なんで優しいんだ。いまの言葉からどれだけこの人が慈愛に満ちているかわかる。ここにきてよかった。
「あたしはシルク!よろしく!」
クロウさんの横にいる女性が話しかけてくる。
クロウさんに比べると低いがそれでも女性としては身長が高い。この場にいる誰よりも高い。
動きやすそうな格好をしている。髪の毛は二の腕ぐらいまで伸び、癖毛だろうか、広がっている。綺麗な銀髪だ。
「よろしくお願いします!」
「あそこに座っているのはマトリ。真面目な野郎だ、ちょっと堅苦しいが気にすんな!」
「あとここにはいないけどスチルっていうやつがいる。今度居るときに紹介してやるよ」
「バトンさん!」
!!!
マトリさんがいきなり口を開く。
短く切り揃えられた青い髪が目立つ。身長はバトンさんより低いくらいだ。
「見たところこいつはまだ実践を経験していない子供じゃないですか!〈爪〉に入れて大丈夫なんですか!?」
「こいつはなかなかやると思うぞ〜。学校でもトップクラスだったらしいし」
マトリさんが厳しい表情になる。
「学校の成績如きでつけ上がっているやつが一番不安です!」
「ちょっとマトリ!言い過ぎなんじゃないのかい?」
「失礼しますがシルクさん!こいつはまだ〈爪〉に相応しいと思いません!
クロウさん!少しこいつと話してきます!」
絶対話すだけじゃないだろ・・・
「おーう行ってこい。ついでに夜ご飯も調達してこいー」
バトンさんはマイペースだ・・・
「アベル君と言いましたね!来なさい!君の実力を測らせてもらいます!」
ところどころおかしいところがあったら言ってください。